声劇・セリフ集

常に眠い猫

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二人用セリフ

「殺人鬼の最後の語り」(仮)

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ストーリー。
 人を殺しまくってきた青年が、ついに正しい道を選ぼうと、殺しもやめ、罪を悔い、連れ添ってきた少女と過ごそうという時。
 それを許さなかった人間が、青年に不意打ちを食らわせる。憎しみをあらわにし、少女でさえ殺そうとする様子に、青年は少女を何としても逃すことを決意。青年は不意打ちによる刺し傷で重症。相手は青年を憎んで武器を持った男女が数十人。相手を確実に殺せるだろうが己が死ぬことも覚悟して、青年は少女に言い聞かせるシーン。


以下台本。

青年
「ハッ。どうやら、俺に安息なんてものはやってこないらしい。いつかこうなるのではと思っていた。油断すべきじゃあなかったんだよ。

 チビ。よく聞け。

 俺は今から、あいつらぶっ殺す。
 この程度の人数ならなんとでもなるだろ。
 俺が一番最初のやつにナイフを突きつけたら

 全力で走れ。

 後ろを振り向くな。俺のことも気にするな。
 前だけを見て、ひたすら全力で走れ。
 大丈夫だ、俺は数人片付けたらお前の後を追う。
 お前が先に行って退路を確保しろ。
 引きながら各個撃破で全員ぶっ殺す。

 (少女が必死に止める。泣きながら必死に止める情景。以降少女が言っているセリフ。雰囲気づくりに想像でプラスしていただければ。少女「ダメです!あなたが何を考えているかぐらい!私にはわかります!嘘なんて!やめてください私も残ります!私も残って戦う!あなたが死ぬというなら私もここで死にます!どうして私を置いていこうとするんですか!?私はあなたから離れません!離れたくありません!私はあなたが好きなんですよ!?!?」)

 っ!

 、、、は

 、、、、、、、はははっ

 お前、大胆だな。
 これだけ人のいるところで告白とは、恐れ入るな。

(少女「そんなこと今は!」少女の言葉をちょっと大きい声で遮るように)

 

 俺は昔、全てを失って、人間なんてクソだと思ってた。
 貴族だ爵持ちだとちやほやされるばかりで下の人間は単なるゴミ扱いだ。
 憎たらしくてならなかった。
 そんなクソどもを殺して、殺し続けて俺は
 少しでも表の世界の人間を守ろうとした。
 正しいどころか、偽善ですらない行為に自己満足してだ。
 くだらねぇだろ。
 くだらねぇ。だらしがねぇ。情けねぇよ。
 そんなことに気づいた時、俺は何もかもが無意味に思えてならなくなった。
 多くの命を奪った行為が単なる自己満足でしかない。
 信じた正義と、守ってきた自分の何かはとっくの昔に消えて、俺は空っぽのまま単なる殺人鬼と言う名のバケモンでしかねーのか、って、俺は絶望した。
 俺という存在になんの意味があったのか。
 しがみついてきた信念は、本当に自分のものだったのか。
 何もかもわからなくなって、俺はもう死ぬことすら考えた。

 そんな俺をお前は止めたんだ。

 そうお前は俺を押しとどめてんだよ。
 泥沼の底に引きずり落とされそうな俺を。
 その行為に甘んじてしまいそうだった俺を。
 、お前だけはそんな俺を許さなかった。
 俺をすくい上げたのはお前だ。
 いつの間にか、俺はお前に全てを救われていた。
 お前の言葉が、驚くほど胸に残って消えねぇ。
 その言葉が、生きる意味を、守る力をくれた。
 俺はもう、表の世界には戻れねぇ。
 せいぜい


 好きな女を守るだけしか


 俺にはもうできねぇんだよ。


 エリィ、頼む。

 お前には生きていて欲しいんだ。
 どれほど自分勝手と言われようと
 どれほど憎しみをぶつけられようと。
 お前だけは、失うわけにはいかない。
 だから
 だから頼む。
 生き延びてくれ。
 そしてあわよくば、幸せになれ。





 さてぇ?
 いいだろう。相手をしてやるよ。あ?
 ゴーストと呼ばれ、最恐と言われた俺に、挑んでくるその度胸は認めてやるぁ。
 一番最初に餌食になるのは、誰だ?

 いいだろう!皆殺しにしてやるよ。

 エリィ!走れええええええ!!!!

 テメェら!後で泣いても許してやらねえからなあ!?





(数時間後。
戦闘後にて。ボロボロの青年)


 ぐっ、、、、。
 ちっ。、、、われながら
 しぶてーな。、、、俺。
 だが。へへっ。全員、、殺して、やったぜ
 これで、エリィに刃が
 むくことは、、、ねぇだろ

(以下青年心の声)

 それにしても、なんだ。あいつ。
 やっぱ好きだったんじゃねーか。
 くそ。どさくさに紛れて告白とか。
 らしくねーことしたなぁ。
 だがまぁ、これでよかったんだろ。
 アイツと町で暮らすってのができなくなったのは、ちぃとばかり心残りだが。

(少女「ちょっと!こんなところで寝てたら風邪ひきますよ?」)

 ぁぁ、エリィ。
 なぜ逃げなかったんだ。
 まぁもういいか。全員死んでるし

(少女「何寝言言ってるんですか。ほら、朝ごはん食べますよ?」)

 いや、わりぃ。
 まだ、少し眠いんだわ
 もうちょい、寝かせてくんねーかな

(少女「んー。もう、仕方ないですね。じゃあ、朝ごはんはお昼に持ち越しにするので、もう少しだけなら休んでていいですよ?」)

 へっ。お優しいことで。
 んじゃお言葉に甘えて、寝ることにするよ。
 お前がいてくれて、よかった。

(少女「いきなりなんですか?もしかして、寂しい夢でも見ましたか?」)

 寂しい?
 あぁ、そうか。
 おれは、お前がいないと
 さみしい、、、、ん、、、__________________





年にして37586年末
巷を騒がせ、多くの貴族の命を奪ったと騒がれたゴーストは
こうして
自らの罪をみち連れに命を落とし
5年もの間騒がれていた【連続ゴースト事件】は、人知れず静かに幕を閉じた。
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