声劇・セリフ集

1人用声劇

語り 昔話「勇者の語り」

昔々の勇者の話

 昔々のその昔。
 とある世界に、大いなる力を持った男がいました。
 男は世界を破滅へ導こうと企む魔族を打ち倒し、ついには仲間とともに魔王を打ち倒した。
 男とその仲間たちは祝福され、魔王にとどめを刺した男を、皆は勇者と称えました。
 そして時はながれ、勇者は生き絶えますが、生き絶える刹那、勇者は看取り人であった自身の娘に、言葉を残していました。
『魔王は滅んではいない。いずれまたこの世界に降り立つ。その時のため、『勇者』を代々継ぎ、さらなる魔王襲来に向け、力をつけるのだ』
 その言葉通り、娘は次なる勇者を選ぶ掟を作りました。
 掟に従い、勇者は選ばれ、ときは流れ、そして、


魔王が現れた。


魔王はその昔と同じように人々を殺め、世界に混乱をもたらした。
そこに、勇者の称号を受け継いだ男と、その仲間が現れる。
まおうはいぜんよりつよくなっていた。
しかしそれは勇者も例外ではない。
何日も何日も苦しい戦いが続き、
勇者はついに魔王を打ち果たした、が、魔王を打ち果たすとともに、その勇者の姿も消えていた。
『勇者は己の身をもって私たちを守ってくれた』
そんな武勇伝が世界中に広がり、世界は平和になったとさ。