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第一章 ヴァルキリーの巫女

第八劇 天使の剣

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「『エンジェリックシールド!』」

バチン!

 シールドを張るのに成功し、ギラドガーラの攻撃は相殺された。
 ミカエルがやったと、指をならした。

「よし、うまくいった。ビューティースティールの干渉を妨げさせた。よし、今度はこちらからだ。ユミエル、肉弾戦だ」
「なにか、チョーカーから体に感じるわ。わかった。こうね」
 チョーカーが光ると凜(りん)は、念じるままに体を動かした。
 すごいスピードで宙を舞った。

「空が飛べる。くらいなさい、やぁぁぁあぁ『エンジェリックストーム!』」

ドドド!

 凜がギラドガーラに急速に近づき、接近戦となり、パンチやキックを連続で打ち込んだ。
 ギラドガーラにクリーンヒットし、攻撃が見事に炸裂した。
「すごい、まさか、ヴァルキリーエンジェルの格闘技を発動させれるとは想わなかった。私が魔法を教えなくてもアテナを使いこなせている」

「ぐがぎゃぁああああぁ」
 ギラドガーラは、ダメージが大きく、耐え切れず、咆哮をあげた。
 雄たけびをあげると、凜と少しばかり、間合いをとった。

「く、くそ、ええぃ、なにをしておる、ギラドガーラ! 生気吸収だ! シールドを貫通するくらい強力にするのだ」
 ルシファーからのハッパがかかる。
 しかし、ギラドガーラの面持ちは険しかった。焦りがあったのだ。
 対して、凜の瞳には余裕と自信があった。倒せる、そう確信していたのだ。

「アテナからきこえる。あなたを倒せば、みんなもとに戻れるのね」
 凜はチョーカーを手で押さえながら言った。
 そのとき、凜が動いた。
「『エンジェリックソード!』」
「あれは、ヴァルキリーエンジェルの剣!」
 なんと、両手を左右に広げると、瞬間的にすごい装飾の剣が現われたではないか。ミカエルは使いこなせていることに驚いていた。





☆☆
第九劇につづく。up予定。
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