最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

文字の大きさ
127 / 625
4章

121話 遠回りの遠回り

しおりを挟む
 いやー、キングサハギンは強敵でした。

 なーんて、あっさり倒せればよかったんだが、今まであった中で一番強い……のは当たり前だな。レベル高いんだから。
 と言うか、そもそもレベル云々ではなく挙動とか含めて、デカブツのボスにしか当たっていなかったのが一番大きい問題だった。私のレベルではそもそも受けきれない、どうにか1発受けたがまさかの40ダメージ、速攻で瀕死だ。

「くっそ、いてえ……!」

 手持ちのポーション3本投入して全快。あと2本でHPポーションも無くなるのでこれ以上は普通に危険ラインになる。
 やっぱステータス違うとダメだな、ちゃんとレベル上げないと。倒したら2、3レベルくらいは上がってくれるだろう。

「しっかり前線してくれないと死ぬんだけどー」
「無茶ばっかり注文してくるのやめろっす!」
「ちょ、ちょっと……く、くるから……!」

 何だかんだで致命傷を避けられているのは後ろで控えているメカクレが魔法矢で援護しているからというのも大きい。やっぱりあんなんでもトッププレイヤーなんだろうな、威力もタイミングもかなりいい。

「ほら、メタリカを見習いなさい、あなたが抜けられたら全滅なのよ」
「やっぱり貧乏くじじゃないっすか!」

 忍者から一歩引いてキングサハギンの挙動をもう一度確認する。基本モーションは普通のサハギンと変わらないわけだが、動作の洗練さが違う。一撃一撃に確実な殺意が乗っている上に、ブレというものが無い。
 そういえば銛って槍とどこが違うんだろう。返しの有無とかなのか。あの髭親父に聞いてやると共に樽が作れなかった恨みをぶつけてやらないと。

「足止めるっすから追撃よろしく!」

 素早く印を組むと共におしゃべり忍者が3人に増える。
 おお、すげえ、狐を体の中に宿している、オレンジ色の忍者みたいな事してる。
 
「3方向からの強襲で足止め、援護は勝手にやってくれっす!」

 それぞれの忍者が、刀と手裏剣と忍術での波状攻撃を開始する。
 いいなあ、ああいう動きにメリハリの付く行動ってやっぱあこがれるよね。此処の所、新しいスキルって私も覚えていないわけだし。アクロバティックなスキルとか出てくれてもいいのに。

「っと、そういうのは後にするとして」

 三位一体攻撃を繰り出しているのに合わせて此方もウサ銃での銃撃で援護を開始する。
 そういえばウサ銃での二度撃ちって使った事ないな、いちいちトリガーを引く動作が無いから楽に撃てるって事か。
 とにかくすぐに二度撃ちを発動し、キングサハギンに対して銃撃をすると、鳳仙花での発射の様に銃声が2つ重なったような音をさせてから、しっかり銃弾が2発発射される。

「うむ、やっぱ良いスキルだわ」

 攻撃を繰り出しているおしゃべり忍者の横をすり抜け、2発の銃弾がキングサハギンに直撃し、悲鳴を上げさせる。久々にウサ銃を使ったが、やはり一番の相棒装備はお前だよ。

「脱皮したので、柔らかい……?」
「みたいね、やられる前にもっと攻撃するわよ」
「あ、はい……!」

 おしゃべり忍者がいつまであの分身を出せるか分からないが、とにかく長期戦よりは一気にダメージを加えて押し切る方がこのパーティに向いている。やっぱりタンクの重要性は大事だ。
 とにかく押し切らないといけないので二度撃ちをさらに発動し、追撃。こいつの欠点は2回使うとMPではなく残弾不足で使えないのでさらに追加で1発入れなきゃいけないという点だ。
 奇数装弾、偶数使用の欠点はこう言う所だな。
 
「鳳仙花出してもいいけど、これ以上前はちょっと抵抗あるわね」

 着弾を確認してから、すぐに狙いを付け直して深く息を吐き出し、FF(フレンドリーファイア)しない様に忍者の攻撃の合間を狙う。
 ばんばん派手に撃ちまわるのもいいが、残りの銃弾も少ないし、あー、畑見に行きたい、もうジャガイモ出来てるだろうし、アルコールとか硝石とか大量生産して死ぬほど無駄に撃ちたい。
 
「あ、やべっ」

 雑念を払うかの様に、分身が消え本体だけになった忍者がゴム毬の様に跳ねながら私にぶつかってくる。
 これもキングサハギンの攻撃扱いになるのか、結構な勢いでぶつかるのでそれだけで衝突ダメージが入る。これだけで13ダメージ、ハラスメントブロックとかも加味されてんだろう。

「ちょっと、これ、やばいっす……」
「ああ、重い……さっさとどきなさいよ!」
「む、むりっす、今は動けないっす……」

 仰向けに倒れその上におしゃべり忍者がぐったりとして乗っている。
 やっぱり分身のダメージとかクールタイム的な問題で動けないのがデメリットになるんだろう。無制限に使えるとかノーデメリットで使えるわけじゃないのか。

「ああ、ちょっと、メタリカ!援護して援護!」
「い、いまします……!」

 倒れている私と忍者に向かってキングサハギンがのしのしと歩いて近づいてくる。完全にダウン追撃をする為に攻撃しにきている。その出鼻を挫くためにメカクレが魔法矢を何度も撃ち、相手の進行と攻撃を抑え……られていない。向こうも向こうでMPの回復が間に合っていないのか、それとも大技を使うタイミングが無いのか。

「今日は曲撃ちばっかりね……!」

 仰向けのままで向かってくるキングサハギンを上下逆さに見ながらでもウサ銃を……と、思ったらぶつかった衝撃で手元を離れており、手を伸ばして届く所にはない。

「ああ、もう、こんなとこでぇ!」

 おしゃべり忍者はいまだにゼイゼイと荒い息を吐き出し、もぞもぞと蠢いている。
 キングサハギンはこっちに向かっていて、メカクレは抑える事は出来ない。そうなると自前でどうにかするしかない。

「んんっ、こいつ……!」

 どうにかこうにか手を腰に突っ込んで、DボアとG4を抜くと共に、射程とか命中とか一切の事を気にせず、そのまま2丁拳銃、しかも上下反転のままで銃撃を始める。こんなのサバゲーとかでもやった事ないわ。
 そのまま両方の拳銃の引き金を何度も絞り上げる。

「死ねっ、死ねっ、死ねっ!」

 メカクレの魔法矢援護が切れたが、とにかく一旦ここで抑え込まないとこのまま瓦解する。踏ん張りどころだぞ。
 左右で19発。固定ダメだけで言えば全部当たれば345ダメージ、今出せる最善の手で最大の攻撃。
 勿論だが右に下ろしていたDボアが先に弾切れするので撃ちきったらその場で落とし、G4を両手で構えて全部撃ち込む。
 しかしそれでも止まらず、眼前へと体中に穴の開いたキングサハギンが私たち二人を見下ろして銛を構えている。

「串刺しって、やな死に方だわ」
「め、めんぼくねえっす……」

 インベントリから鳳仙花とも考えたが、取り出して構えて撃つの3動作をするまでには攻撃を貰う。うん、これは詰んでいるわ。いや、此処で諦めたら私じゃないな、ウサ銃は届かないし、やっぱり出すなら鳳仙花だな、相打ちでもこっちに1人でも残ってれば勝ちなんだ、泥臭かろうが、何だろうが勝てば良かろう。

 キングサハギンが目の前に来る。
 インベントリを開いて鳳仙花を見つける。
 銛を構えて、穂先を下に。
 そのまま取り出し構えて。
 銛が振り、下ろされない。
 引き金を絞り、キングサハギンにほぼ直撃の2連射。

「もうちょっと、パーティ信用するのも、いいわね」

 視界の端で弓を投げ出し、座り込んでいるメカクレが見える。大技的な物を使って攻撃動作に割り込んだのだろう。
 だからこそ取り出し、構えて、撃つまでの動作が間に合ったわけだ。

 キングサハギンはと言うと、そのまま銛を私と忍者が重なっている横に突き下ろし、ずるずると倒れ込み。さらに私達の上へと重なる。
 蛙みたいな声出たし、なんか変なダメージ貰ったのはちょっと情けないが、しばらくするとキングサハギンもポリゴン状になって消失していく。
 なんかいい所だけ持って行ったようにも見えるが、散々ダメージを与え前線維持していたりした忍者とメカクレのおかげだ。こいつら火力見た目以上に高いよ。

「ねえ、一二三、さっさと避けてくれない?」
「も、もうちょいで動けるっす……」
「メタリカ、こいつ避けるの手伝って」
「私も、きゅ、休憩です……」

 ダメージが少なかった割には疲弊してるな、あれだけMP消費して、撃ちまくってたんだからゲームステータスというよりもリアルHPが減ったか。
 何にせよ、片付いたのは確かだ、動けない間にあがったレベル分のステータスを上げておこう。


名前:アカメ 種族:ドラゴニアン

職業:ガンナー
基本Lv:26(3UP) 職業Lv:25
HP:25/47(3UP) MP:11/20(1UP)
STR:10 AGI:16(19)(1UP) DEX:20(2UP)
VIT:2 INT:2 RES:2 
SP:残23


 とりあえずDEXとAGIに振ってSTRは今後考えよう。銃のカテゴリー的にもDEXがある方が装備条件として重要な方だし、STRはまだ上げる必要になるものを手に入れてない。手に入るかもしらんが。

「よ、し、動けるっす……申し訳ないっす」
「重いんだからさっさと避けな」

 のっそりと上から降りたので私も立ち上がり、落としてた銃を回収して仕舞いこむ。
 ここまでフルバーストみたいな事するとは思っていなかったな。

「それにしても、良く勝てたわ、あれ」
「は、ふぅ……大丈夫、でしたか……?」
「最後ヒヤッとしたけど、ドラマチックな刺しこみだったわね」
「そうっすね、死に戻り覚悟したっす」

 そんな事を言われれば顔を赤くしたのかうつむいてもじつくメカクレ、褒められなれてないんかね。

「まー、いいわ、とっとと脱出しましょ」
「あ、あの、あれ……」

 煙草に火を付けて一服していると倒れていた横にアイテム一つドロップしている。
 おしゃべり忍者が近づいて回収するわけだが、何だよ、それ。

「ボスドロップっすね、出回った事がないあたりレア品の装備っすけど……いるっすか?」
「んー、どんなものよ」

 手に持っているのを此方でも確認する。あのキングサハギンが使っていた銛自体が装備品としてドロップしたわけだが。


名称:海の悪魔 武器種:槍
必要ステータス:STR35 DEX15
攻撃力:+155
効果:水棲生物に+150%の追加ダメージ 引き抜き時に追加ダメージ
詳細:返しの付いた1本銛 大物を仕留める時にどうぞ


「いらね」
「ええー……これ結構いい装備だと思うんすけど」
「そ、そうですよ……追加ダメありの、レア品ですし……売ると高いかと……」
「うっさいわね、あんたたち二人でじゃんけんして決めなさいよ」

 そういうならと言う事で二人でじゃんけんし、何度かのあいこの後に結局勝ったのはメカクレだ。そのメカクレも足引っ張ったとかで忍者に押し付けようとしたが、あいつも頑固で「負けは負け」と言って受け取らない。
 わがままなパーティだな。

「せめて脱出系のアイテムくらい出してくれても罰はあたらないんじゃない?」
「そうっすね、じゃあ戻るっすよ」

 懐から出した結晶を砕くと共に、青い光の輪が出現する。どうやら脱出用の転移地点を作るものらしい。今度買っておいたら水銀取りに行くときに便利だな。
 
 そうしてしばらくぶりに外に出て、疲労困憊の忍者に船を出させて、来た道を戻らせる。
 勿論私は漕ぐことはしない。だって私の船じゃないし。

「でも本当に銛、譲っていいんすか?」
「じゃあ、代わりにこの立派な船を作った木工職人、紹介しなさい?」
「え、あ、いいっすけど、どうしてっすか」
「あんたたちのせいで散々っぱら使った銃弾を量産しなきゃならんのよ」
「あ、す、すいません……」
「もうしわけねえっす……」

 忍者は船をこぎつつ、メカクレは船の真ん中でしゅんとする。ちょっと意地悪し過ぎたか。

「1発3万だし、結構な額の経費計算だけど……ま、時価よね、時価」

 船に揺られながらも、しばらくぶりに分布データを確認。まず5万から1千人程人口が目減りしていたのだが、多分余計な事して垢BANされたんだろう、で、其れと合わせてのガンナー人口も以前見た時から徐々に増えつつ今や100人程度にもなっている。先行組がサブか2次職として選んだのと、出遅れ組が選んだってとこだ。
 
 それに私みたいに売られてないなら自力で探すって言う人物は絶対いるだろうし、今の所それで利益出してる私だが、私以外のやる気のある奴がブログなりSNSなりWikiなり立ち上げてガンナーの情報も更新されるだろうから、徐々に私の利益、と言うか情報クランに流した情報の価値も減るが、ガンナーは増えていくと思う。
 主流にはならないが、パーティに許されるくらいにはなるか。

「そういう事だから、ほら、さっさと漕いで、私に木工職人を紹介しなさい」
「だったら手伝ってほしいっす!」
「やっぱり、銛貰っていった方が……」
「いいのよ、何だかんだで収穫もあったし、楽しかったわけだし、何より」

 何より?という顔で此方を向いてくる。

「これであんたたち二人は私に頭が上がらないでしょ」

 にぃーっとギザ歯を見せるいつもの凶悪な笑みを浮かべる。
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~

雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。 突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。 多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。 死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。 「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」 んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!! でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!! これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。 な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...