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邸に戻ってからは、サラに紅茶やお菓子が美味しかった事を話すと、サラは対抗心に火が付いたようで『もっと美味しいお茶を出せるようにします』と燃えていた。
私は当分の間、練習台確定ね。
私はというと、お茶と一緒に出されていたお菓子が気になったわ。料理人が作ったようなお菓子ではなかったけれど、ウサギや鳥の形をしたお菓子は可愛くて食べるのが勿体ないと思ってしまった。
私も作ってみたい。
今週は特にやることもないので私も料理人にお願いして作ってみようかな。
私は思い立ち、すぐに厨房へと向かった。
「忙しいところごめんなさい。モーラムはいる?」
「は、はい、ここに。ソフィアお嬢様、どうされましたか? お口に合わないものが?」
「モーラム、いつも美味しい料理をありがとう。今日はお願いがあってきたの」
「お願い、ですか? 私に出来ることであればなんなりと」
「あのね、王宮でお茶をしたときにウサギや鳥の形をしたお菓子が出されたの。きっと王子妃か第二夫人が作ったのだと思うんだけど、とても可愛いくて美味しかったから私も作ってみたいの。でも、作ったことがないし……」
「畏まりました。今日はもう時間がありませんが、明日には間に合うように準備しておきます」
「よかった! 今週は暇だから毎日でも練習できるわ」
「では明日から少しずつ練習していきましょう」
「モーラム、ありがとう」
今週はシェフが色々なお菓子作りを手伝ってくれると約束してくれたわ!
明日から楽しみ。
今日の出来事を思い返しながらサラの入れるお茶でお腹はタプタプになり、私は眠りについた。
翌日からはモーラムと一緒にお菓子作り。サラも一緒に作ることになった。最初はクッキー。
「粉と卵と砂糖とバターね。ふむふむ。なかなか難しいわ」
私はなんとか生地を捏ねて一つに纏める。ここから魔石を使った冷蔵庫で冷やすのだけれど、魔法で冷やしてみた。
「流石、お嬢様。素晴らしい」
モーラムは生地の冷え具合を確認し、褒めてくれた。
後は丸めて平らになるようにして動物型を押し当てる。
……出来た!
後は魔法で少しずつ焼いて完成ね。
凄いわ!
私、才能があるかも!!
クッキーがまだ温かいうちにみんなで味見をしてみた。甘い香りでとても美味しいわ。
なんだか料理って実験みたいで楽しい。
もっと作ってみたい。
モーラムに明日作るものを聞いてみるとカップケーキだと言っていたので今から楽しみにしているの。
夕食後、サラに内緒でモーラムに少し材料を部屋に届けてもらい、こっそり部屋でも復習することにしたの。
「サラ、今日はもう遅いし私はもう寝るわ。サラも早めに休んでちょうだい」
「……お嬢様、何か隠していませんか?」
「な、何にも隠していないわ。寝る前に少し勉強してから寝ようとは思っているの」
「分かりました。何かあればすぐに呼んでください。では、お休みなさいませ」
「サラ、お休みなさい」
サラが部屋を出たのを確認した後、隠していた材料を引っ張り出し、今日の復習をする。
そういえば、食べ物に魔力は込められるのかしら?
疑問に思いながら捏ねていたけれど、教えられた通りにやるべきか、実験をすべきか迷った末、やっぱり興味が勝った。
やってみよう。
私は魔力を込めながら捏ねていく。
思ったよりは込められなかったけれど、ほんの少し込められたと思う。見た目は何も変わらないし、何にも問題なさそう。
でも、作ったのはいいけれど、食べきれない。
どうしよう……。
そうだ! お父様に送ればいいと思うの。
きっと仕事で疲れているから甘い物を食べたいはずよね?
魔法郵便で手紙類は送っていたけれど、食べ物は送った事がないのよね。
父宛にクッキーを箱に詰め、手紙と一緒に送る。
気をつけないと超高速便になっちゃうけれど、クッキー達、いってらっしゃい。
今日は一杯捏ねて疲れたし、そろそろ寝よう。
次の日はカップケーキに挑戦したわ。モーラムは材料を全て準備して待っていた。
「では今日はカップケーキを作ります。まず初めに……」
モーラムは丁寧に説明をしてくれる。まずは昨日と同様に生地作りね。バターと砂糖を混ぜるのね。
「お嬢様、次に卵をいれてから……」
「モーラム、なんだか小さな丸い玉が沢山できているわ?」
「大丈夫ですよ」
しっかりと捏ねていけば大丈夫かしら?
次は香り高い茶葉を鉢で擦って口に茶葉が残らないようにするのね。これは簡単ね。
私はゴリゴリと一定の速さで擦っていく。
後はさっき作った生地と混ぜ合わせて、カップに入れて焼いていけば良いのね。
モーラムの説明通りに作っていく。
出来上がったカップケーキは絶品だった!
さすが、我が家の料理人。とっても美味しい。
と、なると考えつくのは今晩も一人でこっそり復習したい。
「モーラム……」
私が言おうとしていたことが分かったのかモーラムは笑顔で準備しておくと言ってくれた。
結局、昨日のクッキーはサラにバレて怒られてしまったけれど、今日はサラが横で見ていてくれるみたい。
私は当分の間、練習台確定ね。
私はというと、お茶と一緒に出されていたお菓子が気になったわ。料理人が作ったようなお菓子ではなかったけれど、ウサギや鳥の形をしたお菓子は可愛くて食べるのが勿体ないと思ってしまった。
私も作ってみたい。
今週は特にやることもないので私も料理人にお願いして作ってみようかな。
私は思い立ち、すぐに厨房へと向かった。
「忙しいところごめんなさい。モーラムはいる?」
「は、はい、ここに。ソフィアお嬢様、どうされましたか? お口に合わないものが?」
「モーラム、いつも美味しい料理をありがとう。今日はお願いがあってきたの」
「お願い、ですか? 私に出来ることであればなんなりと」
「あのね、王宮でお茶をしたときにウサギや鳥の形をしたお菓子が出されたの。きっと王子妃か第二夫人が作ったのだと思うんだけど、とても可愛いくて美味しかったから私も作ってみたいの。でも、作ったことがないし……」
「畏まりました。今日はもう時間がありませんが、明日には間に合うように準備しておきます」
「よかった! 今週は暇だから毎日でも練習できるわ」
「では明日から少しずつ練習していきましょう」
「モーラム、ありがとう」
今週はシェフが色々なお菓子作りを手伝ってくれると約束してくれたわ!
明日から楽しみ。
今日の出来事を思い返しながらサラの入れるお茶でお腹はタプタプになり、私は眠りについた。
翌日からはモーラムと一緒にお菓子作り。サラも一緒に作ることになった。最初はクッキー。
「粉と卵と砂糖とバターね。ふむふむ。なかなか難しいわ」
私はなんとか生地を捏ねて一つに纏める。ここから魔石を使った冷蔵庫で冷やすのだけれど、魔法で冷やしてみた。
「流石、お嬢様。素晴らしい」
モーラムは生地の冷え具合を確認し、褒めてくれた。
後は丸めて平らになるようにして動物型を押し当てる。
……出来た!
後は魔法で少しずつ焼いて完成ね。
凄いわ!
私、才能があるかも!!
クッキーがまだ温かいうちにみんなで味見をしてみた。甘い香りでとても美味しいわ。
なんだか料理って実験みたいで楽しい。
もっと作ってみたい。
モーラムに明日作るものを聞いてみるとカップケーキだと言っていたので今から楽しみにしているの。
夕食後、サラに内緒でモーラムに少し材料を部屋に届けてもらい、こっそり部屋でも復習することにしたの。
「サラ、今日はもう遅いし私はもう寝るわ。サラも早めに休んでちょうだい」
「……お嬢様、何か隠していませんか?」
「な、何にも隠していないわ。寝る前に少し勉強してから寝ようとは思っているの」
「分かりました。何かあればすぐに呼んでください。では、お休みなさいませ」
「サラ、お休みなさい」
サラが部屋を出たのを確認した後、隠していた材料を引っ張り出し、今日の復習をする。
そういえば、食べ物に魔力は込められるのかしら?
疑問に思いながら捏ねていたけれど、教えられた通りにやるべきか、実験をすべきか迷った末、やっぱり興味が勝った。
やってみよう。
私は魔力を込めながら捏ねていく。
思ったよりは込められなかったけれど、ほんの少し込められたと思う。見た目は何も変わらないし、何にも問題なさそう。
でも、作ったのはいいけれど、食べきれない。
どうしよう……。
そうだ! お父様に送ればいいと思うの。
きっと仕事で疲れているから甘い物を食べたいはずよね?
魔法郵便で手紙類は送っていたけれど、食べ物は送った事がないのよね。
父宛にクッキーを箱に詰め、手紙と一緒に送る。
気をつけないと超高速便になっちゃうけれど、クッキー達、いってらっしゃい。
今日は一杯捏ねて疲れたし、そろそろ寝よう。
次の日はカップケーキに挑戦したわ。モーラムは材料を全て準備して待っていた。
「では今日はカップケーキを作ります。まず初めに……」
モーラムは丁寧に説明をしてくれる。まずは昨日と同様に生地作りね。バターと砂糖を混ぜるのね。
「お嬢様、次に卵をいれてから……」
「モーラム、なんだか小さな丸い玉が沢山できているわ?」
「大丈夫ですよ」
しっかりと捏ねていけば大丈夫かしら?
次は香り高い茶葉を鉢で擦って口に茶葉が残らないようにするのね。これは簡単ね。
私はゴリゴリと一定の速さで擦っていく。
後はさっき作った生地と混ぜ合わせて、カップに入れて焼いていけば良いのね。
モーラムの説明通りに作っていく。
出来上がったカップケーキは絶品だった!
さすが、我が家の料理人。とっても美味しい。
と、なると考えつくのは今晩も一人でこっそり復習したい。
「モーラム……」
私が言おうとしていたことが分かったのかモーラムは笑顔で準備しておくと言ってくれた。
結局、昨日のクッキーはサラにバレて怒られてしまったけれど、今日はサラが横で見ていてくれるみたい。
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