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まずは目的の物を探す。パジャマと普段着の服が欲しいわ。野宿ばかりであまり気に掛けて居なかったけれど、一、二着は欲しいところ。
パジャマコーナーはピンクのレースをあしらったネグリジェやワンピースタイプのパジャマなど沢山あった。
その中に一際目立つネグリジェがあり、ふと、手に取ってよく見てみる。うん。これはシースルーのネグリジェね。
下着とセットになっていてとても過激だわ。
私にはまだ早い。
そう思い、そっとシースルーのネグリジェを元の場所へ返そうとすると、後ろから声が掛かる。ギギギと振り返ると、満遍の笑みを浮かべるテオお兄様が。
「ソフィアはこのネグリジェが欲しいのかナ?」
「ちっ、違います! 不思議な形だなと手に取ってみたら過激なネグリジェだっただけですわ。私が欲しいのはこのピンクのふわふわが付いたパジャマですっ」
すぐさまシースルーのネグリジェを元に戻した。
「ソフィアに似合うと思うんだけどなぁ。でも、このパジャマも可愛いな。店員さん、このパジャマ下さい。ソフィアは他の洋服も選んでおいでヨ」
「分かりました」
私は恥ずかしくてパジャマをお兄様に渡すと別の服を探し始めた。店員がパジャマとシースルーネグリジェを持っていた事を知らずに……。
洋服と目的のパジャマを買い、洋服店を出て食料品店へ向かう。上機嫌なテオお兄様と品物を選ぶ。
食料品店では明日からの旅用の食料品や調味料等を沢山買い込でいる。
「レオンお兄様、ただいま戻りました」
部屋を開けるとラファルがトテトテ駆け寄り出迎えてくれた。可愛いすぎる。
部屋に戻ってからはレオンお兄様に文字を教えて貰いながら本を読んだり、魔法練習を三人でしたりして過ごし、夕食を食べ終わった後、待ちに待ったお風呂に入る。
やっぱりお風呂はいいわ。
いくら魔法があるとはいえ、気分的に違うわ。髪もしっかり洗ってさっぱり。買ったばかりのパジャマは紙袋に入っていたので取り出して清浄魔法をかけ、袖を通す。
流石に宿に備えてあるバスローブではお兄様達の前には出られないもの。
ん? 紙袋にはまだ何かあるわ。
……見なかった事にする。
私は紙袋を置いてそのまま部屋に戻った。
「お兄様、次お風呂どうぞ」
ソフィアの温まった体はほんのり桜色に色付き、濡れた髪を拭きながら歩く仕草にレオンもテオも目が釘付けとなっている。
「お兄様、次お風呂へどうぞ」
「あ、ああ。ソフィアは先に休んでいてもいいぞ」
レオンお兄様がお風呂に入ると、テオお兄様が手招きしてベッドに座る。
「ソフィア、濡れたままだと風邪を引いてしまう。こっちにおいで」
テオお兄様が髪を乾かしてくれるみたい。テオお兄様の手から器用に温風が出ているわ。
「テオお兄様、器用なのですね」
テオお兄様は上機嫌で私の髪を乾かしていると、レオンお兄様が血相を変えてお風呂から出てきました。
あ、見て見ぬふりは駄目だったわ。
「ソ、ソフィア。脱衣室に忘れ物があったのだが、これは着ないのか?」
レオンお兄様の手にはシースルーネグリジェ。
……チッ。
私はテオお兄様を睨むが、テオお兄様は何処吹く風のようだ。
「レオンお兄様! 捨てて下さい。テオお兄様、私絶対に着ませんから!」
「えー残念。折角買ったのに。冗談が通じないなんて残念だヨ」
テオお兄様は悪びれる様子も無く、私の髪を乾かしている。レオンお兄様もちょっと残念そうな様子だけれど、無視よ。
ぐぬぬぬ。
結局、お兄様達はそれ以上何も言わず、私はベッドへ。今日はテオお兄様がラファルと一緒に寝ることになった。
お休みなさい。
翌日も早い間に朝食を摂り、出発する。
「お兄様達はここから何処へ行く予定ですか」
「そうだな。のんびり冒険しに行くか」
王都を出て三人と一匹で歩き出す。元の大きさに戻ったラファルが時々走っては魔鳥を食べに行くが、今の所強い敵は出てきていない。私達はのんびり話をしながら次の町に向かっている。
あと徒歩四日って所かしら。
「今日はこの辺で野宿するか」
お兄様達はサクサクとテントを立てていく。やはり野営を経験しているからか素早い。その無駄の無い様に感動したわ。
結界の杭を打ち、ご飯の準備にかかる。今よ! ヴィシュヌ様に教えて貰った方法で私は野菜を切り、スープを作る。
お兄様達は私の手つきを見て目を見開いている。きっとお兄様達の方が上手いのではないかと思うのよね。
見目麗しく、頭も良くて魔法も使えて、料理も出来てしまうって神様、なんて不公平なの。
ずるいわ。私も頑張ろう。
なんとか出来たスープは味見をしたら美味しかった。ヴィシュヌ様の味がちゃんと再現できた気がするわ。お兄様達もホクホクしながらパンとスープを食べているし、褒めてくれた。
テントでは三人で仲良く話ながら眠りについた。
パジャマコーナーはピンクのレースをあしらったネグリジェやワンピースタイプのパジャマなど沢山あった。
その中に一際目立つネグリジェがあり、ふと、手に取ってよく見てみる。うん。これはシースルーのネグリジェね。
下着とセットになっていてとても過激だわ。
私にはまだ早い。
そう思い、そっとシースルーのネグリジェを元の場所へ返そうとすると、後ろから声が掛かる。ギギギと振り返ると、満遍の笑みを浮かべるテオお兄様が。
「ソフィアはこのネグリジェが欲しいのかナ?」
「ちっ、違います! 不思議な形だなと手に取ってみたら過激なネグリジェだっただけですわ。私が欲しいのはこのピンクのふわふわが付いたパジャマですっ」
すぐさまシースルーのネグリジェを元に戻した。
「ソフィアに似合うと思うんだけどなぁ。でも、このパジャマも可愛いな。店員さん、このパジャマ下さい。ソフィアは他の洋服も選んでおいでヨ」
「分かりました」
私は恥ずかしくてパジャマをお兄様に渡すと別の服を探し始めた。店員がパジャマとシースルーネグリジェを持っていた事を知らずに……。
洋服と目的のパジャマを買い、洋服店を出て食料品店へ向かう。上機嫌なテオお兄様と品物を選ぶ。
食料品店では明日からの旅用の食料品や調味料等を沢山買い込でいる。
「レオンお兄様、ただいま戻りました」
部屋を開けるとラファルがトテトテ駆け寄り出迎えてくれた。可愛いすぎる。
部屋に戻ってからはレオンお兄様に文字を教えて貰いながら本を読んだり、魔法練習を三人でしたりして過ごし、夕食を食べ終わった後、待ちに待ったお風呂に入る。
やっぱりお風呂はいいわ。
いくら魔法があるとはいえ、気分的に違うわ。髪もしっかり洗ってさっぱり。買ったばかりのパジャマは紙袋に入っていたので取り出して清浄魔法をかけ、袖を通す。
流石に宿に備えてあるバスローブではお兄様達の前には出られないもの。
ん? 紙袋にはまだ何かあるわ。
……見なかった事にする。
私は紙袋を置いてそのまま部屋に戻った。
「お兄様、次お風呂どうぞ」
ソフィアの温まった体はほんのり桜色に色付き、濡れた髪を拭きながら歩く仕草にレオンもテオも目が釘付けとなっている。
「お兄様、次お風呂へどうぞ」
「あ、ああ。ソフィアは先に休んでいてもいいぞ」
レオンお兄様がお風呂に入ると、テオお兄様が手招きしてベッドに座る。
「ソフィア、濡れたままだと風邪を引いてしまう。こっちにおいで」
テオお兄様が髪を乾かしてくれるみたい。テオお兄様の手から器用に温風が出ているわ。
「テオお兄様、器用なのですね」
テオお兄様は上機嫌で私の髪を乾かしていると、レオンお兄様が血相を変えてお風呂から出てきました。
あ、見て見ぬふりは駄目だったわ。
「ソ、ソフィア。脱衣室に忘れ物があったのだが、これは着ないのか?」
レオンお兄様の手にはシースルーネグリジェ。
……チッ。
私はテオお兄様を睨むが、テオお兄様は何処吹く風のようだ。
「レオンお兄様! 捨てて下さい。テオお兄様、私絶対に着ませんから!」
「えー残念。折角買ったのに。冗談が通じないなんて残念だヨ」
テオお兄様は悪びれる様子も無く、私の髪を乾かしている。レオンお兄様もちょっと残念そうな様子だけれど、無視よ。
ぐぬぬぬ。
結局、お兄様達はそれ以上何も言わず、私はベッドへ。今日はテオお兄様がラファルと一緒に寝ることになった。
お休みなさい。
翌日も早い間に朝食を摂り、出発する。
「お兄様達はここから何処へ行く予定ですか」
「そうだな。のんびり冒険しに行くか」
王都を出て三人と一匹で歩き出す。元の大きさに戻ったラファルが時々走っては魔鳥を食べに行くが、今の所強い敵は出てきていない。私達はのんびり話をしながら次の町に向かっている。
あと徒歩四日って所かしら。
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お兄様達はサクサクとテントを立てていく。やはり野営を経験しているからか素早い。その無駄の無い様に感動したわ。
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お兄様達は私の手つきを見て目を見開いている。きっとお兄様達の方が上手いのではないかと思うのよね。
見目麗しく、頭も良くて魔法も使えて、料理も出来てしまうって神様、なんて不公平なの。
ずるいわ。私も頑張ろう。
なんとか出来たスープは味見をしたら美味しかった。ヴィシュヌ様の味がちゃんと再現できた気がするわ。お兄様達もホクホクしながらパンとスープを食べているし、褒めてくれた。
テントでは三人で仲良く話ながら眠りについた。
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