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やってやってやりまくり編

山田の過去

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リビングのソファーに座ると山田が寄り添ってきた。みなみちゃんと同じ香りに俺は困惑していた
「どっから話そうか」山田は俺の手を握った。俺が手を離そうとすると、さらにもう片方の手を添えてきた。
「もう、ノン君ったら、恥ずかしがらないでよ、もうキスした仲じゃない」山田の言葉に背筋がゾッとした。だが、普段の山田を知らなければ、一度くらいなら…、そう思えるほど美しい女性が俺の前に存在した。

『あの娘の手紙にね、あなたを愛してしまったと書いてあったわ。デリヘル嬢として知り合って、偶然再会できたことも」みなみちゃんのことを語りだした山田はドキリとするほどセクシーな目で俺を見た
「あなたとの関係をとやかく言うつもりは無いわ。だからあたしのことも干渉しないでほしいの。あたしと社長の関係」
「そんなつもりはないよ」俺はかろうじて口を開いた
「そう、だったら村松とか中嶋、黙らせて」山田の目がきつくなった
「言っとくよ、彼女たちはお前の披露宴にも出席してるから、みなみちゃんのことが気になったみたいだから」
「そう、以後ないわね」
「ああ、大丈夫だと思う」一瞬の沈黙があった。山田は俺の手を握ったままだった
「あのね、あたし、不幸な家庭に育ったの。あなたは中流家庭に育ったってよく言ってたけど、最下層の生活って知ってる?身体を売らないと生活できない辛さわかる?」山田は目を見開いて、俺の目前まで顔を近づけた
「わからない、かな」俺は勢いに押されながらつぶやいた
「あたしが最初に身体を売ったのは小学校3年の時だった、母親は父親が突然亡くなってからソープで働くようになったの。そこのハゲでデブな経営者にあたしは身体を売られたの。母親の目の前で」俺はあまりの衝撃に言葉を発することが出来なかった…


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