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二匹目!+一羽目
6・モフモフわんこのお昼寝中に新しいアイテムコアを作った話
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【影のモンスターコア】
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:D】
【炎属性:*】
【大地属性:D】
【風属性:*】
【水属性:*】
「うーん、どうしよう」
残りの影コアを手にして、わたしは唸った。
ソファになってくれていたタロ君が立ち上がり、後ろから覗きこんでくる。
スライム達は天井に戻って……ボス部屋の隅にはミドルポーション+の山があった。今度変異種が発生したら放出しよう。
「どうしたのだ?」
「身内用にいくつか持って帰りたいんだけど、ミドルポーション+はドロップ品リストに登録できないでしょ? だれかに見られたら危険だし、アイテムコア作成で無限にものが入るバッグでも作れないかと思って」
「マスターなら、きっと作れるのだ!」
「ありがと。……タロ君、異世界には無限にものが入るバッグってあった?」
なんの糸口もないので、少しでも参考にできる情報が欲しい。
ゲームやネット小説に出てくる『アイテムボックス』や『インベントリ』みたいなのが欲しいんだよね。『マジックバッグ』って呼び名もあるっけ。
タロ君は目を閉じ、ダンジョンマザーツリーのデータベースにアクセスする。
「あったのだ! 普通のバッグの底に『転移』の効果を持つアイテムコアを張りつけて、遠くの倉庫のものを出し入れしていたぞ。……無限じゃないから違う?」
「ううん。方向性はそれでいいんだけど」
わたしは『転移』が使えるけど使えない。
ホームとダンジョン、ダンジョン域と見なされるモンスターのいる場所にしか移動できないのだ。
異世界の魔法使いのように自分で習得したわけではなく、心臓に融合したダンジョンコアの持つ能力を使っているだけだからである。
「タロ君、『転移』の魔法属性ってわかる?」
「わかるぞ、『時空』属性なのだ!」
「そっかー……」
時空属性、ステータスボードにないなあ。
「もしかして『時空』って、『植物』と一緒で混合属性っていうヤツ?」
「そうだぞ」
「組み合わせわかる?」
「基本属性全部だぞ!」
「全部かー。作るのにMPがたくさんいるね」
「『MP譲渡』する?」
「うん、ありがとう」
タロ君は嬉しそうに『MP譲渡』してくれた。
ひとまず1090MP(5MPは帰りの『転移』用に残す)あればいいかな。
「じゃあまずは形から作ってみるね」
「そうか」
タロ君は黒い豆柴モードになると、わたしの膝で丸くなった。
ペット用品店へ行ったりフリスビーで遊んだりしたから疲れたのかな。
わたしは表示させたままのステータスボードを見つめる。
「『防御』S、『敏捷』Cでマントになったんだったっけ。首のところをボタンで留めるのは、わたしのイメージで変更できたんだけど、フードのケモ耳と裾の尻尾は勝手についちゃったんだよね」
コアの元であるタロ君が犬型モンスターオルトロスだからだろう。
可愛いからいいけど。
「布製にしたいけど、バッグに『敏捷』っていらないよね。『集中』にしてみる?」
防御と集中にMPを注ぐと四角い布地になった。
名称は『布のバンダナ』だ。一回攻撃を受けると壊れてしまう。
発想は悪くなかったんじゃないかな?
「というか、これでサイズを大きくして風呂敷として使えばいい?」
頭を捻って昔雑誌の特集で見た風呂敷を折ってバッグの形にする方法を思い出す。
──が、滑って布が折れない。バンダナ専用ということだろうか。
試しに被ってみるのはやめにした。追加加工できなくなるかもしれない。
「魔法攻撃で植物の蔓か魔法防御で金属の棒を合わせて、バッグの形にしてみたらどうかな?」
元々インドア派のヌルゲーマーのわたしは調合系のゲームが好きだった。
攻略サイトが見れたら楽なのになー、なんて思いながらアイテムコア作成に熱中する。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
わたしの膝の上で、タロ君が伸びをする。
「ふわあ、良く寝たのだ」
「おはよう、タロ君。アパートに帰ろうか」
「ん。マスター、バッグはできたのか?」
「……」
わたしは無言でタロ君にそれを見せた。
【影の帽子】
【攻撃:*】
【防御:A】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:C】
【集中:C】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:C】
【炎属性:*】
【大地属性:C】
【風属性:*】
【水属性:*】
【特徴:使用者に合わせて大きさが変わる】
【 使用者の防御の値が基本の七十五パーセント上昇する】
【 使用者の魔法防御の値が基本の二十五パーセント上昇する】
【 使用者の集中の値が基本の二十五パーセント上昇する】
【 六十回攻撃を受けると壊れる】
【付与効果:索敵(MPを消費することで魔法スキルが発動する)】
頭を攻撃されることはそうないと思ったので、防御はあえてAで止めておいた。
基本の防御と魔法防御や集中の相性が良かったのか、どちらの上昇値もかなり良い。
『索敵』の使用に回数制限がないのは、やっぱりタロ君が習得済みの魔法スキルだからかな。
防御*→F→E→D→C→B→Aで501MP、魔法防御と集中は*→F→E→D→Cで101MPずつ、闇属性大地属性はD→Cで60MPずつ。
合計823MPのアイテムコアです。
どうです、奥さん!(だれ?)
犬の頭の形をした可愛い帽子になった。
今度色違いを作って歌音や春人君達にもあげよう。マントを着たがるけど周りが見てて暑そうだから困ってるって、お義姉さんや葉山家のお母さんが言ってたし。
わたしはタロ君に影コアを追加してもらった。
……ところで、バッグはどうやって作ればいいんだろう?
まあ今のところは折りたたんだエコバッグを持ち歩けばいいかな。
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:D】
【炎属性:*】
【大地属性:D】
【風属性:*】
【水属性:*】
「うーん、どうしよう」
残りの影コアを手にして、わたしは唸った。
ソファになってくれていたタロ君が立ち上がり、後ろから覗きこんでくる。
スライム達は天井に戻って……ボス部屋の隅にはミドルポーション+の山があった。今度変異種が発生したら放出しよう。
「どうしたのだ?」
「身内用にいくつか持って帰りたいんだけど、ミドルポーション+はドロップ品リストに登録できないでしょ? だれかに見られたら危険だし、アイテムコア作成で無限にものが入るバッグでも作れないかと思って」
「マスターなら、きっと作れるのだ!」
「ありがと。……タロ君、異世界には無限にものが入るバッグってあった?」
なんの糸口もないので、少しでも参考にできる情報が欲しい。
ゲームやネット小説に出てくる『アイテムボックス』や『インベントリ』みたいなのが欲しいんだよね。『マジックバッグ』って呼び名もあるっけ。
タロ君は目を閉じ、ダンジョンマザーツリーのデータベースにアクセスする。
「あったのだ! 普通のバッグの底に『転移』の効果を持つアイテムコアを張りつけて、遠くの倉庫のものを出し入れしていたぞ。……無限じゃないから違う?」
「ううん。方向性はそれでいいんだけど」
わたしは『転移』が使えるけど使えない。
ホームとダンジョン、ダンジョン域と見なされるモンスターのいる場所にしか移動できないのだ。
異世界の魔法使いのように自分で習得したわけではなく、心臓に融合したダンジョンコアの持つ能力を使っているだけだからである。
「タロ君、『転移』の魔法属性ってわかる?」
「わかるぞ、『時空』属性なのだ!」
「そっかー……」
時空属性、ステータスボードにないなあ。
「もしかして『時空』って、『植物』と一緒で混合属性っていうヤツ?」
「そうだぞ」
「組み合わせわかる?」
「基本属性全部だぞ!」
「全部かー。作るのにMPがたくさんいるね」
「『MP譲渡』する?」
「うん、ありがとう」
タロ君は嬉しそうに『MP譲渡』してくれた。
ひとまず1090MP(5MPは帰りの『転移』用に残す)あればいいかな。
「じゃあまずは形から作ってみるね」
「そうか」
タロ君は黒い豆柴モードになると、わたしの膝で丸くなった。
ペット用品店へ行ったりフリスビーで遊んだりしたから疲れたのかな。
わたしは表示させたままのステータスボードを見つめる。
「『防御』S、『敏捷』Cでマントになったんだったっけ。首のところをボタンで留めるのは、わたしのイメージで変更できたんだけど、フードのケモ耳と裾の尻尾は勝手についちゃったんだよね」
コアの元であるタロ君が犬型モンスターオルトロスだからだろう。
可愛いからいいけど。
「布製にしたいけど、バッグに『敏捷』っていらないよね。『集中』にしてみる?」
防御と集中にMPを注ぐと四角い布地になった。
名称は『布のバンダナ』だ。一回攻撃を受けると壊れてしまう。
発想は悪くなかったんじゃないかな?
「というか、これでサイズを大きくして風呂敷として使えばいい?」
頭を捻って昔雑誌の特集で見た風呂敷を折ってバッグの形にする方法を思い出す。
──が、滑って布が折れない。バンダナ専用ということだろうか。
試しに被ってみるのはやめにした。追加加工できなくなるかもしれない。
「魔法攻撃で植物の蔓か魔法防御で金属の棒を合わせて、バッグの形にしてみたらどうかな?」
元々インドア派のヌルゲーマーのわたしは調合系のゲームが好きだった。
攻略サイトが見れたら楽なのになー、なんて思いながらアイテムコア作成に熱中する。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
わたしの膝の上で、タロ君が伸びをする。
「ふわあ、良く寝たのだ」
「おはよう、タロ君。アパートに帰ろうか」
「ん。マスター、バッグはできたのか?」
「……」
わたしは無言でタロ君にそれを見せた。
【影の帽子】
【攻撃:*】
【防御:A】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:C】
【集中:C】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:C】
【炎属性:*】
【大地属性:C】
【風属性:*】
【水属性:*】
【特徴:使用者に合わせて大きさが変わる】
【 使用者の防御の値が基本の七十五パーセント上昇する】
【 使用者の魔法防御の値が基本の二十五パーセント上昇する】
【 使用者の集中の値が基本の二十五パーセント上昇する】
【 六十回攻撃を受けると壊れる】
【付与効果:索敵(MPを消費することで魔法スキルが発動する)】
頭を攻撃されることはそうないと思ったので、防御はあえてAで止めておいた。
基本の防御と魔法防御や集中の相性が良かったのか、どちらの上昇値もかなり良い。
『索敵』の使用に回数制限がないのは、やっぱりタロ君が習得済みの魔法スキルだからかな。
防御*→F→E→D→C→B→Aで501MP、魔法防御と集中は*→F→E→D→Cで101MPずつ、闇属性大地属性はD→Cで60MPずつ。
合計823MPのアイテムコアです。
どうです、奥さん!(だれ?)
犬の頭の形をした可愛い帽子になった。
今度色違いを作って歌音や春人君達にもあげよう。マントを着たがるけど周りが見てて暑そうだから困ってるって、お義姉さんや葉山家のお母さんが言ってたし。
わたしはタロ君に影コアを追加してもらった。
……ところで、バッグはどうやって作ればいいんだろう?
まあ今のところは折りたたんだエコバッグを持ち歩けばいいかな。
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