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魔物討伐隊 立入制限区域レベル6にて
同期だから 1
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ノエルは、急いで第2武器収容庫に向かった。
本当は誰かに報告してから向かう方がいいと思ったが、ノエルには気がかりなことがあった。
第2武器収容庫には、大型の魔獣を討伐するための火薬や、大砲などが主に収容されており、普段は滅多に使用されていない。
もちろん平常は厳重に管理されているのだが、手を回されているのか、ノエルが到着したときには、周辺には誰も配置されていなかった。
武器収容庫の出入り口の扉が開けられている。まるでこちらに来いと誘っているようだ。
ノエルがドアに近付くと、中から話し声が聞こえた。一人は、ノエルが予想していた声だった。ノエルは気づかれないように中を覗きこむ。
「もうダメだ、私は除隊を命じられる。全て終わりだ」
「先輩、それを渡してください。もう、やめましょう。私も素直に申し出ます」
「ちょっと、鼻っ柱を折ってやりたかった。だから討伐第2部隊の魔術士を利用して…あいつらは既に除隊を命じられた…私もすぐに同じ事になるだろう…」
第2武器収容庫には、新人治療士エミン・グスタフと、深緑色のマントを纏った先輩治療士が居た。
何度か顔を見たことがある先輩治療士の一人だった。正直、見たことがあるなという程度で、ノエルには直接話した記憶もなかった。
ただ、彼の顔を無数の黒い点が覆っている。ところどころ糸状になって、絡みついていた。
「努力して、治療士になって言われるまま働いても誰にも目にとめられない…魔術騎士にも、魔術士にも馬鹿にされて…リンデジャックのような家柄も能力も優れてるやつは別だ。奴は特別なんだ。そうやって、どんどん凄い奴が出てきて、私は…追い抜かされていく…」
先輩治療士は、ブツブツ呟きながら、ふらついているように見えた。遠くからみていてもまともな状態ではなかった。重度の病魔ストレスで精神に異常をきたしている。
エミンは先ほどから、先輩治療士が持っている小さな薬瓶に視線を向けている。
「馬鹿だ馬鹿だと、言われ続けたが、俺にだって薬は作れるんだ…これを、これを…この収容庫の床に叩きつけたら…中の薬品が飛び散って…ははは、全部吹き飛ぶのさ、嫌なことを全て灰にできる」
先輩魔術士は、自身のマントの内ポケットにも手を入れる。カチャカチャと瓶がぶつかる音がしたので、同じような薬品を数本所持していることがわかった。
「こんなところまで来て、何を見てるのさ?」
声をかけられノエルははっと、横をみる。急にドアの付近で声が聞こえたとわかって、収容庫の中に居た2人もこちらに顔を向けた。
ノエルの様子を不審に思い、後を追ってきたコニー・ユーストマだった。中を見ようと、武器収容庫に数歩足を踏み入れたところだった。
「痛っ…」
コニーの登場に気を取られ、一瞬の隙をつかれたエミンは声をあげ、踞る。足首のあたりに細く長い針が刺さっている。
コニーは「えっ!?」と声を上げた。ノエルもエミンの様子に釘付けとなり、すぐに動けなかった。
「声を出すな…!!扉を閉めて2人ともこっちへこい…先輩の言うことは聞くものだ…ここに大量の火薬がある。優秀ななお前達なら、ここでこの瓶を割ったらどうなるかわかるはずだ」
本当は誰かに報告してから向かう方がいいと思ったが、ノエルには気がかりなことがあった。
第2武器収容庫には、大型の魔獣を討伐するための火薬や、大砲などが主に収容されており、普段は滅多に使用されていない。
もちろん平常は厳重に管理されているのだが、手を回されているのか、ノエルが到着したときには、周辺には誰も配置されていなかった。
武器収容庫の出入り口の扉が開けられている。まるでこちらに来いと誘っているようだ。
ノエルがドアに近付くと、中から話し声が聞こえた。一人は、ノエルが予想していた声だった。ノエルは気づかれないように中を覗きこむ。
「もうダメだ、私は除隊を命じられる。全て終わりだ」
「先輩、それを渡してください。もう、やめましょう。私も素直に申し出ます」
「ちょっと、鼻っ柱を折ってやりたかった。だから討伐第2部隊の魔術士を利用して…あいつらは既に除隊を命じられた…私もすぐに同じ事になるだろう…」
第2武器収容庫には、新人治療士エミン・グスタフと、深緑色のマントを纏った先輩治療士が居た。
何度か顔を見たことがある先輩治療士の一人だった。正直、見たことがあるなという程度で、ノエルには直接話した記憶もなかった。
ただ、彼の顔を無数の黒い点が覆っている。ところどころ糸状になって、絡みついていた。
「努力して、治療士になって言われるまま働いても誰にも目にとめられない…魔術騎士にも、魔術士にも馬鹿にされて…リンデジャックのような家柄も能力も優れてるやつは別だ。奴は特別なんだ。そうやって、どんどん凄い奴が出てきて、私は…追い抜かされていく…」
先輩治療士は、ブツブツ呟きながら、ふらついているように見えた。遠くからみていてもまともな状態ではなかった。重度の病魔ストレスで精神に異常をきたしている。
エミンは先ほどから、先輩治療士が持っている小さな薬瓶に視線を向けている。
「馬鹿だ馬鹿だと、言われ続けたが、俺にだって薬は作れるんだ…これを、これを…この収容庫の床に叩きつけたら…中の薬品が飛び散って…ははは、全部吹き飛ぶのさ、嫌なことを全て灰にできる」
先輩魔術士は、自身のマントの内ポケットにも手を入れる。カチャカチャと瓶がぶつかる音がしたので、同じような薬品を数本所持していることがわかった。
「こんなところまで来て、何を見てるのさ?」
声をかけられノエルははっと、横をみる。急にドアの付近で声が聞こえたとわかって、収容庫の中に居た2人もこちらに顔を向けた。
ノエルの様子を不審に思い、後を追ってきたコニー・ユーストマだった。中を見ようと、武器収容庫に数歩足を踏み入れたところだった。
「痛っ…」
コニーの登場に気を取られ、一瞬の隙をつかれたエミンは声をあげ、踞る。足首のあたりに細く長い針が刺さっている。
コニーは「えっ!?」と声を上げた。ノエルもエミンの様子に釘付けとなり、すぐに動けなかった。
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