29 / 31
まだ痛々しい傷跡
しおりを挟む
「あれ?これって結構面倒な事になってませんか?ロープもぐちゃぐちゃ……。」
シルヴィは教会の裏側に積まれた荷物の山を指差すと駆け寄った。
ギーが教会から引っ越した後いらない荷物を片付けているところだったが、教会は今男手が足りないため、シスターから急遽呼び出しのお声がかかったのがロジェたちだった。
外に出ているこれらの荷物は馬車に積んでこの後処理場まで運んでいくことになっている。しかしぐちゃぐちゃにからまったこのロープはこのままでは使い物にならないだろう。
ロジェは軽く袖をめくるとシルヴィに向かって手を差し出した。
「貸せ。私がやろう。」
気の短いロジェはシルヴィからロープを奪うように手を伸ばした。その左腕に、まだ痛々しい傷跡が見えた。何か鋭利な物で切ったような新しい傷だ。
シルヴィの視線に気がついたロジェはちらっとこちらを見た後で手元を動かしながら器用にロープを解いていく。
「気になるか?」
「えぇ。まだ新しそうですね。」
「そうだな。」
左腕の切り傷──そういえば、北方から帰ってきた後、ロジェの左腕には包帯が巻かれていたような記憶がある。あれは何時だっただろう?
ロジェはからまったロープをあっという間に解くと、下を向いたまま手を止めた。
「遠征中に道を外れてしまった部隊が迷い込んだ先で崖から落ちた。それを助けに行った時に何かにひっかけたんだ……木の枝か何か。」
「木の枝、ですか。」
ロジェは立ち上がってロープを束ねながら苦笑いをした。
「随分鋭利な木の枝だろう?まるで剣で切りつけられたような傷跡だ。」
シルヴィはしゃがみこんだままロジェを見上げた。左腕の傷はきちんと手当をされており、幸い傷が浅かったため大事には至らなかったのだろう。
しかし王子に向かって仮にも剣を向けた者があれば、その場ですぐに処分がくだされたに違いない──レオだ。
「痛かったですか?」
「そうだな、痛かった。でもそれ以上に驚いた。なんで自分は気が付かなかったんだろう、と。」
シルヴィはロジェに助けられながらその場で立ち上がると、向かい合ってニッコリと笑みを浮かべた。
「ロジェ様はそういう人でしょ?」
「……私が鈍いとでも言いたいのか?」
シルヴィは肩をすくめると処分する荷物の山に目を向けた。綿のはみ出たクッションや擦り切れたソファー、古いトランクのような形をした物入れも幾つかある。
「真冬に道を誤って北の国境を越えようとしたのですね?それで引き止めようとしたロジェ様に……木の枝がたまたま?」
ロジェは何も聞こえなかったようなふりをしてロープをひとまず荷物の上に乗せると、後ろから付いてきていたシルヴィに向けて両腕を差し出した。
「シルヴィ、手が汚れたから君が袖を下ろして。」
何も考えずに近寄ったシルヴィをロジェの両腕が突然がっしりと捕まえた。
「ほら、油断した。」
「ちょっと、ロジェ様?」
ロジェはシルヴィの耳元でそのまま話しを続けた。話し声が周りに聞こえないように自分を近くに引き寄せただけだというのに、一瞬抱きしめられたと勘違いをしたシルヴィは妙に恥ずかしく感じた。
「あっちが考えを変える気がないんだから、こっちが折れるしかなかった。だからわざわざ真冬に北の国境を越えるような馬鹿な真似は止めて、せめて南にしておけと言った。」
「あのまま二人で北に亡命するつもりだったんですね。」
「そう、何もかも捨ててね。でも当然他の隊員の目もあったし、二人だけを密かに逃がすことなんてできっこない。帰ってきてからも随分苦労したんだ。時間稼ぎをしながらあちこち駆け回って慣れない交渉をして。」
ロジェはシルヴィを更にきつく抱き寄せると、肩に顔を埋めた。
「だから君にはキツくあたったこともあった。」
「いっぱいいっぱいだったんですね。」
「どう考えても時間が足りなかったんだ。」
ロジェの背中にそっと両手を回した。
初めてロジェを見た時、栗色の髪の毛と忠実そうなその雰囲気で大きな犬のように感じたのを思い出した。
でもそう感じたのはあの時だけで、それ以降は会うたびにいつもイライラとして、怒った顔ばかり見ていた気がする。
──これが本当のロジェ様の姿……。
「シルヴィ様!」
「こら!アンナ邪魔しちゃだめだって。」
「バカ、お前も出るな。」
教会の方からシルヴィをみつけて駆け寄ってくるアンナと、建物の陰からこちらを覗いていたのかひょっこり顔を出したケビンとジョエルの姿があった。
「……またお前たちか。」
ロジェはわざとらしくため息をつきながら二人の部下を睨みつけると、駆け寄って来たアンナからシルヴィを遠ざけた。
「あ!」
アンナはいきなりの事に驚いたのかすぐそばまで来て立ち止まると、ロジェの顔を怯えたように見上げた。
「アンナ、知ってるかい?シルヴィはもうすぐお姫様になるんだよ?」
「え?いつ?明日?」
「いや……明日は無理かな?」
「それじゃ、もう花束はいらないの?」
「花束?」
「そう。お姫様になったらもうここには来ない?」
ロジェとシルヴィは顔を見合わせるとなるほどと頷きあった。
シルヴィは身を屈めるとロジェの脇からアンナの方へおいでおいでと手を差し出した。
「来るわよ。それに王子様がアンナに意地悪をした時にはきっとシスターが叱ってくださるわ。」
「王子様はそんなことしないでしょ?」
こそこそと話をする二人にケビンとジョエルが加わった。
「アンナ、王子様はお姫様の事が大好きなんだよ?だからアンナに取られたくなくて意地悪するんじゃないかな?」
「そうそう、そういうのをヤキモチって言うんだよ。」
「ヤキモチ……」
「おい二人共、荷物を積み込むぞ!早く手伝え!」
「はい!」
ジョエルとケビンは大きな声で返事をすると既に荷馬車に向かっていたロジェの元へ慌てて駆け寄った。
シルヴィはアンナの頭にポンと手を置くと、自分も立ち上がってその後を追いかけた。
アンナはハッと何かに弾かれたように振り向くと、遠くにいるロジェに向かって大声で叫んだ。
「そういえば忘れてた。シスターに呼んで来てほしいって頼まれたんだった!」
「シスターが?」
「隊長、早速怒られるんじゃないですか?」
「ヤキモチ……」
くくくと笑うジョエルとケビンを置いて、ロジェはシルヴィと共にシスターを探しに行くことにした。
シルヴィは教会の裏側に積まれた荷物の山を指差すと駆け寄った。
ギーが教会から引っ越した後いらない荷物を片付けているところだったが、教会は今男手が足りないため、シスターから急遽呼び出しのお声がかかったのがロジェたちだった。
外に出ているこれらの荷物は馬車に積んでこの後処理場まで運んでいくことになっている。しかしぐちゃぐちゃにからまったこのロープはこのままでは使い物にならないだろう。
ロジェは軽く袖をめくるとシルヴィに向かって手を差し出した。
「貸せ。私がやろう。」
気の短いロジェはシルヴィからロープを奪うように手を伸ばした。その左腕に、まだ痛々しい傷跡が見えた。何か鋭利な物で切ったような新しい傷だ。
シルヴィの視線に気がついたロジェはちらっとこちらを見た後で手元を動かしながら器用にロープを解いていく。
「気になるか?」
「えぇ。まだ新しそうですね。」
「そうだな。」
左腕の切り傷──そういえば、北方から帰ってきた後、ロジェの左腕には包帯が巻かれていたような記憶がある。あれは何時だっただろう?
ロジェはからまったロープをあっという間に解くと、下を向いたまま手を止めた。
「遠征中に道を外れてしまった部隊が迷い込んだ先で崖から落ちた。それを助けに行った時に何かにひっかけたんだ……木の枝か何か。」
「木の枝、ですか。」
ロジェは立ち上がってロープを束ねながら苦笑いをした。
「随分鋭利な木の枝だろう?まるで剣で切りつけられたような傷跡だ。」
シルヴィはしゃがみこんだままロジェを見上げた。左腕の傷はきちんと手当をされており、幸い傷が浅かったため大事には至らなかったのだろう。
しかし王子に向かって仮にも剣を向けた者があれば、その場ですぐに処分がくだされたに違いない──レオだ。
「痛かったですか?」
「そうだな、痛かった。でもそれ以上に驚いた。なんで自分は気が付かなかったんだろう、と。」
シルヴィはロジェに助けられながらその場で立ち上がると、向かい合ってニッコリと笑みを浮かべた。
「ロジェ様はそういう人でしょ?」
「……私が鈍いとでも言いたいのか?」
シルヴィは肩をすくめると処分する荷物の山に目を向けた。綿のはみ出たクッションや擦り切れたソファー、古いトランクのような形をした物入れも幾つかある。
「真冬に道を誤って北の国境を越えようとしたのですね?それで引き止めようとしたロジェ様に……木の枝がたまたま?」
ロジェは何も聞こえなかったようなふりをしてロープをひとまず荷物の上に乗せると、後ろから付いてきていたシルヴィに向けて両腕を差し出した。
「シルヴィ、手が汚れたから君が袖を下ろして。」
何も考えずに近寄ったシルヴィをロジェの両腕が突然がっしりと捕まえた。
「ほら、油断した。」
「ちょっと、ロジェ様?」
ロジェはシルヴィの耳元でそのまま話しを続けた。話し声が周りに聞こえないように自分を近くに引き寄せただけだというのに、一瞬抱きしめられたと勘違いをしたシルヴィは妙に恥ずかしく感じた。
「あっちが考えを変える気がないんだから、こっちが折れるしかなかった。だからわざわざ真冬に北の国境を越えるような馬鹿な真似は止めて、せめて南にしておけと言った。」
「あのまま二人で北に亡命するつもりだったんですね。」
「そう、何もかも捨ててね。でも当然他の隊員の目もあったし、二人だけを密かに逃がすことなんてできっこない。帰ってきてからも随分苦労したんだ。時間稼ぎをしながらあちこち駆け回って慣れない交渉をして。」
ロジェはシルヴィを更にきつく抱き寄せると、肩に顔を埋めた。
「だから君にはキツくあたったこともあった。」
「いっぱいいっぱいだったんですね。」
「どう考えても時間が足りなかったんだ。」
ロジェの背中にそっと両手を回した。
初めてロジェを見た時、栗色の髪の毛と忠実そうなその雰囲気で大きな犬のように感じたのを思い出した。
でもそう感じたのはあの時だけで、それ以降は会うたびにいつもイライラとして、怒った顔ばかり見ていた気がする。
──これが本当のロジェ様の姿……。
「シルヴィ様!」
「こら!アンナ邪魔しちゃだめだって。」
「バカ、お前も出るな。」
教会の方からシルヴィをみつけて駆け寄ってくるアンナと、建物の陰からこちらを覗いていたのかひょっこり顔を出したケビンとジョエルの姿があった。
「……またお前たちか。」
ロジェはわざとらしくため息をつきながら二人の部下を睨みつけると、駆け寄って来たアンナからシルヴィを遠ざけた。
「あ!」
アンナはいきなりの事に驚いたのかすぐそばまで来て立ち止まると、ロジェの顔を怯えたように見上げた。
「アンナ、知ってるかい?シルヴィはもうすぐお姫様になるんだよ?」
「え?いつ?明日?」
「いや……明日は無理かな?」
「それじゃ、もう花束はいらないの?」
「花束?」
「そう。お姫様になったらもうここには来ない?」
ロジェとシルヴィは顔を見合わせるとなるほどと頷きあった。
シルヴィは身を屈めるとロジェの脇からアンナの方へおいでおいでと手を差し出した。
「来るわよ。それに王子様がアンナに意地悪をした時にはきっとシスターが叱ってくださるわ。」
「王子様はそんなことしないでしょ?」
こそこそと話をする二人にケビンとジョエルが加わった。
「アンナ、王子様はお姫様の事が大好きなんだよ?だからアンナに取られたくなくて意地悪するんじゃないかな?」
「そうそう、そういうのをヤキモチって言うんだよ。」
「ヤキモチ……」
「おい二人共、荷物を積み込むぞ!早く手伝え!」
「はい!」
ジョエルとケビンは大きな声で返事をすると既に荷馬車に向かっていたロジェの元へ慌てて駆け寄った。
シルヴィはアンナの頭にポンと手を置くと、自分も立ち上がってその後を追いかけた。
アンナはハッと何かに弾かれたように振り向くと、遠くにいるロジェに向かって大声で叫んだ。
「そういえば忘れてた。シスターに呼んで来てほしいって頼まれたんだった!」
「シスターが?」
「隊長、早速怒られるんじゃないですか?」
「ヤキモチ……」
くくくと笑うジョエルとケビンを置いて、ロジェはシルヴィと共にシスターを探しに行くことにした。
0
あなたにおすすめの小説
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
お城のお針子~キラふわな仕事だと思ってたのになんか違った!~
おきょう
恋愛
突然の婚約破棄をされてから一年半。元婚約者はもう結婚し、子供まで出来たというのに、エリーはまだ立ち直れずにモヤモヤとした日々を過ごしていた。
そんなエリーの元に降ってきたのは、城からの針子としての就職案内。この鬱々とした毎日から離れられるならと行くことに決めたが、待っていたのは兵が破いた訓練着の修繕の仕事だった。
「可愛いドレスが作りたかったのに!」とがっかりしつつ、エリーは汗臭く泥臭い訓練着を一心不乱に縫いまくる。
いつかキラキラふわふわなドレスを作れることを夢見つつ。
※他サイトに掲載していたものの改稿版になります。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】見えてますよ!
ユユ
恋愛
“何故”
私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。
美少女でもなければ醜くもなく。
優秀でもなければ出来損ないでもなく。
高貴でも無ければ下位貴族でもない。
富豪でなければ貧乏でもない。
中の中。
自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。
唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。
そしてあの言葉が聞こえてくる。
見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。
私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。
ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。
★注意★
・閑話にはR18要素を含みます。
読まなくても大丈夫です。
・作り話です。
・合わない方はご退出願います。
・完結しています。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる