王太子殿下は甘い物を召し上がりません!

ゆみ

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そして

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「じゃあ、また夕食の時間に迎えに…」
「いや、レジー今日は私が…。リア、今から少しだけ話せるかい?」
「はい──。」
 学園のある日はセシリアを部屋まで送ると夕食の時間までレジナルドは他の仕事にあたる。ジークフリートもだいたいは執務室に居るのだが、今日は違うらしい。レジナルドは二人に手を振ると駆けるように去っていった。
 フェルナンドがヴィルヘルムに来ると知らせがあってからというもの、毎日刻々と状況が変わり、色々な方面と話合いばかりしている。ひょっとして王宮で行われている様々な執務とはこういう事の積み重ねなのだろうか?

 部屋に入り、手に持ったままの小箱をどうしたものかと考えていると、セシリアの後ろからジークフリートが手を伸ばしてそれを取り上げた。
 ジークフリートは何も言わずに箱から首飾りを取り出すと、セシリアの前まで来てその目の高さにまでサファイアを持ち上げてみせる。サファイアを挟んで二人で見つめ合う格好になり、ふとジークフリートの方に視線を動かすと、蒼い瞳は此方をじっと見ていた。
「?」
「…綺麗だ、リア」
「そうですね。」
「違う、そうじゃなくて──」
 ジークフリートはなおもセシリアを見つめている。甘い…とても甘い顔をして。
「…」
 その意味するところを想像してセシリアが真っ赤になり俯くと、ジークフリートは首飾りをセシリアの首にかけた。セシリアの耳にジークフリートの手が微かに触れると、ジークフリートは身を屈める様にしてセシリアをギュッと抱き寄せた。
「リア、とても綺麗だ…」
「…ジーク様、首飾り見てませんよね?」
「そんなものどうでもいい…」
 ──そんなものって。
 ジークフリートの腕の中で抗議の声を上げるべきか迷っていると、頭の上から小さくありがとうと言う声が聞こえた。
 ありがとう?
「リアがフェルナンドからこの首飾りを受け取った時、私は正直その手から奪って踏みつけようかと思った…。でもその後で気が付いた──。」
 ジークフリートは抱き寄せる手を緩めることなく、セシリアの頭の上から熱く語りかける。
「私の指輪を受け取った時、貴方はあんな風でなかった。もっと…ずっといい顔をしていたよ。」
 ようやくその腕の中から解放されるものの、ぴったりと寄り添ったままで顔を覗き込まれていたたまれない…。
「…リア、私を見て?」
「…む、無理です。」
「──私は自惚れてもいいんだろう?」
 もう、限界だと思った。
「…ジーク様、私…」
 熱くなった顔を再びジークフリートの胸に埋める。
「うん?」
「…ジーク様の事…お慕いしております」
「…っ!リア!」
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