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208話 期末テスト 4
しおりを挟む「まだ高橋が負けると決まったわけじゃないですよ? 俺が教えるんだし、可能性はあります! 」
「ククッ、さすがお前らしい言い分だな。」
南原さんは高橋が勝つなんて夢にも思ってないのだろう。軽くあしらわれた感じがして、俺の負けず嫌いな血が熱くなる。
見てろよ...絶対ギャフンと言わせてやる...!
俺はあくまで教えるだけで、自分の勝負でもないのにメラメラと燃え上がっていった。
「そうだ、どうせなら俺たちも勝負しないか? 」
「え? 」
ふと、思い立ったように提案する南原さん。
その目が妖しく光ったように見えたのは、気のせいなのか否か。
俺たち、って、俺と南原さん?
「東山達とは違い、こちらは俺も坂北くんも学年一位。いい勝負ができるだろう?」
そう言われれば、確かに。
前回の俺のテストはほとんどが90点を越えていたし、満点のものもあった。南原さんが、勝負ごとで負けている姿なんて見たことないけれど、これなら俺にも勝機があるかもしれない。
いや、前回何も勉強せずにあの点数だったのだから、ちょっと勉強すれば、もしかしたら勝機があるどころか勝利さえ掴めそうだ。
「負けた方は勝った方の言うことをなんでも聞く。どうだ? 」
「いいですよ。受けて立ちます! 」
負けたときの心配なんて欠片も俺の頭にはなく、即答した。
ニヤリと意地悪な南原さんの笑みに、勝ち気な笑顔を向けてやる。
...俺が勝ったら南原さんの部屋に散らばった卑猥な玩具を、一つ残らず捨てて貰おう。
そしたら南原さん、悔しそうにするかな。
そんな姿もちょっと見てみたい。
ワクワクと期待に胸が膨らんだ。
「.........。」
「...? 南原さん? どうかしましたか? 」
ふと、怪訝そうな顔をしながら後ろを振り返った南原さん。その視線を追って俺も振り向く。
「...誰かの視線を感じた気がしたんだが...。」
「え? 」
辺りをキョロキョロと見回すけれど、誰も見当たらない。
「気のせいじゃないですか? 」
「...そうだね。それよりも...」
「ひゃっ!? 」
ちょっと、この手はなんだ、この手は。
いきなり俺の尻たぶをさわさわと撫で始めた南原さんの手にビクッとした。
「今日は俺の家に泊まれよ。明日から勉強会するなら、もちろん今日は俺にたっぷりサービスしてくれるんだよね? 」
「え!? 」
有無を言わせぬ艶やかな瞳に逆らえず、俺は今夜散々啼かされるはめになったのだった。
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