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16戦目-A、4月、5人編
エクセレントクリアを目指す戦術ランクAのフィールドボス戦
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戦術ランクAのブルーフィールドが始まって60分、つまりは1時間が経過した。
とっくに情報送信装置は3基(葵が1基、一馬が2基)とも破壊だ。
そして、この頃には政宗を除くブルーフィールド内で戦ってる男の戦闘員の4人全員が、
「ん? 本当にエクセレントクリア、出来そう」
と思い始めていた。
中ボスはフィールドボスの後に続くムシ以外、全機を撃滅。
雑魚ロボの密度も戦術ランクAのブルーフィールドとは思えないくらい疎らになっていた。
というか、もう雑魚ロボが1機もいない無人のゴーストタウンのエリアもある。
その原動力となってるのは当然、葵だった。
エアバイクで移動しながら馬鹿みたいに雑魚敵を倒してる。
主に空中移動のプロペラと狙撃ムシ、ビルの屋内で鎮座してるボックスを撃退してくれるので、他の戦闘員は対空戦や屋内への移動を考えずに戦えて楽なくらいだった。
4人の男戦闘員がエクセレントクリアを真剣に考え、そしてフィールボスに視線を向けた。
今回のフィールドボスはムシだった訳だが、戦術ランクAのブルーフィールドなのだから当然、そのフィールドボスは高層ビルサイズの巨大さを誇る、
殲滅型ベースムシA-01
胴体耐久値1万8000。足耐久値(1本)7500。
搭載ムシ数、Bタイプ30機、dタイプ5000機。
こうなった。
搭載ムシ数とはフィールドボスを攻撃すると撒き散らし始める増援の敵機の事だ。
bタイプ30機、dタイプ5000機。
攻撃を加えればフィールドボスの腹から降下される敵機をどうするのか?
まあ、その前にブルーフィールド内に居る他の雑魚敵機を片付けるべく、政宗を除く全戦闘員が奮闘したのだった。
◇
戦術ランクAのブルーフィールドが始まって82分が経過して葵、一馬、桜太、大樹、始が一カ所に集まっていた。
まさかの戦術ランクAのフィールドボスとその後に続く中ボスのムシ5機(ムシフィールドじゃないからこの数)の行列以外の敵機を撃滅しており(エアバイクとレーダーで3回も確認後に)、今後の方針を確認する為に。
「で、どうするんだ? フィールドボスを攻撃すると搭載機が放出されるはずだが?」
「弱くフィールドボスを攻撃して搭載機全機を吐き出させて全部を撃滅した後、フィールドボスを撃破でいいんじゃないの?」
一馬の質問に葵がさらりと答えて、
「足全部も破壊するのか?」
桜太の問いに一馬が、
「ここまで追い込んだんだ。今更妥協する必要はないだろ」
「トコトンって訳ね、了解」
「問題はどこで仕留めるか、だろ?」
始が指摘し、 葵が、
「片側4車線同士が交差する巨大交差点でいいんじゃないの?」
「どこの事だ?」
「ほら、フィールドボスが向かってる進行方向の先にある」
「待て。それだと4分後くらいに到達しないか?」
「ええ、サクッと終わらせましょう」
葵がさらりと言って、
「誰が放出される搭載ムシの数を数えるんだ?」
「数えなくても足全部を潰して身動きを取れなくしてからフィールドカウントのギリギリまで遊べばいいんじゃないの?」
葵の意見に、
「なら、それで」
「遊ぶって。葵、それは引くわ」
「そういや、エリア4でもナメたやり方でボーナス得点を得てたよな?」
「毎回こんな事をやってるのか、明星って?」
全員が引く中、方針は定まったのだった。
◇
4分後にフィールドボス戦が開始された。
背後の車道に陣取った葵が3連装レイカノン砲-20.5・ペテルギウスを出して1発の極太ビームで小判鮫のように続く5機の中ボスを撃破して、更にフィールドボスの足1本に命中させたのが合図となった。
攻撃されたフィールドボスが後方と下腹の2カ所から搭載機のムシを撒き散らす。
雑魚ロボと中ボスをだ。
最大火力は3連装レイカノン砲を持つ葵だが、一馬と始もレイカノン砲を持っている。
交差点で3方向から攻撃して、雑魚ムシを撃破すると共に、
誰も数えていないので憶測だが、フィールドボスが搭載全部を吐き出す前に足が3本以上破壊されて高層ビルの頂上の位置にあった胴体部が地上に降りてきた。
胴体が地上に収まると下腹からの搭載機の放出はなくなった。
後方だけからだ。
その後方には葵の3連装レイカノン砲-20.5・ペテルギウスがあるが、あれの威力は5000だ。ダメージがデカ過ぎる。
レイショットガン-89・ヘラクレス・クレイジーを使った。
レイショットガン-89・ヘラクレス・クレイジー。2銃身同時発射大口径専用。
威力500Max(補正+100)。レイシールド50%貫通、敵機貫通。
NE消費10Max(補正-2)、絶対射程12メートルMax(補正+5メートル)、最大射程12メートルMax(補正+2メートル)。
発射数、3秒に1発。1発ごとに冷却装置稼働アクションが必要(両手)。
必要ナノマシン数値、肉体強化27。
戦闘員が扱う武器としては最大威力だろう。
近付いて、胴体後部から放出される搭載機をハメ技のように潰しまくる。
その間にも他の足を破壊して完全にフィールドボスの動きを止めた。
そして葵が本当にやった。
後部からの攻撃手段のない(だからゾロゾロと中ボスを連れてた事が今回初めて判明)フィールドボスのムシでの遊びだ。
30分間も搭載機を破壊し続けて、遂には搭載機が打ち止めとなった。
それで終わらないのが葵だ。
フィールドボスは足を潰されて攻撃出来ない。
後部への攻撃方法のない状態で、逃げた敵機が居ない事を確認してから、他の戦闘員が集まって、
「まさか、こんな日がくるとはな」
「同感だぜ。戦術ランクAの殲滅型ベースムシって言ったら倒せなくて何度も逃げ回ってた相手なのに」
「良かった~、オレだけじゃなかったのか、その認識」
一馬、桜太、始が口々に言う中、大樹が、
「ってか、さっさと倒すんだよな?」
そう問うと、葵が、
「その前に内部がどうなってるのか探検しましょ」
妙な事を言い始めた。
4人全員が「何かヤバイぞセンサー」を敏感に反応させて、
「待て、何を言ってる?」
「そうだぞ、葵。「何かやべえ」とか感じないのか? 絶対にやべえだろ?」
「もう、さっさと終わらせようぜ」
「明星、おまえ、何を考えてるんだ?」
4人全員が否定した瞬間、
「よね~、アハハハ」
と葵が一笑いした刹那、ダッシュした。
肉体強化40の速度でフィールドボスの胴体後部の搭載機放出口に突っ込む。
不意を突かれて誰も止められない。
そして葵が1歩、フィールドボスの内部に足を踏み入れた瞬間、
『フィールドボス制圧に伴い、ブルーフィールドが解除されます』
とのアナウンスが流れてブルーフィールドは解除されたのだった。
とっくに情報送信装置は3基(葵が1基、一馬が2基)とも破壊だ。
そして、この頃には政宗を除くブルーフィールド内で戦ってる男の戦闘員の4人全員が、
「ん? 本当にエクセレントクリア、出来そう」
と思い始めていた。
中ボスはフィールドボスの後に続くムシ以外、全機を撃滅。
雑魚ロボの密度も戦術ランクAのブルーフィールドとは思えないくらい疎らになっていた。
というか、もう雑魚ロボが1機もいない無人のゴーストタウンのエリアもある。
その原動力となってるのは当然、葵だった。
エアバイクで移動しながら馬鹿みたいに雑魚敵を倒してる。
主に空中移動のプロペラと狙撃ムシ、ビルの屋内で鎮座してるボックスを撃退してくれるので、他の戦闘員は対空戦や屋内への移動を考えずに戦えて楽なくらいだった。
4人の男戦闘員がエクセレントクリアを真剣に考え、そしてフィールボスに視線を向けた。
今回のフィールドボスはムシだった訳だが、戦術ランクAのブルーフィールドなのだから当然、そのフィールドボスは高層ビルサイズの巨大さを誇る、
殲滅型ベースムシA-01
胴体耐久値1万8000。足耐久値(1本)7500。
搭載ムシ数、Bタイプ30機、dタイプ5000機。
こうなった。
搭載ムシ数とはフィールドボスを攻撃すると撒き散らし始める増援の敵機の事だ。
bタイプ30機、dタイプ5000機。
攻撃を加えればフィールドボスの腹から降下される敵機をどうするのか?
まあ、その前にブルーフィールド内に居る他の雑魚敵機を片付けるべく、政宗を除く全戦闘員が奮闘したのだった。
◇
戦術ランクAのブルーフィールドが始まって82分が経過して葵、一馬、桜太、大樹、始が一カ所に集まっていた。
まさかの戦術ランクAのフィールドボスとその後に続く中ボスのムシ5機(ムシフィールドじゃないからこの数)の行列以外の敵機を撃滅しており(エアバイクとレーダーで3回も確認後に)、今後の方針を確認する為に。
「で、どうするんだ? フィールドボスを攻撃すると搭載機が放出されるはずだが?」
「弱くフィールドボスを攻撃して搭載機全機を吐き出させて全部を撃滅した後、フィールドボスを撃破でいいんじゃないの?」
一馬の質問に葵がさらりと答えて、
「足全部も破壊するのか?」
桜太の問いに一馬が、
「ここまで追い込んだんだ。今更妥協する必要はないだろ」
「トコトンって訳ね、了解」
「問題はどこで仕留めるか、だろ?」
始が指摘し、 葵が、
「片側4車線同士が交差する巨大交差点でいいんじゃないの?」
「どこの事だ?」
「ほら、フィールドボスが向かってる進行方向の先にある」
「待て。それだと4分後くらいに到達しないか?」
「ええ、サクッと終わらせましょう」
葵がさらりと言って、
「誰が放出される搭載ムシの数を数えるんだ?」
「数えなくても足全部を潰して身動きを取れなくしてからフィールドカウントのギリギリまで遊べばいいんじゃないの?」
葵の意見に、
「なら、それで」
「遊ぶって。葵、それは引くわ」
「そういや、エリア4でもナメたやり方でボーナス得点を得てたよな?」
「毎回こんな事をやってるのか、明星って?」
全員が引く中、方針は定まったのだった。
◇
4分後にフィールドボス戦が開始された。
背後の車道に陣取った葵が3連装レイカノン砲-20.5・ペテルギウスを出して1発の極太ビームで小判鮫のように続く5機の中ボスを撃破して、更にフィールドボスの足1本に命中させたのが合図となった。
攻撃されたフィールドボスが後方と下腹の2カ所から搭載機のムシを撒き散らす。
雑魚ロボと中ボスをだ。
最大火力は3連装レイカノン砲を持つ葵だが、一馬と始もレイカノン砲を持っている。
交差点で3方向から攻撃して、雑魚ムシを撃破すると共に、
誰も数えていないので憶測だが、フィールドボスが搭載全部を吐き出す前に足が3本以上破壊されて高層ビルの頂上の位置にあった胴体部が地上に降りてきた。
胴体が地上に収まると下腹からの搭載機の放出はなくなった。
後方だけからだ。
その後方には葵の3連装レイカノン砲-20.5・ペテルギウスがあるが、あれの威力は5000だ。ダメージがデカ過ぎる。
レイショットガン-89・ヘラクレス・クレイジーを使った。
レイショットガン-89・ヘラクレス・クレイジー。2銃身同時発射大口径専用。
威力500Max(補正+100)。レイシールド50%貫通、敵機貫通。
NE消費10Max(補正-2)、絶対射程12メートルMax(補正+5メートル)、最大射程12メートルMax(補正+2メートル)。
発射数、3秒に1発。1発ごとに冷却装置稼働アクションが必要(両手)。
必要ナノマシン数値、肉体強化27。
戦闘員が扱う武器としては最大威力だろう。
近付いて、胴体後部から放出される搭載機をハメ技のように潰しまくる。
その間にも他の足を破壊して完全にフィールドボスの動きを止めた。
そして葵が本当にやった。
後部からの攻撃手段のない(だからゾロゾロと中ボスを連れてた事が今回初めて判明)フィールドボスのムシでの遊びだ。
30分間も搭載機を破壊し続けて、遂には搭載機が打ち止めとなった。
それで終わらないのが葵だ。
フィールドボスは足を潰されて攻撃出来ない。
後部への攻撃方法のない状態で、逃げた敵機が居ない事を確認してから、他の戦闘員が集まって、
「まさか、こんな日がくるとはな」
「同感だぜ。戦術ランクAの殲滅型ベースムシって言ったら倒せなくて何度も逃げ回ってた相手なのに」
「良かった~、オレだけじゃなかったのか、その認識」
一馬、桜太、始が口々に言う中、大樹が、
「ってか、さっさと倒すんだよな?」
そう問うと、葵が、
「その前に内部がどうなってるのか探検しましょ」
妙な事を言い始めた。
4人全員が「何かヤバイぞセンサー」を敏感に反応させて、
「待て、何を言ってる?」
「そうだぞ、葵。「何かやべえ」とか感じないのか? 絶対にやべえだろ?」
「もう、さっさと終わらせようぜ」
「明星、おまえ、何を考えてるんだ?」
4人全員が否定した瞬間、
「よね~、アハハハ」
と葵が一笑いした刹那、ダッシュした。
肉体強化40の速度でフィールドボスの胴体後部の搭載機放出口に突っ込む。
不意を突かれて誰も止められない。
そして葵が1歩、フィールドボスの内部に足を踏み入れた瞬間、
『フィールドボス制圧に伴い、ブルーフィールドが解除されます』
とのアナウンスが流れてブルーフィールドは解除されたのだった。
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