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大也、中国暗部の動向の噂を聞く
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東国原会系の女子高生組長、名取トモコは大也から差し伸べられた手を取らなかった事を後悔する破目になった。
大也が醸し出す独特のユルイ雰囲気の所為で、大也の事を甘く見てしまったのだ。
大也が高速道路から救出した際にはワゴン車を焼き、東国原会の麻薬庫を燃やしたと平然と口にし、凄腕忍者の冷越我威をアメリカに売り渡し、眼の前でダブルドラゴンのナンバー3、ソウ・ライライを始末したのを見ていたはずなのに。
大也を甘く見た結果、トモコはコンテナの中に居た。
食糧と水の入ったペットボトル付きだ。
そしてもうコンテナはコンテナ船に積まれて海の上を移動してるっぽかった。
どれだけ叫んでも、どれだけコンテナを叩いても、コンテナの扉が外側から開く気配はない。
つまりは人が乗ってるのを居り込み済みで運んでる。
コンテナの中に1人しか居ないなんて輸送代も考えれば割に合わないはずなのに。
クルーズ船でも東京から大阪まで3日は掛かる。
福岡なら更に倍っぽい。
国外だとしたら長旅は必至だ。
「ここまでするなんて・・・アイツ、何なのよ? 絶対に許さないんだから」
そう毒づいた時点でトモコはこの期に及んでまだ何も理解してはいなかった。
トモコの攻撃ターンは永久に回ってこない事を。
そして大也は実のところ、トモコがこうなってる事も知らない。
草薙部隊に処分を丸投げしたので。
こうしてトモコは海外に出荷されたのだった。
◇
健全な青少年が一度は夢を見る『姉妹制覇』。
その夢が断たれた大也はガッカリしたが『次のチャンスを待とう』と気分を新たに、今日も午前中は静岡県の富士樹海に来ていた。
未練を断ち切る為に草薙部隊の敷地内で忍法を全開にして走りまくる。
汗を流すのは健全で清々しい。
汗だくで自販機の前でスポーツ飲料を飲んでると、部隊長の府吹剛毅が渋い顔で、
「聞いたか? 中国が大部隊を日本に送る準備をしてる話?」
「ええ。タカ派の島木公順が総理になると迷惑だからとかでしょう?」
「そうだ。中国は数が無尽蔵だから二面作戦もあり得るのも分かってるな」
「二面作戦って?」
「東京と沖縄の同時作戦だよ」
「へ~、もしかして手塚島、ヤバイんですか?」
「そりゃあ、あれだけ中国の暗部相手に暴れたらな。意趣返しで故郷を焼くって事もあるかもな」
大也は17歳だ。まだ故郷の有難味など1つも分からない。
なので、大也的には全然OKだったのだがリップサービスで、
「それは困りましたね」
「おそらくはアメリカからもおまえを沖縄に回す要請が来ると思うぞ」
「東京の防衛ではなく?」
「東京の防衛は他がするだろ。沖縄は防衛範囲が広過ぎる。島と島の間を単独飛行出来る風使いの忍者は希少だからな」
「まだ東京で彼女を作ってないんですけど」
「・・・もしかして東京に来たのってそれが目的だったのか?」
「ええ。それ以外に何があるっていうんです」
などと笑って答えて、大也は特訓を再開したのだった。
大也が醸し出す独特のユルイ雰囲気の所為で、大也の事を甘く見てしまったのだ。
大也が高速道路から救出した際にはワゴン車を焼き、東国原会の麻薬庫を燃やしたと平然と口にし、凄腕忍者の冷越我威をアメリカに売り渡し、眼の前でダブルドラゴンのナンバー3、ソウ・ライライを始末したのを見ていたはずなのに。
大也を甘く見た結果、トモコはコンテナの中に居た。
食糧と水の入ったペットボトル付きだ。
そしてもうコンテナはコンテナ船に積まれて海の上を移動してるっぽかった。
どれだけ叫んでも、どれだけコンテナを叩いても、コンテナの扉が外側から開く気配はない。
つまりは人が乗ってるのを居り込み済みで運んでる。
コンテナの中に1人しか居ないなんて輸送代も考えれば割に合わないはずなのに。
クルーズ船でも東京から大阪まで3日は掛かる。
福岡なら更に倍っぽい。
国外だとしたら長旅は必至だ。
「ここまでするなんて・・・アイツ、何なのよ? 絶対に許さないんだから」
そう毒づいた時点でトモコはこの期に及んでまだ何も理解してはいなかった。
トモコの攻撃ターンは永久に回ってこない事を。
そして大也は実のところ、トモコがこうなってる事も知らない。
草薙部隊に処分を丸投げしたので。
こうしてトモコは海外に出荷されたのだった。
◇
健全な青少年が一度は夢を見る『姉妹制覇』。
その夢が断たれた大也はガッカリしたが『次のチャンスを待とう』と気分を新たに、今日も午前中は静岡県の富士樹海に来ていた。
未練を断ち切る為に草薙部隊の敷地内で忍法を全開にして走りまくる。
汗を流すのは健全で清々しい。
汗だくで自販機の前でスポーツ飲料を飲んでると、部隊長の府吹剛毅が渋い顔で、
「聞いたか? 中国が大部隊を日本に送る準備をしてる話?」
「ええ。タカ派の島木公順が総理になると迷惑だからとかでしょう?」
「そうだ。中国は数が無尽蔵だから二面作戦もあり得るのも分かってるな」
「二面作戦って?」
「東京と沖縄の同時作戦だよ」
「へ~、もしかして手塚島、ヤバイんですか?」
「そりゃあ、あれだけ中国の暗部相手に暴れたらな。意趣返しで故郷を焼くって事もあるかもな」
大也は17歳だ。まだ故郷の有難味など1つも分からない。
なので、大也的には全然OKだったのだがリップサービスで、
「それは困りましたね」
「おそらくはアメリカからもおまえを沖縄に回す要請が来ると思うぞ」
「東京の防衛ではなく?」
「東京の防衛は他がするだろ。沖縄は防衛範囲が広過ぎる。島と島の間を単独飛行出来る風使いの忍者は希少だからな」
「まだ東京で彼女を作ってないんですけど」
「・・・もしかして東京に来たのってそれが目的だったのか?」
「ええ。それ以外に何があるっていうんです」
などと笑って答えて、大也は特訓を再開したのだった。
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