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はいぱーむてき大作戦編
少年、強情を張る
しおりを挟む238-①
「小僧、次はお前に力を授けてやろう」
地神ラグドウンの言葉にフリードは元気良く手を挙げた。
「神様、特盛でお願いしまーーーす!!」
「こ、こら!! 神々に図々しいお願いするんじゃありません!!」
ナジミは神々に頭を下げまくりだった。
「良かろう……では、お前の身体を蝕む影魔獣を消滅させてやろう」
「……えっ!?」
言葉を失うフリードに神々は告げる。
「影魔獣を消し去った後に僕達の力を授けてあげるよ」
「少年よ、準備は良いですか?」
「とっととやるぞフリード!!」
神々はフリードに力を与えようとしたが……
「ま、待ってくれよ神様!!」
フリードは神々に待ったをかけた。
「どうした小僧……何故止める?」
「ごめんなさい、神様。せっかくの申し出ですけど……俺、神様の力要らないです」
神々に対して、フリードは深々と頭を下げた。
「何故だ? その影魔獣がいる限り、お前はあの生命を吸う魔剣を通じて影魔獣に養分を与え続けねばならぬ」
「それを怠れば君自身の命が影魔獣に吸いつくされて死んでしまうんだよ!?」
「それだけではありません、影魔獣に養分を与え続けるという事は、影魔獣はどんどん成長して、いずれ君自身を飲み込んでしまうのですよ?」
「そうだぞ!! お前、そこんとこ分かってんのか!?」
神々の言葉にナジミやクレナ達もそうだそうだと同調するが、フリードは黙って首を左右に振った。
「黒王が消えてしまうくらいなら俺は……神の力なんか要りません!!」
「神への言葉に二言は許されぬ、一度断っておきながら、後になって『やっぱり力を授けて下さい』などという戯言は通用せぬぞ?」
「……はい」
「本当に良いのだな!? 神の力を得る機会は二度と──」
「くどいッッッ!!」
フリードの叫びに神々は驚き、ナジミは青ざめた。
フリードは神々に向けて右の拳をゆっくりと突き出した。
「コイツは……俺の相棒なんです!! それに……」
「それに?」
「神様達とは……初対面じゃないスか」
「な、何?」
思いもよらぬフリードの言葉に神々は呆気に取られてしまった。
「どんなに偉くても……初対面の神様より、今まで一緒に戦ってきた相棒の方が俺は大事ですッッッ!! うわっ!?」
ナジミが背後から力づくで平伏させ、自身も頭を地面にめり込ませんばかりに平伏した。
「も、申し訳ございません!! この者の無礼、どうかお許し下さいませ!! この愚か者には私から厳しく──」
「よい、二人共……面を上げよ」
ラグドウンに言われて、二人は顔を上げた。
「小僧……フリードと言ったな」
「は、はい!!」
「……儂の負けだ、この強情者め!!」
そう言って、ラグドウンは豪快に笑った。
「そう言われてしまっては、例えどんな神であろうと勝てぬわ!!」
「ま、参ったか……?」
「こ、コラっ!! フリード君!!」
フリードの脇腹にナジミの肘がずどんとめり込んだ。
「しかしなフリードよ、このまま黙って引き下がっては神の沽券に関わるのでな……よって今からお前に力を授ける!!」
「何を!? うわっ!?」
神々の照射した光がフリードを包み込んだ。
「な、何が起きたんだ!?」
「お前の相棒とやらに新たな生命を与えてやった。これでもう吸命剣なんぞでお前の相棒に生命力を与えずとも良くなった」
「ほ、本当ですか!?」
「うむ、但し……『生命を作り出す』という事は、神の力を以ってしても容易い事ではない。故に本来、お前の身体能力を超人的に向上させるべく用意した力も、その影魔獣の生命を作り出す為に使ってしまった」
「えー!? ちょっと勿体なかったりしてああああああああーーーっ!?」
フリードの右手が勝手に動き、フリードの右の尻を千切れんばかりに鷲掴みにした。
「痛だだだだだ!? し、尻が千切れるっ!! やめろ黒王、俺が悪かったからーーー!!」
フリードの右手が尻から離れた。フリードは尻をさすりながら再び神々の前に跪いた。
「神様、本当にありがとうございます!!」
「うむ……念の為、お前達に申し付けておくが、我らが授けた力はこの地に平穏をもたらす為のものだ。決して私利私欲の為に使っては…………娘共よ、そんな恨めしそうな目で見るな!! わ……分かった、シュラップスの神水は飲んでもよい!!」
物っっっ凄い笑顔になった天照武刃団の女子一同に対し、ラグドウンは咳払いをした。
「その力を悪用した場合、お前達に天罰を下す!! この事、くれぐれも心するように!!」
「お言葉、謹んで我らの心に深く深く刻み付け奉ります」
ナジミはそう言うと平伏し、フリード達もそれに倣って平伏した。
「うむ、では……さらばだ!!」
「気をつけるんだよ」
「貴方達の無事を願っています」
「派手にぶちのめしてこい!!」
神々は天へと昇ると、その姿を消した。
神々を見送ったフリードは、仲間達の顔を見回した。
「行くぜ皆、神様達から授かったこの力で……アニキを救い出し、暗黒樹をぶちのめす!!」
そしてその頃、暗黒樹内に囚われた武光はというと……
238-②
「行くでヴァっさん!!」
「ええ、行きましょう武光殿!!」
武光は勇者リヴァルと共に、暗黒樹の中で暴れ回っていた。
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◇
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