3 / 4
3
しおりを挟む
「違う! ここはもっと、感情を込めて歌うんだ!」
次の日、私たちは、歌の練習をすることになった。
「感情を込めるって、涙を流せばいいんですか?」
「それが出来れば一番だけど、何回も同じ歌を歌っていると、毎回、涙を流せなくなるだろう。それに、離れて見ている人には、涙を流しているかなんて、遠すぎてわからないだろうしね。」
確かに。一回歌って終わりじゃないんだ。これで、お金を稼ぐとなると、何十回、何百回と歌うことになる。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「ローラは、歌手を見たことがある?」
私たちの住んでいる国では、歌を歌うことを生業にしている人もいる。
「ええ。・・・数える程ですけど。」
「じゃあ、思い出して欲しいんだけど、その人達は、どんな風に歌っていた?」
私は、記憶を辿っていく。
「みんなの前に立って歌っていて、キレイな衣装を着ていて、歌も上手くて・・・。」
「他に、何か印象に残っていることはないかい?」
もっと、もっと、記憶を辿っていく。
「そう・・・みんな手を動かしたり、体を動かしたりして歌っていた!」
「正解。それこそが、感情を込めて歌うってことなんだ!」
まだ、よく意味がわからない。
だから、私は首を傾げて見せた。
「感情を込めると言ったって、泣きながら歌ったり、怒りながら歌うんじゃない。要するに、それらを動きで表現するんだ。」
そう言われて、やっと、何となくわかったような気がする。
「じゃあ、それを意識して、もう一回歌ってみて。」
私が歌う歌の内容は、簡単に説明すると、出会った男、全員を魅了するぐらいセクシーで美しい女が、次々によってくる男を、手玉に取り弄ぶが、本当に好きになり、心から愛した男には、愛して貰うことができないという、失恋をテーマにした歌だ。
私は、歌のさわり──サビ──のところである、失恋するシーンを、手や体を動かして、表現することにした。
失恋とは、やっぱり悲しいものだから、胸が苦しくなってしまう。だから私は、体を丸め、胸をギュッと押さえた。さらに、去っていく彼の背中を「待って!」と、捕まえるように、目いっぱい手を伸す動作をした。
「うん。良くなった! でも、まだ足りない。最初の、男たちを魅了する女も表現して欲しい。」
「・・・分かりました。」
正直、恥ずかしかったが、ここまできたのだから、やるしかない。
私は、ウインク飛ばしたり、投げキッスをしたり、服から肩を見せたりと、セクシーな女を表現した。
「すごく、すごく、いいよ! でも、後もう一息欲しい!」
こんなに褒められたので、この時には、恥ずかしさなど微塵もなくなっていた。だから、私は、今思いついたことを、ジョニーに見せた。
それは、ただ、投げキッスするのではなく、手で銃の形を作り、人差し指を唇に当て、男たちを撃っていくというもの。
「最高だ! なんて、素敵なんだ。」ジョニーは、拍手をして、とても喜んでくれた。「じゃあ明日、このバーで披露しよう。」
「はい!」
明日が楽しみになってきた!
次の日、私たちは、歌の練習をすることになった。
「感情を込めるって、涙を流せばいいんですか?」
「それが出来れば一番だけど、何回も同じ歌を歌っていると、毎回、涙を流せなくなるだろう。それに、離れて見ている人には、涙を流しているかなんて、遠すぎてわからないだろうしね。」
確かに。一回歌って終わりじゃないんだ。これで、お金を稼ぐとなると、何十回、何百回と歌うことになる。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「ローラは、歌手を見たことがある?」
私たちの住んでいる国では、歌を歌うことを生業にしている人もいる。
「ええ。・・・数える程ですけど。」
「じゃあ、思い出して欲しいんだけど、その人達は、どんな風に歌っていた?」
私は、記憶を辿っていく。
「みんなの前に立って歌っていて、キレイな衣装を着ていて、歌も上手くて・・・。」
「他に、何か印象に残っていることはないかい?」
もっと、もっと、記憶を辿っていく。
「そう・・・みんな手を動かしたり、体を動かしたりして歌っていた!」
「正解。それこそが、感情を込めて歌うってことなんだ!」
まだ、よく意味がわからない。
だから、私は首を傾げて見せた。
「感情を込めると言ったって、泣きながら歌ったり、怒りながら歌うんじゃない。要するに、それらを動きで表現するんだ。」
そう言われて、やっと、何となくわかったような気がする。
「じゃあ、それを意識して、もう一回歌ってみて。」
私が歌う歌の内容は、簡単に説明すると、出会った男、全員を魅了するぐらいセクシーで美しい女が、次々によってくる男を、手玉に取り弄ぶが、本当に好きになり、心から愛した男には、愛して貰うことができないという、失恋をテーマにした歌だ。
私は、歌のさわり──サビ──のところである、失恋するシーンを、手や体を動かして、表現することにした。
失恋とは、やっぱり悲しいものだから、胸が苦しくなってしまう。だから私は、体を丸め、胸をギュッと押さえた。さらに、去っていく彼の背中を「待って!」と、捕まえるように、目いっぱい手を伸す動作をした。
「うん。良くなった! でも、まだ足りない。最初の、男たちを魅了する女も表現して欲しい。」
「・・・分かりました。」
正直、恥ずかしかったが、ここまできたのだから、やるしかない。
私は、ウインク飛ばしたり、投げキッスをしたり、服から肩を見せたりと、セクシーな女を表現した。
「すごく、すごく、いいよ! でも、後もう一息欲しい!」
こんなに褒められたので、この時には、恥ずかしさなど微塵もなくなっていた。だから、私は、今思いついたことを、ジョニーに見せた。
それは、ただ、投げキッスするのではなく、手で銃の形を作り、人差し指を唇に当て、男たちを撃っていくというもの。
「最高だ! なんて、素敵なんだ。」ジョニーは、拍手をして、とても喜んでくれた。「じゃあ明日、このバーで披露しよう。」
「はい!」
明日が楽しみになってきた!
0
あなたにおすすめの小説
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
私は私で幸せになりますので
あんど もあ
ファンタジー
子爵家令嬢オーレリーの両親は、六歳年下の可憐で病弱なクラリスにかかりっきりだった。
ある日、クラリスが「オーレリーが池に落ちる夢を見た」と予言をした。
それから三年。今日オーレリーは、クラリスの予言に従い、北の果ての領地に住む伯爵令息と結婚する。
最後にオーレリーが皆に告げた真実とは。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
酔って婚約破棄されましたが本望です!
神々廻
恋愛
「こ...んやく破棄する..........」
偶然、婚約者が友達と一緒にお酒を飲んでいる所に偶然居合わせると何と、私と婚約破棄するなどと言っているではありませんか!
それなら婚約破棄してやりますよ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる