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第3話 推しに会いたくて、思わず叫びました。
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私が住んでいた場所は、クライハーゲット。バイルセン国の王都だ。父は牧師をやっていて、それなりに人々の信頼もあったようだった。私も一緒に教会に行き、仕事を手伝いながら聖女としての心得を教わってきた。
だけどもう、家には帰らないと誓った。
行くあても何もない私。とりあえず知ってる人がいない場所に行こう! と思い立って、馬車を使って王都の郊外まで移動。
王都の周囲をぐるりと囲む巨大な壁。それは魔族から人々を守る為の物。そう、この世界には人々を襲う魔族と呼ばれる存在がいるのだ。怖い。
御者さんの話では、王都を出て森を抜けた所に開拓村があり、開拓者を募っているそうだ。そこになら私の居場所があるかも知れない。と思ったのだが、今は行かない方が良いらしい。
森はかなり深く、抜けるのに時間がかかる。もしも夜になった場合、魔族に遭遇する可能性が高いとの事だった。こんな若さで魔族に殺されるのは嫌だ。仕方なく、郊外をトボトボと歩く私。
「そんなに遠いのかぁ......」
ちなみに村とは逆の方向、近い場所に商業都市もあるらしいのだが、いきなり行って仕事や家を確保出来るか自信がない......。
旅なれしている商人や冒険者ならまだしも、私は世間知らずのお嬢ちゃんに過ぎない。騙されて借金を背負わされ、奴隷堕ちする未来しか見えない。
今日は何処か宿屋を探そう。一泊して、明日の早朝開拓村に行けばいい。
なんやかんやでもうお昼。まずはお腹を満たそうかな。パンケーキとか食べたいなぁ......。
ああ......私の推し、聖剣騎士の「エクスカリバー」もパンケーキが好きなんだよ。一緒に食べられたら幸せだなぁ。
前世の記憶が蘇った事で、私の二次元男子愛は再燃していた。だけどこの世界にはスマホとかゲームとか無い。テレビもないし、アニメもない。ないない尽くしの生き地獄みたいな世界。魔族までいるし。
ああもう! エクスカリバーは私が養わなきゃ行けないのに、課金もグッズ購入も出来ないじゃないの! この気持ち、何で発散すれば良いの!?
「エクスカリバー!」
私は叫んだ。私が愛してやまない推しキャラの名前を、思いを込めて高らかに。
行き交う人々が驚いた顔で私を見つめ、ヒソヒソと囁き合っている。ヤバイ奴だと思われたかも知れない。
だけどその時、信じられない事が起こった。天から雷が落ちたのだ。それも私の目の前に。
それ自体は別にいい。確率は低いが、起こり得ない事じゃない。つまり信じられない事ってのは、この後に起こった事。
雷が落ちた場所に、突然地面に刺さった剣が現れたのだ。その形は、まごうことなき私の推しキャラの宿る聖剣。そう、聖剣エクスカリバーだ。
だけどもう、家には帰らないと誓った。
行くあても何もない私。とりあえず知ってる人がいない場所に行こう! と思い立って、馬車を使って王都の郊外まで移動。
王都の周囲をぐるりと囲む巨大な壁。それは魔族から人々を守る為の物。そう、この世界には人々を襲う魔族と呼ばれる存在がいるのだ。怖い。
御者さんの話では、王都を出て森を抜けた所に開拓村があり、開拓者を募っているそうだ。そこになら私の居場所があるかも知れない。と思ったのだが、今は行かない方が良いらしい。
森はかなり深く、抜けるのに時間がかかる。もしも夜になった場合、魔族に遭遇する可能性が高いとの事だった。こんな若さで魔族に殺されるのは嫌だ。仕方なく、郊外をトボトボと歩く私。
「そんなに遠いのかぁ......」
ちなみに村とは逆の方向、近い場所に商業都市もあるらしいのだが、いきなり行って仕事や家を確保出来るか自信がない......。
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今日は何処か宿屋を探そう。一泊して、明日の早朝開拓村に行けばいい。
なんやかんやでもうお昼。まずはお腹を満たそうかな。パンケーキとか食べたいなぁ......。
ああ......私の推し、聖剣騎士の「エクスカリバー」もパンケーキが好きなんだよ。一緒に食べられたら幸せだなぁ。
前世の記憶が蘇った事で、私の二次元男子愛は再燃していた。だけどこの世界にはスマホとかゲームとか無い。テレビもないし、アニメもない。ないない尽くしの生き地獄みたいな世界。魔族までいるし。
ああもう! エクスカリバーは私が養わなきゃ行けないのに、課金もグッズ購入も出来ないじゃないの! この気持ち、何で発散すれば良いの!?
「エクスカリバー!」
私は叫んだ。私が愛してやまない推しキャラの名前を、思いを込めて高らかに。
行き交う人々が驚いた顔で私を見つめ、ヒソヒソと囁き合っている。ヤバイ奴だと思われたかも知れない。
だけどその時、信じられない事が起こった。天から雷が落ちたのだ。それも私の目の前に。
それ自体は別にいい。確率は低いが、起こり得ない事じゃない。つまり信じられない事ってのは、この後に起こった事。
雷が落ちた場所に、突然地面に刺さった剣が現れたのだ。その形は、まごうことなき私の推しキャラの宿る聖剣。そう、聖剣エクスカリバーだ。
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