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第2話 お父様に家を追放されました。
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私がうんうん唸っていると、禿げた中年が部屋に飛び込んで来た。
「おいアルフィエット! 剣精霊召喚の儀で、一人も剣精霊を呼び出せなかったらしいな! 全く、この恥さらしめが!」
「はぁ? あんた誰?」
「この後に及んでふざけた事を......!」
ゆでだこみたいに顔を真っ赤にしているハゲ。ああ、思い出した。この人、私のお父さんだ。それにフレッドが怒っていた理由もわかった。
「ああ、お父様でしたか。確かに剣精霊は呼び出せませんでしたが、国王派陛下は『ドンマイじゃアルフィエット』って言って笑ってましたよ。親指も立ててましたし」
「それは陛下がお優しいからだ! お前と婚約していたフレッド王子は怒り心頭だぞ! お前との婚約を破棄するそうだ! この役立たずが!」
役立たず。それが親の言う言葉だろうか。ハゲは私を道具としか思っていないのだ。愛情なんて、カケラも持ち合わせていない。毒親だ。お母様が生きていたら、きっと私を庇ってくれたのだろうけど......私が幼い時に病気で逝ってしまった。
「聖女の役目を果たせなければ、役立たず。そう仰りたいのですか」
「当たり前だ! お前が神託で聖女と認定された時、私がどれほど嬉しかったかわかるか!? その日からずっと、お前を聖女として教育してきた! 苦労してきたんだ! それが今日で全部無駄になった! もはやお前の顔など見たくない! 追放だ! この家から出て行け! 今すぐにだ!」
そう言って私に指を差すハゲ。私は怒りを通し越して呆れていた。なんて自己中心的な人間なのだろう。こんな人間が私の父親だなんて、とても恥ずかしい。
「わかりました、出て行きます。もう二度とこの家には戻りません。さようならお父様。ご機嫌よう」
私はドレッサーから立ち上がり、近くに置いてあった肩掛けポーチを取る。そしてハゲの横を通りすぎ、玄関まで走る。
外へ飛び出した後も走り続けた。イライラとした気持ちを振り払うように。やがて疲れて立ち止まり、一度だけ家の方を振り返る。
ハゲは出てきていなかった。呼び止められる事もなかった。本気で私に出て行って欲しかったのだろう。それならもう、あんな家に未練はない。
私は一人でも生きて行く。生き抜いて見せる。貯金も結構あるしね!
「おいアルフィエット! 剣精霊召喚の儀で、一人も剣精霊を呼び出せなかったらしいな! 全く、この恥さらしめが!」
「はぁ? あんた誰?」
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役立たず。それが親の言う言葉だろうか。ハゲは私を道具としか思っていないのだ。愛情なんて、カケラも持ち合わせていない。毒親だ。お母様が生きていたら、きっと私を庇ってくれたのだろうけど......私が幼い時に病気で逝ってしまった。
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「当たり前だ! お前が神託で聖女と認定された時、私がどれほど嬉しかったかわかるか!? その日からずっと、お前を聖女として教育してきた! 苦労してきたんだ! それが今日で全部無駄になった! もはやお前の顔など見たくない! 追放だ! この家から出て行け! 今すぐにだ!」
そう言って私に指を差すハゲ。私は怒りを通し越して呆れていた。なんて自己中心的な人間なのだろう。こんな人間が私の父親だなんて、とても恥ずかしい。
「わかりました、出て行きます。もう二度とこの家には戻りません。さようならお父様。ご機嫌よう」
私はドレッサーから立ち上がり、近くに置いてあった肩掛けポーチを取る。そしてハゲの横を通りすぎ、玄関まで走る。
外へ飛び出した後も走り続けた。イライラとした気持ちを振り払うように。やがて疲れて立ち止まり、一度だけ家の方を振り返る。
ハゲは出てきていなかった。呼び止められる事もなかった。本気で私に出て行って欲しかったのだろう。それならもう、あんな家に未練はない。
私は一人でも生きて行く。生き抜いて見せる。貯金も結構あるしね!
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