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第7話 怯える王子とハゲ親父。(ざまぁ回)
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フレッド・エミュール第三王子は、父である国王タルガット・エミュールの呼び出しを受けた。
何故呼ばれたのか。その理由については察しが付いていた。何故なら王都は「その話題」で持ちきりだったからだ。
フレッドは重い足を引きずり、どうにか国王の謁見室へと入室した。
「お呼びでしょうか、父上」
フレッドは国王の前にひざまずく。フレッドの隣には、すでに到着していたアルフィエットの父、スリザリッドがひざまずいていた。
「お呼びでしょうか、ではないわ愚か者めが!」
謁見室にいる、側近達を含めた全ての者が震え上がる。普段温厚なタルガット国王の怒りは、それは恐ろしいものだった。
「貴様が勝手に婚約を破棄したお陰で、アルフィエットはボードギアスに取られてしまったのだぞ! 代々受け継がれてきた聖女の守り手としての地位を、よりにもよってあの【魔術国家】に奪われるとは、なんたる失態だ!」
タルガットは顔を真っ赤にし、こめかみには青筋を浮かべている。そして目は炎を宿したかのように血走っていた。
「し、しかし父上! あの出来損ないは剣聖霊召喚の儀において、ただの一人も精霊を召喚出来なかったではないですか! きっと偽物です! 本物は別にいるのです!」
「私もそう思います」
同調するのは、アルフィエットの父スリザリッドだ。
「たわけ! 予言者オーリンの神託が、これまで一度として間違った事があったか!? だからこそ、ワシはあの場でアルフィエットの失敗を許した! ドンマイじゃ、とな! そしてやはりその判断は間違いではなかった! アルフィエットは百年に一人しか現れぬという【聖剣の聖女】だそうではないか! 民衆の話では聖剣エクスカリバーを召喚し、そこから聖剣騎士を呼び出したそうだ! 【聖剣の聖女】は一人いれば幾万の兵力にも匹敵する! そんな貴重な国宝とも言える要人を......! かたや婚約破棄! かたや追放! なんと愚かな者どもよ! 死罪にしても飽き足りぬわ!」
タルガットの怒声は、部屋全体をビリビリと震わせた。側近の中には、あまりの恐ろしさに泣き出す者までいた。
「どうかお許しを父上! なんでもします! 命だけは! どうか命だけは!」
「私も反省しております! 娘を探し出し、連れ戻します!」
ガタガタと震えながら土下座するフレッドとスリザリッド。
「連れ戻すだと!? 出来ぬ事を言うなスリザリッド牧師よ! 最初から貴様になど、何も期待してはおらぬわ! なんでもすると言ったなフレッド! では貴様はたった今より、開拓者だ! スリザリッドと共に開拓村へ行け! 開拓には早くても十年以上はかかるだろう! その間の食事は全て自給自足! 住む場所も自分で確保せよ! 開拓が終わるまで、決して戻ってくる事は許さん! 良いな!」
厳しく言い放つタルガット。フレッドもスリザリッドも反論したい気持ちでいっぱいだったが、とてもそんな事が許される状況ではなかった。
「かしこまりました......」
二人は震えながら床に頭を擦り付け、泣き続けるのであった。
何故呼ばれたのか。その理由については察しが付いていた。何故なら王都は「その話題」で持ちきりだったからだ。
フレッドは重い足を引きずり、どうにか国王の謁見室へと入室した。
「お呼びでしょうか、父上」
フレッドは国王の前にひざまずく。フレッドの隣には、すでに到着していたアルフィエットの父、スリザリッドがひざまずいていた。
「お呼びでしょうか、ではないわ愚か者めが!」
謁見室にいる、側近達を含めた全ての者が震え上がる。普段温厚なタルガット国王の怒りは、それは恐ろしいものだった。
「貴様が勝手に婚約を破棄したお陰で、アルフィエットはボードギアスに取られてしまったのだぞ! 代々受け継がれてきた聖女の守り手としての地位を、よりにもよってあの【魔術国家】に奪われるとは、なんたる失態だ!」
タルガットは顔を真っ赤にし、こめかみには青筋を浮かべている。そして目は炎を宿したかのように血走っていた。
「し、しかし父上! あの出来損ないは剣聖霊召喚の儀において、ただの一人も精霊を召喚出来なかったではないですか! きっと偽物です! 本物は別にいるのです!」
「私もそう思います」
同調するのは、アルフィエットの父スリザリッドだ。
「たわけ! 予言者オーリンの神託が、これまで一度として間違った事があったか!? だからこそ、ワシはあの場でアルフィエットの失敗を許した! ドンマイじゃ、とな! そしてやはりその判断は間違いではなかった! アルフィエットは百年に一人しか現れぬという【聖剣の聖女】だそうではないか! 民衆の話では聖剣エクスカリバーを召喚し、そこから聖剣騎士を呼び出したそうだ! 【聖剣の聖女】は一人いれば幾万の兵力にも匹敵する! そんな貴重な国宝とも言える要人を......! かたや婚約破棄! かたや追放! なんと愚かな者どもよ! 死罪にしても飽き足りぬわ!」
タルガットの怒声は、部屋全体をビリビリと震わせた。側近の中には、あまりの恐ろしさに泣き出す者までいた。
「どうかお許しを父上! なんでもします! 命だけは! どうか命だけは!」
「私も反省しております! 娘を探し出し、連れ戻します!」
ガタガタと震えながら土下座するフレッドとスリザリッド。
「連れ戻すだと!? 出来ぬ事を言うなスリザリッド牧師よ! 最初から貴様になど、何も期待してはおらぬわ! なんでもすると言ったなフレッド! では貴様はたった今より、開拓者だ! スリザリッドと共に開拓村へ行け! 開拓には早くても十年以上はかかるだろう! その間の食事は全て自給自足! 住む場所も自分で確保せよ! 開拓が終わるまで、決して戻ってくる事は許さん! 良いな!」
厳しく言い放つタルガット。フレッドもスリザリッドも反論したい気持ちでいっぱいだったが、とてもそんな事が許される状況ではなかった。
「かしこまりました......」
二人は震えながら床に頭を擦り付け、泣き続けるのであった。
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