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第11話 とりあえず形は出来た!

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 ドノナスト王国の再建に向けての第一歩、フォレス村の発展と拡大は順調に進んでいた。

 土地の開拓は、俺の魔術によって森の木々達自身に動いてもらい確保。大陸の東にあるこの森「オルタバース大森林」は、広大な森林地帯。王国を築くのにはもってこいの広さだった。

 最初は、五百人でやれる事をやった。それは居住地の整備。元々あった家はそのままに、新たな家を建てまくった。

 エルフは男女で仕事が分かれていて、女は狩りに出る。男は家を守り、職人仕事をする。料理を作ったり、家を建てたりするのも男の仕事だ。

 今生き残っているエルフは女性ばかり。その為当初は家の建設にも戸惑っていた。だが村長ナディアは女だてらに職人仕事も得意らしく、村人達にテキパキと指示を出して家を建てていった。

「順調だな、ナディア」

「ああ、順調だ。そろそろ休憩時間。ダーザイン殿、私の疲れを癒やしてくれるか?」

「ああ、もちろんだ」

 俺はナディアの家へと赴く。

「あー! ナディアったらまたダー君を独り占めしようとしてる!」

 おっぱいをブンブン揺らし、母さんが走って来る。ちなみに母さんには、精霊魔術で作業を手伝ってもらっている。

「シェファもおいで。一緒に休憩しよう」

「うん♡」

 てな感じで、時々休憩を挟みつつ作業は進んでいった。

 そして数日が過ぎた頃。俺の読み通り、オーク国ヴィーハイゼンからエルフ達がやって来た。それも大勢のオークを従えて。エルフの集団の先頭、その中心に立つ女性が軍人のように右手を額につけ、敬礼の仕草をする。

 基本的にエルフは美女揃いだが、彼女はその中でも際立って美しかった。大きな目、青い瞳に小さい顔。ちょっとアヒルみたいな可愛い形の唇。金色のショートヘアもボーイッシュで魅力的だ。

 身長は小柄で、長身である母さんやナディアとは対照的である。他のエルフに比べてもだいぶ小さい。顔も童顔でまるで少年のようだった。だが......おっぱいがめちゃくちゃデカい! 結構立派な胸のナディアより更に大きく、最胸のおっぱいを持つ母さん並の爆乳だ。なんだこの破壊力は......! 低身長童顔巨乳エルフ......! 恐るべし!

「お初にお目にかかります、ダーザイン様! 僕はヴィーハイゼンのエルフ反乱軍を束ねるノーティアスと申します! 以後、お見知りおきを!」

 しかもボクッ娘......! 俺を殺す気か?

 ノーティアスと名乗ったそのエルフ少女。村のエルフ達と共に作業をしていた俺をダーザインと見抜くとは、中々の観察力を持っているようだ。しかもこの人数のエルフやオークをまとめ上げている所を見ても、只者ではない。

「よろしく、ノーティアス。確かに俺がダーザインだ。それにみんな、よく来てくれた! 待ってたよ! 君達がきっと来てくれると、俺も村の仲間達も信じていた」

 俺は丸太を抱えたまま、ノーティアスに微笑んだ。作業をしているエルフ達も、ふと作業の手を止めてこちらを見る。

「やはりダーザイン様でしたか。お会い出来て光栄です。このオーク達ですが、ヴィーハイゼン制圧の際、あえて殺さずに捕らえてまいりました。生かすも殺すも、ダーザイン様に委ねようという結論に至った為です。どう致しますか」

 ふむ......オーク達を殺さずに捕らえてくれたのは、この国にとっては幸いだったと言える。今は一人でも多くの国民が欲しい。働き手も欲しいし、国の成立にはある程度の人口が必要だ。オークは邪悪な種族だが、俺の仲間になる事で彼らにも変化が起こる可能性は高い。

 俺は担いでいた丸太四本を一旦地面に下ろし、汗を拭う。ノーティアスは、じっと俺を見つめている。

「エルフとオークは宿敵同士。だが、この国においては手を取り合う仲間として迎えようとおもう。オークが邪悪な種族なのは、俺も認める。だが俺を見てくれ。オークだったが、エルフを思い、愛し、守った。彼らにもそれを期待する。だから今は歓迎しよう! それが俺の決断だ! どうだみんな、異論はないか!」

 俺はヴィーハイゼンからやってきたエルフ達と、作業をしているエルフ達に問いかけた。オークを受け入れる気持ちがあるかどうかを。

 当然、王国を滅ぼし、自分達を虐げたオーク達に憎悪を抱くものは多いだろう。反発は予想出来ることだった。

「ダーザイン様がおっしゃる事に、異論はありません! オークを仲間として迎えます!」

 それが全員一致の意見だった。俺は彼らの慈悲に感謝した。

「ありがとうみんな! 今日から彼女達、そして彼らが新しい仲間だ! 共に王国を再建しよう!」

 オオオーッと歓声が上がる。オーク達の顔にも、安堵の表情が広がる。きっと殺されるか、奴隷のような扱いを受けると覚悟していた事だろう。

 だが俺はそんな事はしたくない。憎しみは新たな憎しみを産む。言わば負の連鎖。避けられない事もあるが、無用な虐待や差別、偏見は全てなくして行きたい。

 村の人数が一気に倍増し、およそ一万五百人となった。これならいずれ、国家と名乗っても問題ないだろう。あとは城の建築と居住区の仕上げ、それから城下町と呼ぶに相応しい施設や設備の設置。そして法律や、どうやって経済を回すかも考えなくてはならないだろう。

 村ならば、自給自足でもある程度は成り立つが、国家となるとそうもいくまい。他国との交流や貿易は必要不可欠となる。

 かつてのドノナスト王国も「人間の王国ルーデウス」そして「ドワーフの王国シュタンガイン」と同盟を結び、お互いの文明を高め合ってきた。と母さんに聞いた。

 ドノナストが再建した暁には、この二国との同盟を再び結ぶ必要があるだろう。やる事は山積みだが、少しずつやっていくしかない。

 正直、一万人弱いても王国再建の作業にはまだまだ人出が足りない。だがそこは俺の古代魔術(エンシェントソーサリー)と母さんの精霊魔術が活躍する場面。精霊や森の動植物の働きは、人手不足を補ってあまりある。

 そんなこんなで王都の整備が進んでいき、一ヶ月後の夕刻。ついにそれは完成した。

「ダーザイン殿! ついに王都が完成致しました!」

 ここは王城の謁見室。報告にやって来たのはナディアだ。まぁ謁見室と言ってもそんなに広くは無く、俺と母さんが座る玉座くらいしかない。

「よし! よくやったぞナディア! こっちに来てくれ!」

 玉座に座っていた俺は、報告に訪れたナディアを近くに招き寄せた。そして立ち上がり、思いっきり抱きしめる。ナディアのふくよかな胸の感触が心地いい。

「ダーザイン殿......」

 見つめ合う俺とナディア。自然と唇が重なり合う。

「んっ......」

 ナディアが声を漏らすのと同時に、母さんが立ち上がる。そして俺の服を掴み、切なげな表情でじっと見つめて来た。

「ねぇダー君、私にもキスして欲しいな。だって、私も頑張ったもん」

「ごめん、そうだよね。おいで、シェファ」

 俺は母さんを抱き寄せて、キスをした。満足そうに笑う母さん。

「うふっ。気が済んだわ。ナディア、報告を続けて」

「は、はい! 予定通り、居住区は完成。住民はオークもエルフも平等に暮らしております。狩りはこれまで通りエルフが。農園地帯の畑仕事はエルフとオークで分担。慣れないながらもオーク達はがんばっています。彼らは皆男性ですので、家事や職人仕事等、エルフの男性と同様の仕事に従事してもらっています」

 ナディアは俺と抱き合ったまま、そのように報告を続けた。

「よしよし。全て予定通り。城も住む分には問題ないし、法律も整った。とりあえず国を名乗っても良さそうだな。では本日この瞬間より、この地はエルフの国ドノナスト王国とする! 国王は俺だ!」

「ついにやったわね、ダー君!」

「ダーザイン殿! いえ、今後はダーザイン陛下ですね! おめでとうございます!」

 母さんとナディアからキスの嵐。国の再建を祝う為、そのまま寝室へと移動する。

「ダー君がお利口さんだから、お母さんいっぱい『よしよし』してあげるね」

「陛下、私も目一杯奉仕させてもらいます!」

「ああ、よろしく頼む」

 二人の美女の祝福を受けながら、俺はベッドでまどろむ。そして寝落ち。どのくらいの時間がたったのか。目覚めると、二人の姿はなかった。驚いて飛び起きる。

「シェファ、ナディア、何処だ!」

 寝室には居ない。俺は部屋を飛び出し、城内を走る。するとエントランスホールから賑やかな声が聞こえた。まさか......! いや、それしか考えられない。俺はエントランスに急ぐ。

「おお、皆の者! 陛下がお見えになったぞ!」

 ナディアが叫ぶ。エントランスホールには、大勢の国民が押し寄せていた。扉から外まで溢れている。皆、酒や料理を手に大騒ぎだ。

「我らの偉大な国王、ダーザイン陛下万歳!」

「ドノナスト王国に栄光あれ!」

 皆が口々に王国再建と、おれの国王就任を祝う。俺はいつのまにか、涙を流していた。

 罪深きこの俺が、一国の王に。こんなに......祝福を受けて。ああ、今日の事は生涯忘れない。

「うふふ、驚いた? サプライズよ」

「陛下、皆に是非お言葉を」

 母さんとナディアに両脇を支えられ、俺は特設ステージへ。涙は母さんがハンカチで拭いてくれた。

「みんな、今日は集まってくれてありがとう! そして日々の労働、本当に感謝する! お陰で今日! ついにドノナスト王国は再建した!」

 ワァー! と歓声が上がる。

「俺は正直、まだ国王の器ではないかも知れない。だが、これからどんどん成長していくだろう。この国や、愛する国民と共に! さぁ、乾杯しよう! ドノナスト王国の未来に!」

 俺はナディアに手渡されたワイングラスを掲げる。皆もそれに倣い、一斉にグラスを掲げた。

「乾杯!」

 チィン、とグラスの触れる音。そして割れんばかりの大拍手。

「さぁ、みんな遠慮は要らない。今日は思う存分楽しんでくれ!」

 そう言ってステージを飛び降りる。

 直後、俺は大勢のエルフ美女たちに囲まれ、揉みくちゃにされたのだった。
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