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《支配》を逃れる方法
それから1ヶ月間が経過した。 この1ヶ月のあいだにエリカはいくつかの任務をガブリュー大佐に命じられた。 任務の内容は暗殺や破壊工作などエリカの意に染まぬもので、彼女のストレス・ゲージは順調に貯まり続けていた。
その一方で、ファントムさんたるエリカを軍が《支配》しているという噂が他市にまで広まり、軍を批判する声は日増しに大きくなっていた。
その噂を当局が気にしたのか、はたまたマロン君が知人の知人の父親に働きかけたのが功を奏したのか、ガブリュー大佐がキカザル市に召還され査問にかけられることになった。 査問の結果ガブリュー大佐が処分されるなら、エリカは《支配》から解放されるだろう。
◇◆◇
ひさびさの自由時間にエリカは、自宅のリビングで紅茶を飲みながら《支配》を逃れる方法について思いを巡らせていた。
「《支配》の効果は1ヶ月間。 だから1ヶ月のあいだ行方をくらませればいいと思うんだけど、前回の施術から25日が経過したら施術を求めるように命令されてるし、そもそも無断外出を禁止されてるし...
「メカジキ少尉を殺すのもダメなのよね。 軍関係者に危害を加えないよう命令されてるし、もしメカジキを殺しても術が解けなかったら、メカジキが死んだ状態で再施術の日を迎えることに...」
考えだだけで気が狂いそうだ。
エリカが初めて《支配》されてから25日が経過したとき、メカジキ少尉は所用でミザル市を離れていた。 翌日にはメカジキはミザル市に戻ってきてエリカに《支配》を再施術したのだが、それまでの間エリカは《支配》されなくてはという衝動と、それが不可能という現実の間で苦悶し続けた。
「いやあ悪い悪いサワラジリ中尉。 うっかりしていたよ。 辛かったかい?」
軽い口調でそう言うメカジキにエリカは往復ビンタの1つでもくれてやりたかったが、それ以上に早急に《支配》の呪文をかけられたかった。
チンチッ、チンチンチン!(早く、早くしてっ!)
「ははっ、そうせっつくなよ。 いま呪文をかけてやるからさ、中尉どの」
とまあ、こんな具合だったわけである。
◇◆◇
エリカはさらに思索を続ける。
「...耳栓は一定の効果があったんだけど」
命令が聞こえなければ従う必要はないというわけだ。 しかし、その作戦は1日ももたなかった。 命令がエリカに通じないのを訝しんだシバー少尉が、ケータイを取り出して誰かと通話したかと思うと、「耳栓を外してください」と書いた紙をエリカの目前でピラピラさせたのだ。 少尉の通話の相手はガブリュー大佐であったと思われる。
「日付を忘れるのはどうかしら?」
前回の《支配》施術からの日数を知らなければ再施術を求める欲求が生じないかもしれない。
「でも日付を忘れられる環境にないし」
日付を忘れるにはカレンダーのない場所で何日も一人で過ごす必要があるが、エリカは自由に出歩けない。
「いつか長期間の任務を与えられたら試せるかな」
エリカはお茶請けのオカキを1つ口に放り込む。 ポリポリ。 そして、冷めかけた紅茶を一口。
「でも、今すぐ《支配》をどうにかしたい...」
再び思考に没頭し始めたエリカを、シバー少尉の声が引き戻す。
「エリカさんエリカさん、ガブリュー大佐がミザル市に戻ってきたそうですよ」
◇◆◇
ガブリュー大佐はキカザル市から舞い戻ってきた。 彼は査問会で要人たちの糾弾をことごとく跳ね除けて自らの地位を保ったのだ。 当然、エリカの《支配》は続行である。
大佐はちょっとした復讐心に燃えていた。 彼は自分が査問されることになった理由を査問委員会のメンバーから聞き出していた。
「若造めが。 思い知らせてやろう」
キカザル市から乗ってきた軍用馬車を降りた大佐は、2人の随員を引き連れてハンター協会に乗り込んだ。
協会ビルに入って来たガブリュー大佐を、白髪交じりの初老の男性が出迎える。 ミザル市ハンター協会の理事長である。 さっきテレホンで大佐の来意を告げられてから、理事長は一階フロアで大佐の到着をずっと待ち構えていた。
「お待ちしておりました、大佐。 さあさあ、こちらへどうぞ」
そう言って建物の奥のほうへと大佐たちを案内してゆく。
フロアに居合わせた人たちは奇異の目で理事長と大佐を眺めていた。 ガブリュー大佐はもとより理事長もハンターたちに顔を知られていない。 理事長はいつも協会ビルの奥のほうで何かの仕事をしているのだ。
マロン君もガブリュー大佐の顔は知らなかったが、理事長の発した「大佐」という言葉からエリカを《支配》したというガブリュー大佐を連想して不穏なものを感じた。 ザルス共和国軍に大佐はそう何人もいないし、前線から遠く離れたミザル市にいる大佐となるとガブリュー大佐ぐらいではないだろうか?
◇
その日の夕刻、マロン君は理事長室に呼び出された。 嫌な予感が胸中に沸き起こるのを必死で押さえつけるマロン君に向かって、理事長は宣告する。
「マロン君、すまんがキミはクビだ」
突然の宣告にもマロン君は驚かなかった。 やはり「大佐」とはガブリュー大佐のことだったのだ。 解雇はガブリュー大佐による意趣返しである。 マロン君が知人の知人の父親にガブリュー大佐の処分を働きかけた仕返しとして、マロン君の解雇をハンター協会に迫ったのだ。 ここしばらく知人から連絡が無かったが、大佐はまんまと査問会を切り抜けていたらしい。
マロン君に退職金として与えられるのは、たったの300万ゴールド。 さらに理事長は、不当解雇を裁判所に訴えても無駄であることをほのめかした。
「ガブリュー大佐のような大物と事を構えるとはキミも馬鹿な真似をしたもんだな。 裁判所に訴えるのはキミの自由だが、訴えるだけ無駄だと思うよ」
ザルス共和国も他国と同様、公正な裁判など期待できない。 社会的に強い者が裁判でも強いのだ。
「裁判は費用もかかるしね。 キミはこれから収入が無いわけだし... まあそういうことで、キミ明日から来なくていいから」
そう言って理事長は、これで話は終わりだと言わんばかりにクルリとマロン君に背を向けた。
◇
理事長室を出たマロン君は仮眠室へと足を運んだ。 ここ1ヶ月ほど彼は協会ビルの仮眠室にアリスを匿っていた。 だが、ハンター協会をクビになった以上もうアリスを匿っていられない。
仮眠室は二段ベッドが4つ置かれていて8人が同時に泊まれる。 しかし利用するハンターは滅多におらず、この一ヶ月の間ほぼアリスが部屋を独占していた。
マロン君は人目を忍んで仮眠室に入り室内を見渡す。 右隅にあるベッドの下の段にだけ私物が置かれているから、あれがアリスのベッドに違いない。 しかし寝具が姿を消していないところを見ると、アリスは外出中だろうか?
マロン君は明日から協会ビルに自由に出入りできない身である。 今日のうちにアリスちゃんに伝えておきたい。 マロン君が困っていると、何もない壁際からチンとベルの音が聞こえてきた。 アリスのベルの音だ。
「アリスちゃん、そこにいるのかい?」
なんとなく小声でマロン君は声を掛けた。
チン(いてます)
アリスはベッドで寝ていたのだが、仮眠室のドアが開く音を聞き、侵入者を警戒してベッドから出た。 侵入者がマロン君だと分かってベルを鳴らしたわけだ。
「僕は協会をクビになった。 だからアリスちゃんも、もうこの仮眠室には住めない。 むろん、こっそり住むことはできるけれど...」
突然もたらされた凶報にアリスは半ば恐慌状態だ。
チンちんチン!?(もうここに住まれへんの!?)
「済まない」
マロン君はそれだけ言うと部屋を出ていった。 マロン君の言葉にも行動にも普段の余裕が窺えないが、彼もクビを宣告されて動揺していた。
(あたし、どうしよう...)
残されたアリスはエリカに続いてマロン君という味方まで失い、仮眠室でひとり途方に暮れた。
その一方で、ファントムさんたるエリカを軍が《支配》しているという噂が他市にまで広まり、軍を批判する声は日増しに大きくなっていた。
その噂を当局が気にしたのか、はたまたマロン君が知人の知人の父親に働きかけたのが功を奏したのか、ガブリュー大佐がキカザル市に召還され査問にかけられることになった。 査問の結果ガブリュー大佐が処分されるなら、エリカは《支配》から解放されるだろう。
◇◆◇
ひさびさの自由時間にエリカは、自宅のリビングで紅茶を飲みながら《支配》を逃れる方法について思いを巡らせていた。
「《支配》の効果は1ヶ月間。 だから1ヶ月のあいだ行方をくらませればいいと思うんだけど、前回の施術から25日が経過したら施術を求めるように命令されてるし、そもそも無断外出を禁止されてるし...
「メカジキ少尉を殺すのもダメなのよね。 軍関係者に危害を加えないよう命令されてるし、もしメカジキを殺しても術が解けなかったら、メカジキが死んだ状態で再施術の日を迎えることに...」
考えだだけで気が狂いそうだ。
エリカが初めて《支配》されてから25日が経過したとき、メカジキ少尉は所用でミザル市を離れていた。 翌日にはメカジキはミザル市に戻ってきてエリカに《支配》を再施術したのだが、それまでの間エリカは《支配》されなくてはという衝動と、それが不可能という現実の間で苦悶し続けた。
「いやあ悪い悪いサワラジリ中尉。 うっかりしていたよ。 辛かったかい?」
軽い口調でそう言うメカジキにエリカは往復ビンタの1つでもくれてやりたかったが、それ以上に早急に《支配》の呪文をかけられたかった。
チンチッ、チンチンチン!(早く、早くしてっ!)
「ははっ、そうせっつくなよ。 いま呪文をかけてやるからさ、中尉どの」
とまあ、こんな具合だったわけである。
◇◆◇
エリカはさらに思索を続ける。
「...耳栓は一定の効果があったんだけど」
命令が聞こえなければ従う必要はないというわけだ。 しかし、その作戦は1日ももたなかった。 命令がエリカに通じないのを訝しんだシバー少尉が、ケータイを取り出して誰かと通話したかと思うと、「耳栓を外してください」と書いた紙をエリカの目前でピラピラさせたのだ。 少尉の通話の相手はガブリュー大佐であったと思われる。
「日付を忘れるのはどうかしら?」
前回の《支配》施術からの日数を知らなければ再施術を求める欲求が生じないかもしれない。
「でも日付を忘れられる環境にないし」
日付を忘れるにはカレンダーのない場所で何日も一人で過ごす必要があるが、エリカは自由に出歩けない。
「いつか長期間の任務を与えられたら試せるかな」
エリカはお茶請けのオカキを1つ口に放り込む。 ポリポリ。 そして、冷めかけた紅茶を一口。
「でも、今すぐ《支配》をどうにかしたい...」
再び思考に没頭し始めたエリカを、シバー少尉の声が引き戻す。
「エリカさんエリカさん、ガブリュー大佐がミザル市に戻ってきたそうですよ」
◇◆◇
ガブリュー大佐はキカザル市から舞い戻ってきた。 彼は査問会で要人たちの糾弾をことごとく跳ね除けて自らの地位を保ったのだ。 当然、エリカの《支配》は続行である。
大佐はちょっとした復讐心に燃えていた。 彼は自分が査問されることになった理由を査問委員会のメンバーから聞き出していた。
「若造めが。 思い知らせてやろう」
キカザル市から乗ってきた軍用馬車を降りた大佐は、2人の随員を引き連れてハンター協会に乗り込んだ。
協会ビルに入って来たガブリュー大佐を、白髪交じりの初老の男性が出迎える。 ミザル市ハンター協会の理事長である。 さっきテレホンで大佐の来意を告げられてから、理事長は一階フロアで大佐の到着をずっと待ち構えていた。
「お待ちしておりました、大佐。 さあさあ、こちらへどうぞ」
そう言って建物の奥のほうへと大佐たちを案内してゆく。
フロアに居合わせた人たちは奇異の目で理事長と大佐を眺めていた。 ガブリュー大佐はもとより理事長もハンターたちに顔を知られていない。 理事長はいつも協会ビルの奥のほうで何かの仕事をしているのだ。
マロン君もガブリュー大佐の顔は知らなかったが、理事長の発した「大佐」という言葉からエリカを《支配》したというガブリュー大佐を連想して不穏なものを感じた。 ザルス共和国軍に大佐はそう何人もいないし、前線から遠く離れたミザル市にいる大佐となるとガブリュー大佐ぐらいではないだろうか?
◇
その日の夕刻、マロン君は理事長室に呼び出された。 嫌な予感が胸中に沸き起こるのを必死で押さえつけるマロン君に向かって、理事長は宣告する。
「マロン君、すまんがキミはクビだ」
突然の宣告にもマロン君は驚かなかった。 やはり「大佐」とはガブリュー大佐のことだったのだ。 解雇はガブリュー大佐による意趣返しである。 マロン君が知人の知人の父親にガブリュー大佐の処分を働きかけた仕返しとして、マロン君の解雇をハンター協会に迫ったのだ。 ここしばらく知人から連絡が無かったが、大佐はまんまと査問会を切り抜けていたらしい。
マロン君に退職金として与えられるのは、たったの300万ゴールド。 さらに理事長は、不当解雇を裁判所に訴えても無駄であることをほのめかした。
「ガブリュー大佐のような大物と事を構えるとはキミも馬鹿な真似をしたもんだな。 裁判所に訴えるのはキミの自由だが、訴えるだけ無駄だと思うよ」
ザルス共和国も他国と同様、公正な裁判など期待できない。 社会的に強い者が裁判でも強いのだ。
「裁判は費用もかかるしね。 キミはこれから収入が無いわけだし... まあそういうことで、キミ明日から来なくていいから」
そう言って理事長は、これで話は終わりだと言わんばかりにクルリとマロン君に背を向けた。
◇
理事長室を出たマロン君は仮眠室へと足を運んだ。 ここ1ヶ月ほど彼は協会ビルの仮眠室にアリスを匿っていた。 だが、ハンター協会をクビになった以上もうアリスを匿っていられない。
仮眠室は二段ベッドが4つ置かれていて8人が同時に泊まれる。 しかし利用するハンターは滅多におらず、この一ヶ月の間ほぼアリスが部屋を独占していた。
マロン君は人目を忍んで仮眠室に入り室内を見渡す。 右隅にあるベッドの下の段にだけ私物が置かれているから、あれがアリスのベッドに違いない。 しかし寝具が姿を消していないところを見ると、アリスは外出中だろうか?
マロン君は明日から協会ビルに自由に出入りできない身である。 今日のうちにアリスちゃんに伝えておきたい。 マロン君が困っていると、何もない壁際からチンとベルの音が聞こえてきた。 アリスのベルの音だ。
「アリスちゃん、そこにいるのかい?」
なんとなく小声でマロン君は声を掛けた。
チン(いてます)
アリスはベッドで寝ていたのだが、仮眠室のドアが開く音を聞き、侵入者を警戒してベッドから出た。 侵入者がマロン君だと分かってベルを鳴らしたわけだ。
「僕は協会をクビになった。 だからアリスちゃんも、もうこの仮眠室には住めない。 むろん、こっそり住むことはできるけれど...」
突然もたらされた凶報にアリスは半ば恐慌状態だ。
チンちんチン!?(もうここに住まれへんの!?)
「済まない」
マロン君はそれだけ言うと部屋を出ていった。 マロン君の言葉にも行動にも普段の余裕が窺えないが、彼もクビを宣告されて動揺していた。
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