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第三章
チカとマリカの会話
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◇◇◇
六限目の終わり、俺が一人でトイレに行こうとしたとき、女子トイレから聞き覚えのある声が口論しているのが耳に入った。
「ちょっとマリカ! いつから爽と付き合ってたの!? 私知らなかったんだけど!!」
「一カ月くらい前からだけど」
「うっわ最悪……。私に一言もなしになんでそんなことするの!?」
「なんでチカに言わないといけないの? あんたには関係ないじゃん」
マリカちゃんとチカだ。ひょえー……しかも俺の話題かよ……。にしてもチカのやつしつけえな。俺たちもう別れてるのに、なんで口出ししているんだ。マリカちゃん可哀想。
続いてチカの苛立った声が聞こえてくる。
「関係あるよ! だって今、大地は私のとこにいるんだよ!?」
……は? チカ、あいつ今なんて言った?
大地のセフレって……もしかしてチカ……?
「え!? チカ、あんたまだ大地のこと引っ張ってるわけ!?」
……まだってなに?
「そうなのよ! だから爽が誰かと付き合うのは困るんだって!」
だからってなに? 大地がチカのセフレってことと、俺が誰かと付き合うことに関係なんかないだろ?
次に、マリカちゃんの戸惑った声が聞こえた。
「ああ……だからまだ来ないのね……。一カ月経ったのに音沙汰ないから、なんでかと思ってた」
「ちょっと、ほんとやめてよ。私から大地取らないでって。ねえ」
「取ってないわよ。私が付き合ってるのは爽君なんだけど?」
「爽と付き合ったら同じことなんだって!! も~! 最悪!」
こいつら、一体なにを言っているんだ……?
続きに耳を澄ませたけど、自分たちが大声で騒いでいることに気付いたのか、それからは小声でボソボソと喋っていて聞き取れなかった。
俺は用を足したあと、おぼつかない足取りで家に帰った。
大地はまだ帰っていなかった。
晩ごはん時、大地から今晩は帰らないってLINEが来た。
あいつ、チカのとこに行ってるのかな。
……なんでよりにもよってチカなんだよ、クソッ……。
◆◆◆
「大地君からごはんに誘ってくれるなんて珍しいね~。どうしたの、急に?」
「いや、なんとなく。ダメ元で誘ってみたのに、オッケーしてもらえてびっくりしてる」
「あはは。大地君から爽君の話いっぱい聞かせてもらおうと思って!」
「だはは。何でも教えてやるよ。でも、爽には内緒な?」
「もちろん! ねえねえ、爽君って――」
爽が付き合う女って、どうしてみんなガードが甘くて気移りの激しい子ばかりなんだろう。
マリカちゃんも例に漏れずその一人。
「――爽君、すっごく優しくて素敵な人なんだけど、……ちょっと、アレが……ねえ?」
「ああ、ちんこ小さいのと早漏、加えてセックスが下手なこと?」
「あはは……ハッキリ言うわねえ……」
「今までもそれが原因で別れてきたらしいからなあ」
「そっかあ……ちょっとその気持ち、分かるかも……」
今の爽だと五分はもっているらしいんだがな。セックスも前より丁寧にするようになったって言っていたし。
マリカちゃんのセックスのハードルが高くて良かった。
「爽じゃ物足りない?」
「ちょっと、ね……」
「じゃあ……俺が満足させてやろうか」
「え……?」
「はは、冗談だよ」
「そ、そっかあ……あはは……」
見るからに残念そうな反応をするマリカちゃん。今までの女と比べても、ダントツで簡単な子だな。よっぽど爽のセックスに不満があるのか。
じゃあ、俺に返せ。
「なに? ちょっと期待した?」
「ちょ、ちょっとね……」
「そんなに物足りないんだ。……店出ない?」
「え?」
「マリカちゃんさえよければ、今から満足させてあげる。大丈夫、爽には言わないよ」
マリカちゃんはすんなりホテルについてきた。
チカちゃんほどではないが、彼女も早漏改善用のオナホくらい緩く、開発されきっているのか簡単に中イキした。
どうして爽は経験豊富な女ばかりと付き合うんだろう。
ああ、息を呑むほど爽の顔が良いから、ウブな子は簡単には声をかけられないのか。
反対に、男慣れしている美人に声をかけられやすいんだろうな。
「あぁっ! やだっ……大地君……っ、すごっ……気持ちいいぃっ……! もっとぉっ……!」
「マリカちゃんの中気持ちいい……、俺、夢中になっちゃいそう……」
今日も、相手が満足した頃合いにイクふりをしてセックスを終わらせた。
俺はくったりしているマリカちゃんにキスをして、耳元で囁く。
「なあ、マリカちゃん……。爽で満足できないなら……俺にしない?」
どうせ君も、爽で満たされない快感を、俺で満たそうとするんだろう?
でも爽というルックスが良くて金持ちで優しい彼氏を手放すのは惜しいから、別れずに俺と浮気するんだ。
でも大丈夫。君の部屋に行くたびに俺が男の痕跡を残すから。
それに気付いた爽はもう、君との関係を続けようとは思わない。あいつは俺らと違って潔癖症なんだよ、マリカちゃん。
俺と今日ヤッた時点で、君が爽と別れる日はそう遠くない未来になった。
六限目の終わり、俺が一人でトイレに行こうとしたとき、女子トイレから聞き覚えのある声が口論しているのが耳に入った。
「ちょっとマリカ! いつから爽と付き合ってたの!? 私知らなかったんだけど!!」
「一カ月くらい前からだけど」
「うっわ最悪……。私に一言もなしになんでそんなことするの!?」
「なんでチカに言わないといけないの? あんたには関係ないじゃん」
マリカちゃんとチカだ。ひょえー……しかも俺の話題かよ……。にしてもチカのやつしつけえな。俺たちもう別れてるのに、なんで口出ししているんだ。マリカちゃん可哀想。
続いてチカの苛立った声が聞こえてくる。
「関係あるよ! だって今、大地は私のとこにいるんだよ!?」
……は? チカ、あいつ今なんて言った?
大地のセフレって……もしかしてチカ……?
「え!? チカ、あんたまだ大地のこと引っ張ってるわけ!?」
……まだってなに?
「そうなのよ! だから爽が誰かと付き合うのは困るんだって!」
だからってなに? 大地がチカのセフレってことと、俺が誰かと付き合うことに関係なんかないだろ?
次に、マリカちゃんの戸惑った声が聞こえた。
「ああ……だからまだ来ないのね……。一カ月経ったのに音沙汰ないから、なんでかと思ってた」
「ちょっと、ほんとやめてよ。私から大地取らないでって。ねえ」
「取ってないわよ。私が付き合ってるのは爽君なんだけど?」
「爽と付き合ったら同じことなんだって!! も~! 最悪!」
こいつら、一体なにを言っているんだ……?
続きに耳を澄ませたけど、自分たちが大声で騒いでいることに気付いたのか、それからは小声でボソボソと喋っていて聞き取れなかった。
俺は用を足したあと、おぼつかない足取りで家に帰った。
大地はまだ帰っていなかった。
晩ごはん時、大地から今晩は帰らないってLINEが来た。
あいつ、チカのとこに行ってるのかな。
……なんでよりにもよってチカなんだよ、クソッ……。
◆◆◆
「大地君からごはんに誘ってくれるなんて珍しいね~。どうしたの、急に?」
「いや、なんとなく。ダメ元で誘ってみたのに、オッケーしてもらえてびっくりしてる」
「あはは。大地君から爽君の話いっぱい聞かせてもらおうと思って!」
「だはは。何でも教えてやるよ。でも、爽には内緒な?」
「もちろん! ねえねえ、爽君って――」
爽が付き合う女って、どうしてみんなガードが甘くて気移りの激しい子ばかりなんだろう。
マリカちゃんも例に漏れずその一人。
「――爽君、すっごく優しくて素敵な人なんだけど、……ちょっと、アレが……ねえ?」
「ああ、ちんこ小さいのと早漏、加えてセックスが下手なこと?」
「あはは……ハッキリ言うわねえ……」
「今までもそれが原因で別れてきたらしいからなあ」
「そっかあ……ちょっとその気持ち、分かるかも……」
今の爽だと五分はもっているらしいんだがな。セックスも前より丁寧にするようになったって言っていたし。
マリカちゃんのセックスのハードルが高くて良かった。
「爽じゃ物足りない?」
「ちょっと、ね……」
「じゃあ……俺が満足させてやろうか」
「え……?」
「はは、冗談だよ」
「そ、そっかあ……あはは……」
見るからに残念そうな反応をするマリカちゃん。今までの女と比べても、ダントツで簡単な子だな。よっぽど爽のセックスに不満があるのか。
じゃあ、俺に返せ。
「なに? ちょっと期待した?」
「ちょ、ちょっとね……」
「そんなに物足りないんだ。……店出ない?」
「え?」
「マリカちゃんさえよければ、今から満足させてあげる。大丈夫、爽には言わないよ」
マリカちゃんはすんなりホテルについてきた。
チカちゃんほどではないが、彼女も早漏改善用のオナホくらい緩く、開発されきっているのか簡単に中イキした。
どうして爽は経験豊富な女ばかりと付き合うんだろう。
ああ、息を呑むほど爽の顔が良いから、ウブな子は簡単には声をかけられないのか。
反対に、男慣れしている美人に声をかけられやすいんだろうな。
「あぁっ! やだっ……大地君……っ、すごっ……気持ちいいぃっ……! もっとぉっ……!」
「マリカちゃんの中気持ちいい……、俺、夢中になっちゃいそう……」
今日も、相手が満足した頃合いにイクふりをしてセックスを終わらせた。
俺はくったりしているマリカちゃんにキスをして、耳元で囁く。
「なあ、マリカちゃん……。爽で満足できないなら……俺にしない?」
どうせ君も、爽で満たされない快感を、俺で満たそうとするんだろう?
でも爽というルックスが良くて金持ちで優しい彼氏を手放すのは惜しいから、別れずに俺と浮気するんだ。
でも大丈夫。君の部屋に行くたびに俺が男の痕跡を残すから。
それに気付いた爽はもう、君との関係を続けようとは思わない。あいつは俺らと違って潔癖症なんだよ、マリカちゃん。
俺と今日ヤッた時点で、君が爽と別れる日はそう遠くない未来になった。
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