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しおりを挟む私たちはそれぞれ学食で注文し、席に座った。
私は釜玉うどん、小食の沙代里は小ライスの魚定食、ダイエット中の潤香はサラダのみ、真琴はがっつりチキン竜田丼だ。
「で、で、で?緋色のゼミの話聞きた―い」
真琴は席に座るなり聞いてきた。
「えー?先生がイケメン過ぎた話?」
「あー…それは後で聞くから。まずは天使君の話からお願い」
自分の欲望に忠実な真琴は嫌いじゃない。
「時間ギリギリに来て、天使君がサボらないように先生がお菓子配るねって言ったら喜んでた」
「お菓子好きかー。可愛いー」
たぶん先生の話をする私は皆からこう見えているんだろうな。
「バレー部のイケメン君は?」
「ギリギリまで寝て、終始寝ぼけてた。最後らへん首かくんかくんしてたよ」
「あとは笹森君と鳴海君か。…癖強いね」
「やっぱりそう思う?」
3人が頷く。
「緋色も入れたら結構濃いわ」
「私はあのメンバーの中だと結構春のキャラ弱いなって思ってる」
「で?先生はどうだったの?」
丼ものを平らげた真琴は鞄からお菓子を取り出し食べ始めた。
「皆の一見ふざけてるように聞こえる意気込みに対して丁寧に接してた。あと、私にパソコンの設置方法聞いてくれた!この前のこと覚えててくれたから話しかけてくれたー」
「一応確認しとくけど、ガチなの?ガチ恋なの?」
潤香は私にフォークを向けて確認してきた。行儀悪いな。
「うん。だってタイプだし。顔も声も年齢も完璧!額の見える髪型、血管の見える腕とか、スーツのジャケット脱いでYシャツ姿なとことか…好きだよ?」
皆が少し首を傾げたり、悩んだ感じになっている。
「うーん」
「どうだろ…憧れ?」
憧れ?タイプなのに?
「待って待って、じゃあじゃあ、真琴は?天使くんのどこが好きなの?」
「私?えー、背が小さくて、顔も童顔で可愛いから、母性本能くすぐるしー何でもしてあげたくなっちゃう感じ」
子供扱いしているだけでは?これを言うと怒られそうだから言わないけど。
「じゃあ沙代里は彼氏のどこが好きなの?」
「一緒にいて楽しいし、落ち着くからかな」
落ち着く。先生といるときの自分を思い返すと緊張している自分しかいない気はする。
「えー…あ、私もおでこ出そうかな」
私は右に流している前髪を触りながら言う。3人は驚いた顔していた。
「え?どうした?」
「壊れた?急に?」
「ペアルックとかみたいに、好きな人と同じになりたいのは好きってことにならない?」
「それは前に習った同一化の話になってこない?」
同一化、自分の尊敬する人や理想とする人の振る舞いや特徴を真似て自分の欲求を見たそうとする防衛機制の一種である。
いや、私は違うけど。
「緋色、もうちょっと考えてみた方がいいよ」
彼氏持ちの沙代里が私の肩に手を置いた。重い。沙代里の手が置かれた肩が重く感じた。
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