29 / 41
28
しおりを挟む
「緋色、終わったよ」
「…おはようございます」
よく寝たー…身体痛っ。先生はまだいるので軽く伸びをする。
「そうだ、私サークルの議会あるからお昼いないわ」
「マジ?実は私も1年生と昼食べなきゃいけないんだよね」
沙代里と潤香はお昼に用事があるようだ。
「そっか。真琴は?」
真琴の方を向くと天使君に絡まれていた。
「まこまこ、この後ご飯食べに行こー」
「え!うん、行きたい」
恋する乙女の顔している。天使君とお昼NGだったんじゃないんかい。
「じゃあ私緋色ちゃんもーらい」
百合華が私の腕に腕を絡めてきた。
「え…!?」
「え…嫌?」
こてんと首を傾げた。めちゃくちゃ可愛い。女の私でも落ちそうになる。めっちゃいい匂いするし。こんな女子に生まれたかった。
「嫌って言うか…逆にいいんですか?」
「うん!」
「じゃ、決まりだねー」
真琴は天使君とその後ろにいた親衛隊2人とご飯に行くらしい。百合華がいなかったらあの怖い会に行くことになってたのか。こっちで良かった。
皆と別れ、私たちはカフェで並んでいた。
…実は皆と離れた途端豹変するとかないよね。同じゼミだからって調子のんなみたいな。今更だけどちょっと怖くなってきた。
「緋色ちゃん何食べる?」
「えーっと…チキンカレーにする」
カフェは高いのでたまにしか来ないので、来るとつい1番人気のチキンカレーを頼んでしまう。
「おっけー」
カフェを見渡すとキラキラした女子がたくさんいる。私も身なりには気を使ってるけど、カフェにいる女子って何ランクも上っていうか…。
「チキンカレーとパンケーキください」
パンケーキ!女子だ。そうか、ここで普通にチキンカレーを頼むではいけなかったのか。
「席までお持ちします。この番号札でお待ちください」
「行こっ緋色ちゃん」
あれ?
「あの…」
「あー、払っちゃった。私が誘ったし気にしないで」
笑顔でそう答える百合華はもう席に座っている。
申し訳ない。けど、ここは史郎の教えを守るべきか。
「ありがとう。でも今度は私が奢るね」
私はそう言いながら席に座った。
「ふふっ気にしなくていいのにー」
「あの、百合華は、なんで私と?」
「光君がさ、ゼミの唯一の女子が、俺じゃなくて先生が好きって言うんだって言ってて」
…口止めしとくべきだったか。
「あ、でも私しか聞いてないと思う!私以外の前で光君が女子の話ししたら他の子皆怒るから」
やっぱり過激派はいるんだ。
「広まってないなら良かった」
「あと、天使君ってあだ名付けられたって喜んでたよ」
「そんなに気に入ってたんだ」
「おまたせしましたー」
料理が運ばれてきた。パンケーキとカレー…女子力の差は歴然だ。
「いただきまーす」
「いただきます」
「ねぇねぇ、私のあげるから、私にもちょっと頂戴」
「うん、いいよ」
「はい、あーん」
私が皿を渡そうとする前に、百合華は一口サイズのパンケーキを私の口元へ運ぼうとしている。
「あ、あーん。んん、美味しい」
百合華はニコニコしている。というか、待っている…気がする。私もカレーライス一口分を彼女の口元へ持っていった。
「んー美味しい。今度私もカレー頼もうー」
「私も、次はパンケーキ頼もうかな」
なんだか美人な女性と運良く付き合えた冴えない彼氏のような気分。彼女は可愛いけど、自分のダメさも実感していくような…。
「…おはようございます」
よく寝たー…身体痛っ。先生はまだいるので軽く伸びをする。
「そうだ、私サークルの議会あるからお昼いないわ」
「マジ?実は私も1年生と昼食べなきゃいけないんだよね」
沙代里と潤香はお昼に用事があるようだ。
「そっか。真琴は?」
真琴の方を向くと天使君に絡まれていた。
「まこまこ、この後ご飯食べに行こー」
「え!うん、行きたい」
恋する乙女の顔している。天使君とお昼NGだったんじゃないんかい。
「じゃあ私緋色ちゃんもーらい」
百合華が私の腕に腕を絡めてきた。
「え…!?」
「え…嫌?」
こてんと首を傾げた。めちゃくちゃ可愛い。女の私でも落ちそうになる。めっちゃいい匂いするし。こんな女子に生まれたかった。
「嫌って言うか…逆にいいんですか?」
「うん!」
「じゃ、決まりだねー」
真琴は天使君とその後ろにいた親衛隊2人とご飯に行くらしい。百合華がいなかったらあの怖い会に行くことになってたのか。こっちで良かった。
皆と別れ、私たちはカフェで並んでいた。
…実は皆と離れた途端豹変するとかないよね。同じゼミだからって調子のんなみたいな。今更だけどちょっと怖くなってきた。
「緋色ちゃん何食べる?」
「えーっと…チキンカレーにする」
カフェは高いのでたまにしか来ないので、来るとつい1番人気のチキンカレーを頼んでしまう。
「おっけー」
カフェを見渡すとキラキラした女子がたくさんいる。私も身なりには気を使ってるけど、カフェにいる女子って何ランクも上っていうか…。
「チキンカレーとパンケーキください」
パンケーキ!女子だ。そうか、ここで普通にチキンカレーを頼むではいけなかったのか。
「席までお持ちします。この番号札でお待ちください」
「行こっ緋色ちゃん」
あれ?
「あの…」
「あー、払っちゃった。私が誘ったし気にしないで」
笑顔でそう答える百合華はもう席に座っている。
申し訳ない。けど、ここは史郎の教えを守るべきか。
「ありがとう。でも今度は私が奢るね」
私はそう言いながら席に座った。
「ふふっ気にしなくていいのにー」
「あの、百合華は、なんで私と?」
「光君がさ、ゼミの唯一の女子が、俺じゃなくて先生が好きって言うんだって言ってて」
…口止めしとくべきだったか。
「あ、でも私しか聞いてないと思う!私以外の前で光君が女子の話ししたら他の子皆怒るから」
やっぱり過激派はいるんだ。
「広まってないなら良かった」
「あと、天使君ってあだ名付けられたって喜んでたよ」
「そんなに気に入ってたんだ」
「おまたせしましたー」
料理が運ばれてきた。パンケーキとカレー…女子力の差は歴然だ。
「いただきまーす」
「いただきます」
「ねぇねぇ、私のあげるから、私にもちょっと頂戴」
「うん、いいよ」
「はい、あーん」
私が皿を渡そうとする前に、百合華は一口サイズのパンケーキを私の口元へ運ぼうとしている。
「あ、あーん。んん、美味しい」
百合華はニコニコしている。というか、待っている…気がする。私もカレーライス一口分を彼女の口元へ持っていった。
「んー美味しい。今度私もカレー頼もうー」
「私も、次はパンケーキ頼もうかな」
なんだか美人な女性と運良く付き合えた冴えない彼氏のような気分。彼女は可愛いけど、自分のダメさも実感していくような…。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる