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「何をしていたのですか。帰りが遅いわ」

門で構えていたのは、人殺s・・・じゃなくて、お母さま。

「ごめんなさいっ」

逃げるようにして部屋へ戻る。

待ちなさい!と怒声が聞こえたけど、スルーさせてもらった。

部屋に戻ってため息をつく。

自己中でわがままで、暴力まで使って物事を進める母。

それには気も留めず、傲慢な父。

愛されていないのはもう、明確だった。

そこまではいいとしよう。

・・・問題は、お母さま。

あの人、性格クs・・・なのに、顏だけは前世の母に似ているのだ。

あの顔で暴力ふるってるところとかを見ると、割と傷つく。主に心が。

だから、できるだけ避けて、夕ご飯は一緒だから食べず、朝早くに学校に行く。

母が暴力をふるっていたことは知っているけど、誰に振るってたっけ・・・?

これまた記憶が抜き取られている感じ。

不思議だな・・・まあともかく、いつか私はあの屋敷から抜け出す。

庶民街にでも行って、働けるのならば、それ以上は望まなかった。

お母さん・・・

唯一の幸せな思い出だ。

・・・なんだか、思い出しちゃったなあ。

私は声を押し殺して泣いていた。
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