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序
零
しおりを挟む---俺が生まれ変わっても·····
また好きになってくれる····?
か細い声で泣きそうな最後の彼の声が忘れられない。
耳からこびり付いて離れない。
「なるに決まってるじゃん!」
真っ白い病室で心電図の音と酸素の音が聞こえる中、私の返事を聞く前に彼は呼吸と心臓の動きを止めた。
グレーのニット帽。
やつれて青白い顔。
すっかり細くなった腕。
最期に握りしめた手の力は殆ど入っていなかった。
「午後18時12分。ご臨終です」
彼が亡くなった日は
私の誕生日だった。
【死に別れた彼と私と異界の彼】
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