物理最強信者の落第魔法少女

あげは

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収穫

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 探索を始めてからおよそ二時間くらい経っただろうか。
〈転身〉した上身体強化五割ほど掛けて早足で探索しているから、すでに半分程は探索が終わった。
 それまでに隠し通路は見つからず、ひたすら現れる”侵略者”を倒しては素材を拾うことを繰り返していた。
 しかし、一つ気がかりなことがある。

「……なんで海藻しか出てこないの? もっと魚とか貝とかあるじゃない。海と言えばそういうものじゃない」

「海藻だって立派な海産物じゃないか。コンブもワカメも美味しそうだよ。良いダシがとれそうだ。ほら、そうこう言っているうちに次の食材が来たよ」

「食材って言うと危機感なくなるからやめてくれる? 次は……またコンブね。そんなにダシばかりあっても困るわよ」

「アリスはまだまだだね。料理によっては『ダシが命!』というものもあるんだ。いくらあっても困るものではないよ」

 ミルフィの言うことを聞き流し、銛代わりの槍を一閃。
 植物型の”侵略者”を軽々と倒し、ドロップしたコンブを拾う。
 これ以上増えるようなら、どこかに売ろうかしら。
 そんなことを考えているとミルフィが嬉しそうな声を上げた。

「アリス! 来たよ! これは大物だ!」

「そんなこと言って、またコンブじゃ……エビだぁぁぁ!!」

 嬉しさのあまり大声を上げてしまった。洞窟内に私の声が反響する。
 しかし、そんな些細なことに構ってはいられない。目の前にご馳走があるのだから!
 しかもかなり大きい個体だ。両手の鋏を鳴らし、二本の細い足で歩いている。

「これだけ大きいエビは珍しいね。街でもあまり見かけないんじゃないかな。これは逃せないね」

「ええ。ここまで海藻で我慢してきたかいがあったわ!」

 おそらく、今の私たちは猟奇的な目をしていたのだろう。目の前の大きなエビが怯み後ずさりした。
 そしてそのまま私に背を向け、一目散に逃げだした。

「逃がすかっ――!」

 ブォン!
 という音が耳を刺激し、投擲した槍がエビの背に突き刺さった。
 その場に槍を残しエビの”侵略者”は消え、地面には三十センチくらいのビックサイズのエビがドロップしていた。
 即座に槍とエビを回収し、ほくほく顔で私たちは帰ろうとした。

「――はっ! なんで帰ろうとしてるのよ。目的は食材採集じゃないわ。ダンジョンの探索よ」

「すっかり忘れていたよ。こんな大きなエビを確保して満足してしまったみたいだ。思い出したついでに、近くに魔力反応が多数。少し先の十字路を曲がった小部屋に集まっているみたいだね」

「集まってる? 奇妙ね、”侵略者”が一か所に集まってくるだなんて。とりあえず確認してみましょうか」

「気を付けた方が良いよ。このダンジョンでは滅多にない強力な魔力を感じる。変異種か、もしくは未確認種か。警戒は怠らないようにね」

 ミルフィの警告に頷き、私はその小部屋へと向かった。



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