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幻のランチタイム
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翌日、当たり前のように登校した。
可笑しなことに普段通ってる時より早い時間に学校にいる俺。
遅刻やサボり、早退は常連。
そのツケが春休みに回ってきたって訳だ。
朝、職員室で担任に課題をもらい、教室で解く。
夕方、担任が声を掛けてくるまでとにかくやるしかねえ。
今回で2度目となる補講もパワーアップしやがって課題数も倍。
俺に面と向かって言えない各教科連中はここぞとばかりに復讐か?
とにかく時間をフルに使わねえとこなせない状況だ。
こんなことやらねえと言ってしまえばそれまでだが、教師らと顔を合わせないならこっちの方がマシ。
ただ学校に来て課題をやればいいんだからな。
とにかく昨日と同様、教室で一人、課題を進めていた。
そんな調子で2時間を経つ頃には腕がおかしくなってくる。
何せ漢字の書き取りを1日1000字だとか、英語の辞書のアルファベットAの単語を全部書き出せとか、歴史の年表を作れだので書くことばっかを強要される。
数学や化学は頭を使う計算式ばかりで解けないからこっちを優先してるだけってヤツでさすがの俺も腕が痛くなる。
休む時間も無いからただやってるが当然ペースは落ち気味。
字はヘロヘロで苛立ちと歯がゆさの中、痛みは増してきやがる。
そんな状態の中、そろそろ昼になろうとしていた。
突然、教室の後方で戸が開く音が響き渡った。
ガラッ…という音を耳にしたがそっちを見る余裕が無い。
ふと近くに誰かが近寄る気配。
何だ……? と振り返えれば女が居た。
昨日出会った髪を2つに束ねた制服のあの勘違い女が……!
「何だよ、お前?」
驚きながら睨みつける。
「もうすぐお昼でしょ? 休憩よ、休憩」
女は後ろに隠していたものを差し出し、にっこりと笑った。
手には弁当袋と水筒がぶら下がっている。
「あ……?」
呆気に取られていると女は近くの机を移動させ、弁当を広げ始めていた。
「クスクス。やだ。昨日言ってたお礼よ、お礼。……はい」
言いながら水筒のお茶を注いだカップを差し出す。
「お昼になったし、御飯食べよう、ね?」
正面の時計を確認している隙に強引に箸を握らされる。
女もいただきますと呟いた後、パクパクと並べた弁当を食べ始めた。
「あっ、味の保証はしないからね」
女は食べながら箸の進まない俺にそう言い放つ。
呆然としたまま、現状を傍観。
目の前で起こっている出来事に何が何だか分からなかった。
片手にお茶、片手に箸を握らされた状態で向かい合わせで女が飯を食っている。
「早く食べないと休む時間が無くなっちゃうよ?」
その言葉で我に返り、掛時計を見ると5分は経過していた。
ホントのところ昼にコンビニへ行くのは結構大変だった。
移動して飯を食うだけに費やされ、ゆっくりと休憩という休憩はとれない。
それなのに今は目の前に飯がある。これを食うのに15分もかからない。
残りの時間はゆっくり休めるという計算になる。
「お礼なんだから食べてよね」
ほぼ強引に女は俺の口におにぎりを押し込んでくる。
止めろと怒鳴ろうとしたが口が塞がっていたのもあるし、それより何より口に含んだおにぎりのせいだ。
何だ、これ。懐かしいような……?
それから夢中で飯を頬張っていた。女も負けじと食う。
あっという間に完食。自分でも信じられない行動力。
「良かった。不味くはなかったみたいね」
女はいそいそと空になった弁当箱を片付けた。
「それじゃぁ、ね。私、昼から部活なの」
用事を済ませたといった感じで女は教室を抜け出した。
俺は今の出来事が夢か幻ではないかと感じた。
そんな風に思える一瞬の出来事でぼんやりとしたまま過ごした残り時間を終えた。
可笑しなことに普段通ってる時より早い時間に学校にいる俺。
遅刻やサボり、早退は常連。
そのツケが春休みに回ってきたって訳だ。
朝、職員室で担任に課題をもらい、教室で解く。
夕方、担任が声を掛けてくるまでとにかくやるしかねえ。
今回で2度目となる補講もパワーアップしやがって課題数も倍。
俺に面と向かって言えない各教科連中はここぞとばかりに復讐か?
とにかく時間をフルに使わねえとこなせない状況だ。
こんなことやらねえと言ってしまえばそれまでだが、教師らと顔を合わせないならこっちの方がマシ。
ただ学校に来て課題をやればいいんだからな。
とにかく昨日と同様、教室で一人、課題を進めていた。
そんな調子で2時間を経つ頃には腕がおかしくなってくる。
何せ漢字の書き取りを1日1000字だとか、英語の辞書のアルファベットAの単語を全部書き出せとか、歴史の年表を作れだので書くことばっかを強要される。
数学や化学は頭を使う計算式ばかりで解けないからこっちを優先してるだけってヤツでさすがの俺も腕が痛くなる。
休む時間も無いからただやってるが当然ペースは落ち気味。
字はヘロヘロで苛立ちと歯がゆさの中、痛みは増してきやがる。
そんな状態の中、そろそろ昼になろうとしていた。
突然、教室の後方で戸が開く音が響き渡った。
ガラッ…という音を耳にしたがそっちを見る余裕が無い。
ふと近くに誰かが近寄る気配。
何だ……? と振り返えれば女が居た。
昨日出会った髪を2つに束ねた制服のあの勘違い女が……!
「何だよ、お前?」
驚きながら睨みつける。
「もうすぐお昼でしょ? 休憩よ、休憩」
女は後ろに隠していたものを差し出し、にっこりと笑った。
手には弁当袋と水筒がぶら下がっている。
「あ……?」
呆気に取られていると女は近くの机を移動させ、弁当を広げ始めていた。
「クスクス。やだ。昨日言ってたお礼よ、お礼。……はい」
言いながら水筒のお茶を注いだカップを差し出す。
「お昼になったし、御飯食べよう、ね?」
正面の時計を確認している隙に強引に箸を握らされる。
女もいただきますと呟いた後、パクパクと並べた弁当を食べ始めた。
「あっ、味の保証はしないからね」
女は食べながら箸の進まない俺にそう言い放つ。
呆然としたまま、現状を傍観。
目の前で起こっている出来事に何が何だか分からなかった。
片手にお茶、片手に箸を握らされた状態で向かい合わせで女が飯を食っている。
「早く食べないと休む時間が無くなっちゃうよ?」
その言葉で我に返り、掛時計を見ると5分は経過していた。
ホントのところ昼にコンビニへ行くのは結構大変だった。
移動して飯を食うだけに費やされ、ゆっくりと休憩という休憩はとれない。
それなのに今は目の前に飯がある。これを食うのに15分もかからない。
残りの時間はゆっくり休めるという計算になる。
「お礼なんだから食べてよね」
ほぼ強引に女は俺の口におにぎりを押し込んでくる。
止めろと怒鳴ろうとしたが口が塞がっていたのもあるし、それより何より口に含んだおにぎりのせいだ。
何だ、これ。懐かしいような……?
それから夢中で飯を頬張っていた。女も負けじと食う。
あっという間に完食。自分でも信じられない行動力。
「良かった。不味くはなかったみたいね」
女はいそいそと空になった弁当箱を片付けた。
「それじゃぁ、ね。私、昼から部活なの」
用事を済ませたといった感じで女は教室を抜け出した。
俺は今の出来事が夢か幻ではないかと感じた。
そんな風に思える一瞬の出来事でぼんやりとしたまま過ごした残り時間を終えた。
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