UNLUCKY?

おりのめぐむ

文字の大きさ
8 / 49

不純な教師との関わり 5 ~避けたい井戸端会議~

しおりを挟む
「あら、未来ちゃん。今、学校の帰り?」

 集合住宅住まいの私は井戸端会議中の奥様連中と出くわしてしまった。

「はい。こんにちは」

 よりにもよって会いたくもない人たちと。

「まあ、さすが特待生として通ってるだけあって手ぶらでいいのねぇ」

 うう、よりにもよってこんな最悪な状態の時に。
 手ぶらに上履き、まさにあり得ない姿。

「ホント、未来ちゃんはうちの子と違って優秀だから」

 何かを探るように痛いほどの視線が突き刺さる。
 おかしな様子をどう聞きだそうか考えてるようにも見える。
 そうなると早くトンズラするのに限る。

「それじゃあ失礼します」

 何事もなかったかのようにいつもの私でご挨拶。
 だけど、少し離れたところで奥様方のひそひそ声が響く。
 明らかに私の噂してるんだろうな。
 もういい加減慣れたけどうっとおしい。
 まあここに住んでる限りは噂のネタのひとつなんだろうけどさ。
 ため息一つこぼすと上履きを脱ぎ、玄関を上がる。
 小さくただいまと声をかけて自分の部屋へと移動。
 制服を着替えると椅子に座り、本を広げる。
 ダメだ、今日は集中して読めない。
 先程の奥様連中の様子が目に浮かぶ。
 本を閉じると深いため息をついた。
 私の家はごくごく平凡な家庭。
 だけど鳶が鷹を生んじゃったらしくその能力を小さい頃から発揮していた。
 ハハさんは最初は信じてなかったらしく、まだまともだった。
 だんだんと周囲からおだてられ、ちやほやされてからというもの徐々に変わっていった。
 私はそういう状況を冷静に眺めつつも期待に応えてしまっていた。
 冷静沈着な天才少女。
 中学に入ってからはさらに広い地域まで私の噂が広まった。
 もちろんそれをやっかむ人たちもいたりした。
 頭はいいけど運動ができない。
 頭はいいけど美人じゃない。
 そして極め付けが徳栄に入ったことで悪評へとすり替わる。
 私はどう言われようが大して気に留めない。
 称賛された頃も気に留めてなかったからプラスマイナスゼロだってこと。
 けど、ハハさんは違った。
 専業主婦の彼女は今だって家にいるはず。
 なのに帰ってきた私を避けている。
 期待が大きかった分、失望も大きいようだ。
 もともと自らが原因を作ったのにそれすら直視できない。
 一番タチが悪いパターン。
 チチさんも誰を責めるということなく味方するでもない。
 一緒に住んでるんだけどバラバラな家庭へと変貌していった。
 これも仕方のないことだし、どうしようもない。
 私はベッドへ移動するとゴロンと寝転び、目をつぶる。
 いろいろありすぎて何だか疲れたかも…。
 そう思うと次第に意識が遠のいていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

処理中です...