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不審な特別指導と講師 1 ~朝の挨拶~
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いつもと違う寝心地。
だけど肌触りがよくってちょうどいい弾力。
「…ん?」
寝起きの視界に入ってくるのはぼやけた背面。
見慣れない風景。
ぼんやりとした頭で思考を凝らす。
…ってそうか、ここ私の部屋じゃないんだっけ?
そうそう、ここは特別施設とやらの寝室だ。
で、昨日、ベッドに入って眠ったんだった。
クイーンサイズの巨大ベッドを独り占めにして。
幅広くて余裕なのにいつものくせで左端に寄って寝てる私。
今何時だろう?
そう思って寝返りを打った瞬間、何かの物体に気づく。
はっきりと見えないけど、人らしき塊。
それも一緒に横たわっている様子。
ま、まさか!!
恐る恐る近づくと、や、やっぱり!!
同じパジャマ姿でこっちに顔を向けた、た、高山!!
「…な、何で?!」
驚きながら後ずさる。
何で高山が同じベッドの上にいるのさ!!
昨日は確かに一人だったはずなのに!?
と、ゆっくり動く気配がする。
「おはよう、倉持」
そう声が響いてきて近づいてくる雰囲気。
何せベッドサイドのテーブルに眼鏡を置きっぱなしの裸眼のため、視界がはっきりしない。
ボサボサの髪をした高山が判った時には至近距離だった。
「…な、何で高山が一緒に寝てんのよ?!」
間近にある顔に向かって問いかける。
つーか、覚えてる限りでは寝室に入ってくる高山を追い出し、中から鍵をかけて、それでも気になったからしばらく起きて構えてた…はず。
忍び込む気配もないし、ベッドの弾力が心地良かったんでいつのまにか寝ちゃったんだろうけど?
そんな風に考えていると突然チュッと唇に軽い音が。
「…ん、げっ!?」
どさくさにまぎれて今、何をした?
「朝の挨拶」
にっこりと微笑む高山。
「…挨拶だとぉ?」
「そ、オレが寝る前にもしたのも、気づかなかった?」
何だとぉ? このヤロー、寝る前にも同じ事したのか?!
「挨拶は最低限の礼儀だよな? 返さない倉持が悪い」
「はぁ?」
「言葉で返ってこないから違う方法をとってみただけ」
悪びれた様子も無くいけしゃーしゃーと述べる。
…って今はともかくとして、高山が寝る前ってことは私はもしかして爆睡中だったとか?
そんな状態で声をかけられてもおやすみ…なんて返せるわけないだろ!!!
いや、それより何で高山がここにいるんだっつーの!
「それにしても素顔の倉持も可愛いよな?」
寝起きで裸眼の私の顔に再び顔を近づける高山。
その手には乗るか!
と、枕を掴み、間に割り込ませた。
いとも簡単に何度も奪われてなるものか!
しかも今回で2回目だぞ、ふざけやがって!
「さて、起きるかな」
枕に阻止された高山は諦めた様子でベッドから降り、部屋を出た。
てか、おい! 答えが出てないじゃんか!
パタンと閉まるドアの音に舌打ちした。
そしてクリアな視界を求めてサイドテーブルの眼鏡を握る。
かけようと持ち上げた時、何かが当たって床に落ちる感じがした。
気になってベッドから降り、床を探る。
すると、金属っぽい何かが当たる。
「そうか!」
確認するとそれは鍵だった。
つーことは高山のヤツ、これで入ってきやがったのか?
ふふ、今夜は阻止してやるぞ。
私はほくそ笑むと鍵を握り締め、カバンの中にそれをしまうと素知らぬ顔で部屋を出た。
高山のヤロー、ざまあみろだっ!!
朝からしてやったりの気分になったのはいうまでもない?
だけど肌触りがよくってちょうどいい弾力。
「…ん?」
寝起きの視界に入ってくるのはぼやけた背面。
見慣れない風景。
ぼんやりとした頭で思考を凝らす。
…ってそうか、ここ私の部屋じゃないんだっけ?
そうそう、ここは特別施設とやらの寝室だ。
で、昨日、ベッドに入って眠ったんだった。
クイーンサイズの巨大ベッドを独り占めにして。
幅広くて余裕なのにいつものくせで左端に寄って寝てる私。
今何時だろう?
そう思って寝返りを打った瞬間、何かの物体に気づく。
はっきりと見えないけど、人らしき塊。
それも一緒に横たわっている様子。
ま、まさか!!
恐る恐る近づくと、や、やっぱり!!
同じパジャマ姿でこっちに顔を向けた、た、高山!!
「…な、何で?!」
驚きながら後ずさる。
何で高山が同じベッドの上にいるのさ!!
昨日は確かに一人だったはずなのに!?
と、ゆっくり動く気配がする。
「おはよう、倉持」
そう声が響いてきて近づいてくる雰囲気。
何せベッドサイドのテーブルに眼鏡を置きっぱなしの裸眼のため、視界がはっきりしない。
ボサボサの髪をした高山が判った時には至近距離だった。
「…な、何で高山が一緒に寝てんのよ?!」
間近にある顔に向かって問いかける。
つーか、覚えてる限りでは寝室に入ってくる高山を追い出し、中から鍵をかけて、それでも気になったからしばらく起きて構えてた…はず。
忍び込む気配もないし、ベッドの弾力が心地良かったんでいつのまにか寝ちゃったんだろうけど?
そんな風に考えていると突然チュッと唇に軽い音が。
「…ん、げっ!?」
どさくさにまぎれて今、何をした?
「朝の挨拶」
にっこりと微笑む高山。
「…挨拶だとぉ?」
「そ、オレが寝る前にもしたのも、気づかなかった?」
何だとぉ? このヤロー、寝る前にも同じ事したのか?!
「挨拶は最低限の礼儀だよな? 返さない倉持が悪い」
「はぁ?」
「言葉で返ってこないから違う方法をとってみただけ」
悪びれた様子も無くいけしゃーしゃーと述べる。
…って今はともかくとして、高山が寝る前ってことは私はもしかして爆睡中だったとか?
そんな状態で声をかけられてもおやすみ…なんて返せるわけないだろ!!!
いや、それより何で高山がここにいるんだっつーの!
「それにしても素顔の倉持も可愛いよな?」
寝起きで裸眼の私の顔に再び顔を近づける高山。
その手には乗るか!
と、枕を掴み、間に割り込ませた。
いとも簡単に何度も奪われてなるものか!
しかも今回で2回目だぞ、ふざけやがって!
「さて、起きるかな」
枕に阻止された高山は諦めた様子でベッドから降り、部屋を出た。
てか、おい! 答えが出てないじゃんか!
パタンと閉まるドアの音に舌打ちした。
そしてクリアな視界を求めてサイドテーブルの眼鏡を握る。
かけようと持ち上げた時、何かが当たって床に落ちる感じがした。
気になってベッドから降り、床を探る。
すると、金属っぽい何かが当たる。
「そうか!」
確認するとそれは鍵だった。
つーことは高山のヤツ、これで入ってきやがったのか?
ふふ、今夜は阻止してやるぞ。
私はほくそ笑むと鍵を握り締め、カバンの中にそれをしまうと素知らぬ顔で部屋を出た。
高山のヤロー、ざまあみろだっ!!
朝からしてやったりの気分になったのはいうまでもない?
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