27 / 49
不安な疑惑の準備期間 7 ~事の真相~
しおりを挟む
固まっていると彼女がいきなり拝み手!
「…お、お願い。私がバイトしていること、内緒にしといて!!」
「な、内緒?」
「そう、私、無許可でバイトしてるの! だから、お願い!!」
必死で拝む関口良子。何やら訳ありみたいだ。
「いいけど…?」
「ホントに? ありがとう。良かった。安心した…。それじゃ」
安堵の顔になり、そのまま去ろうとする彼女。
「え? それだけ?」
拍子抜けして思わず引き留めてしまう。
「うん。それだけだよ? どうして?」
「・・・別に何でも」
関口良子はきょとんとした様子でそれ以上の言及はなさそうだ。
それじゃあ、妙に避けてた理由ってこれだけなの? ばらされたらどうしよう、的な?
一緒にいた高山のこと、何とも思ってないわけってこと?
「…そういえばあの日の倉持さん、別人みたい、だったな」
安堵しかけたその時、彼女は思い出したかのように呟く。
「あ、悪い意味じゃないよ。普段と違ってて驚いちゃった。しばらく誰だか判らなかったもの。眼鏡をじっと見てたら、ああ、倉持さんだって。全然気づかなかったもの」
あの日の私は自身だって別人だって思えたからそうだよね。
「清楚な感じだなぁって見とれちゃったから頭の中が真っ白になっちゃって…」
パニックになったと笑う彼女。
あの動揺の根底はそれなの?
「そしたら高山先生も居たから更に混乱しちゃって。…どうしようって」
当時を思い出したらしく、自分を抱きしめるように両手を掴む。
「まさか先生が来るとは思ってなかったからばれたって焦っちゃって。でも見なかったことにしてくれるって約束してくれたから助かったんだ」
関口良子とそんな裏取引をしてたのか、あいつめ。
それにしてもあの光景はどう見ても怪しく思えないのか?
「高山先生と居て変だって思わなかった?」
「撮影だって高山先生が言ってた。倉持さん、学校の代表に採り上げられてるって聞いたよ。すごいね」
さ、撮影、ねぇ…。確かにそうだけど。
つーか、彼女は私と高山のことを全く何とも思ってないってこと?
変な関係とか疑ったりしてないってこと?
噂は耳にしてないのかと思っていたら何かあったの? って不思議顔。
自分のことでいっぱいで何も知らない様子。
「ごめんね、倉持さん。昼休みに引き留めちゃって。それじゃあ」
安心したように笑顔で手を上げて去っていった彼女。
すっかり、脱力。
おかげで気の重さはいつのまにか吹き飛んでいた。
教室に戻ると噂はヒートアップしていた。
高山は婚約者である女性とデート中、盛り上がり過ぎて公園で…。
もうそこからは訳がわからない。
聞く必要も無いと教室から抜け出す。
人の噂も75日とはいうものの、内容の信憑性は疑わしい。
この学校だからこそ、想像豊かに脚色を加えてあんな風になったのかもしれない。
ともかく、今後はこんなことにならないように気をつけよう!
そう思いながら何故だか顔がにやけていた。
「…お、お願い。私がバイトしていること、内緒にしといて!!」
「な、内緒?」
「そう、私、無許可でバイトしてるの! だから、お願い!!」
必死で拝む関口良子。何やら訳ありみたいだ。
「いいけど…?」
「ホントに? ありがとう。良かった。安心した…。それじゃ」
安堵の顔になり、そのまま去ろうとする彼女。
「え? それだけ?」
拍子抜けして思わず引き留めてしまう。
「うん。それだけだよ? どうして?」
「・・・別に何でも」
関口良子はきょとんとした様子でそれ以上の言及はなさそうだ。
それじゃあ、妙に避けてた理由ってこれだけなの? ばらされたらどうしよう、的な?
一緒にいた高山のこと、何とも思ってないわけってこと?
「…そういえばあの日の倉持さん、別人みたい、だったな」
安堵しかけたその時、彼女は思い出したかのように呟く。
「あ、悪い意味じゃないよ。普段と違ってて驚いちゃった。しばらく誰だか判らなかったもの。眼鏡をじっと見てたら、ああ、倉持さんだって。全然気づかなかったもの」
あの日の私は自身だって別人だって思えたからそうだよね。
「清楚な感じだなぁって見とれちゃったから頭の中が真っ白になっちゃって…」
パニックになったと笑う彼女。
あの動揺の根底はそれなの?
「そしたら高山先生も居たから更に混乱しちゃって。…どうしようって」
当時を思い出したらしく、自分を抱きしめるように両手を掴む。
「まさか先生が来るとは思ってなかったからばれたって焦っちゃって。でも見なかったことにしてくれるって約束してくれたから助かったんだ」
関口良子とそんな裏取引をしてたのか、あいつめ。
それにしてもあの光景はどう見ても怪しく思えないのか?
「高山先生と居て変だって思わなかった?」
「撮影だって高山先生が言ってた。倉持さん、学校の代表に採り上げられてるって聞いたよ。すごいね」
さ、撮影、ねぇ…。確かにそうだけど。
つーか、彼女は私と高山のことを全く何とも思ってないってこと?
変な関係とか疑ったりしてないってこと?
噂は耳にしてないのかと思っていたら何かあったの? って不思議顔。
自分のことでいっぱいで何も知らない様子。
「ごめんね、倉持さん。昼休みに引き留めちゃって。それじゃあ」
安心したように笑顔で手を上げて去っていった彼女。
すっかり、脱力。
おかげで気の重さはいつのまにか吹き飛んでいた。
教室に戻ると噂はヒートアップしていた。
高山は婚約者である女性とデート中、盛り上がり過ぎて公園で…。
もうそこからは訳がわからない。
聞く必要も無いと教室から抜け出す。
人の噂も75日とはいうものの、内容の信憑性は疑わしい。
この学校だからこそ、想像豊かに脚色を加えてあんな風になったのかもしれない。
ともかく、今後はこんなことにならないように気をつけよう!
そう思いながら何故だか顔がにやけていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる