前世粗チンの俺が勇者の引き立て役で殺される巨根オークに転生した話

揚惇命

文字の大きさ
18 / 23
一章 町外れの教会編

新たに加わった者たちの顔合わせ

しおりを挟む
 俺が洞窟に連れ帰ったオークたちは人間のクレアを見て、直ぐに臨戦態勢になったのだが。

「皆様、大変お疲れでしょう。夫の無茶に付き合い、こんなところまで足を運んでくださりありがとうございます。私はここの領主グリムバッシュの妻で、クレアと申します。見ての通りシスターです。訓練などで傷付いたら遠慮なくお越しください。ほら、レアリムも挨拶なさい」

「いーでしゅ!かかしゃまのことをにらむオークなんて、なかまじゃないでしゅ!」

 レアリムの言葉に俺が連れてきた全員が驚く。
 それもそのはずレアリムはこの通りオークなのだ。
 人間からオークが産まれるなんて常識、この世界にない。

「驚くのも無理はない。人間の女性ゆえオーク女性のように多産ではないが俺との間に既に二頭産まれている」

「お、俺たちの仲間を増やしてくれてるなら良い人ってことだろ。あんまり気にすんなよ。それに俺たちが付いてくって決めたのは、領主様だろ?なら、領主様がこの人間は安全だって言ってんだ。なんの問題もねぇだろ」

 プリティを守ると誓ったカウワードの目にもう迷いはない。

「ぷ。プリティです。よ、よろしくお願いしますく、クレアさん」

「はい。よろしくお願いします。プリティさん。可愛い名前ですね」

「うん。私、可愛いのが好きなの」

「そうなのですね。可愛いは正義ですものね。うちで可愛いものと言ったらやっぱりカログ君ですね。ご飯の時のモグモグがほっぺ一杯に頬張って、小動物のように可愛いんですよ」

 我が推しのクレアはプリティとカログの話で打ち解けられたようだ。
 このままカログとプリティがエッチするようにアシストを頼む。
 我がブランシス村は、まだまだ人手が足りないのだ。
 ブランシス村というのは、この洞窟の新しい名前だ。
 ブラザーアンドシスターから兄弟姉妹と共に知恵を絞り出し、俺が提案したスタンドブラ村とカログのブランシス村で決選投票が行われ、カログのブランシス村が選ばれた形だ。
 そこにタイミングを見計らったかのように兄弟姉妹たちが現れた。

「ようこそ、ブランシス村へ。軍師兼畑の管理人カログです。お見知り置きを」

「この国の防衛担当のズゴッグだ。宜しくな」

「ちょっとズゴッグ!アンタね。まだ国じゃないでしょ!村よ村!このガサツな奴に百戦百勝中の元帥のナユルよ。宜しく~」

「非戦闘員のケアが中心で、内政担当のナユルです。グリムバッシュ兄様が居ない間の全権を委任されてます。宜しくね」

 皆の挨拶を受けて、今度は俺が連れてきたオークたちが挨拶をする。

「丁寧な挨拶、痛み入る。俺の名はカウワード・ネイバー。隣洞窟村の出身で、生き残りだ。領主様の御言葉に心打たれ、この村へと移住を決めた。こちらは」

「妹のプリティ・ネイバーです。兄共々、こちらで厄介になります。宜しくお願いします」

「「「「「俺たちは」」」」」

「長男のデンタ」

「次男のクンタ」

「三男のノンタ」

「四男のボンタ」

「五男のウンタ」

「「「「「とう!五頭揃って、『デクノボウ』とは俺たちのことだい!」」」」」

 彼らも両親や仲間たちを無惨に殺され、自分たちのことも何もできない木偶の坊だと嘆いていたところを勧誘した。
 名前は何にしたいと聞いたらデ・ク・ノ・ボ・ウだからその名前を刻んでおきたいと言われ、しきりにポーズを決めたりするのが某アニメの特戦隊に似ていたので、俺が口にしたらこの名前になった。
 登場からポーズにまで拘る様はまさにデクノボウ特戦隊と言えなくもない。

「長女のチョコでぇ~す」

「次女のアイスでぇ~す」

「三女のケーキでぇ~す」

「四女のクレープでぇ~す」

「五女のパフェでぇ~す」

「「「「「五頭揃って、人間の国の甘いものが食べてみたい女子でぇ~す」」」」」

 彼女たちは、そのなんだ。
 うん、可愛い名前が良いと言われ、人間の国にある甘いものが女の子っぽい名前になるかと口にしたらこうなった。
 洞窟の中で肩を寄せ合い震えているところを勧誘した。

「長男のセンチルだ」

「長女のメルルよ」

「次男のメタル」

「次女のチルルです」

 この4人兄妹は、長男と長女、次男と次女がカップル同士だ。
 生き残った経緯は、襲撃の日外回りを担当していたそうで、被害を免れたそうだ。
 外回りを終えて洞窟に帰って、その凄惨さに嗚咽し、ずっと悲しみと切なさを抱いていると言っていたのが印象的で俺がセンチメンタルだなと言ったのを名前に取り入れたいとなり、こういう名前になった。

「ようやく、私たち姉弟の出番のようだな。私はマーベル・クローズ。元いたチカクノ洞窟では、指揮官を務めていた。仲間たちをおめおめと目の前で殺され、生き恥を晒した後悔をここで晴らしたいと思う。宜しく頼む」

「はぁ。俺の名は、ストロング・クローズ。元いたチカクノ洞窟では姉共々、指揮官として武を奮っていた。腕に覚えはある方だと自負している。皆と共に第二の故郷となるこのブランシス村を守って行きたいと考えている」

 俺のこの近辺での捜索で、最も大きな収穫は彼らだと言える。
 父は、近くに規模の大きい洞窟を配置し、遠くなるにつれて、規模が小さくなり、1番遠いところは10頭規模のオークしか存在せず、それらは何れも全滅だった。
 その1つであるチカクノ洞窟には、武に長ける者がたくさんいたようで、中でもこの姉弟は上位から数えて5本の指に入る腕前だそうだ。
 ズゴッグやナユルとタメを張れると期待している。
 それでいて常識人であり、紳士的でもある。
 彼らと出会った時、生きているのが奇跡だと思った。
 槍で貫かれていて、もうダメだと思ったが2人とも息があるのを確認した。
 かなりの時間が経っているはずなのに、お互いが布みたいなので、槍ごと縛って血を止めていたのだ。
 粗末原猛として、現代知識のあった俺は、2人を応急処置して、是非仲間になってほしいことを告げた。
 2人とも今すぐに復讐という感じではなく冷静に俺の言葉を受け止め、俺の覚悟に胸を打って、付いてきてくれた。
 これで、かなりの数のオークを確保できた。
 俺が居なくても魔物の襲撃程度ならなんとかできるだろう。
 俺は、優秀な兄弟姉妹と新しく仲間になってくれたオークたちに任せ、次なる人材を確保するため、遠征へと踏み出すのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件

月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ! 『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』 壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

処理中です...