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二章 大王烏賊編
アクアマリンシティの冒険者ギルド
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俺は色街の方とは反対側にある冒険者ギルドへと向かった。
余計な時間を取られたが渚・カトリーヌ・明日香はいるかな?
それにしてもオークの冒険者か。
やっぱりファンタジー世界なんだし冒険者は選択肢として欠かせないよな。
冒険者ギルドの扉を開けるとカランコロンと鳴る。
人が入って来たことが分かるようにだ。
俺の姿に中に居た冒険者たちが一斉にこちらを見るが驚いただけで別段気にする事はない。
それもそのはず、冒険者とは自由なのだ。
俺も気にせず受付へと向かう。
「冒険者カードは、お持ちでしょうか?」
受付の人魚のお姉さんがこちらをみて事務的に対応してくれる。
「持ってないです。冒険者登録をしたくて」
「そうなんですね!嬉しいです!この街に来てくれる旅の人の多くが色街に向かわれる方が多くて!久々の冒険者登録者さんだ!」
さっきまでと違って、めちゃくちゃ嬉しそうに破顔している。
ドキッ。
このギャップ、ちょっと可愛いじゃねぇか!
この魚人の女、食うか、ジュルリとは流石に俺もならない。
が、ギャップ萌えしたのは、嘘じゃない。
「では、御名前をお伺いしますね」
「グリムバッシュです」
「ほえ~カッコ良くて強そうな御名前ですね~。グリムバッシュさんと。年齢と性別もお伺いして構いませんか?」
「はい。年齢は」
俺は少し悩んだ。
オークでいうと年齢は、一歳そこそこだが馬鹿正直に答えるわけにはいかない。
人間でのこの世界での成人年齢である18歳にするか。
それとも粗末原猛が死んだ時の年齢である26歳にするか。
「どうかされましたか?もしかして、訳ありですか?」
「いえ!そうじゃなくて、自分の年齢なんて気にしたことが無くて、何歳だったかなと」
「そ、そうなんですね。それは、もう生き様が冒険者ですね!カッコいいです!年齢なんて、大体で大丈夫ですよ。登録に必要ってだけで、誰かに咎められたりとかしませんし」
なんか知らないがこの人魚の受付嬢さんには、かなり好感触のようだ。
「では、26歳の男性でお願いします」
「はい。これにて登録完了となりますが最後に確認のため復唱させてもらいますね。お名前はグリムバッシュさん。年齢は26歳。性別は男性でお間違えないでしょうか?」
「はい!」
「では、これで登録完了となります!素敵な冒険者ライフをお送りくださいグリムバッシュさん!」
本当に嬉しかったのだろうとびっきりの笑顔を向けてくれる人魚の受付嬢。
「あっ!私としたことがいけないいけない。説明を忘れるところでした。グリムバッシュさんの冒険者ランクはGからのスタートとなります。最初は採取クエストがオススメですよ。では、アクアマリンシティ冒険者支部受付担当のサファイアでした!素敵な冒険者ライフを!」
サファイアって名前なのかこの人魚。
「あっ!僕も聞きたいことがあったんですが忘れてました」
「ふふふっ。なんでもどんとこいです!」
ここで馬鹿正直に渚・カトリーヌ・明日香が冒険者に居るか尋ねた場合のシミュレーションをしてみよう。
渚・カトリーヌ・明日香が冒険者として有名人だった場合、サファイアは新人の俺とどういった関係なのか聞いてくるだろう。
それに人のプライバシーを簡単に教えるとも思えない。
だから、これは悪手だ。
ここは。
「この辺りで大王烏賊が出没するという噂を聞いたのですが本当でしょうか?」
「く、クラーケンがですか!?そんなのが現れたら冒険者総出で対応にあたることになりますよ!その噂を流したのは何処のどいつですか!?」
「何処だったかなぁ。ここまでくる途中の何処かの酒場だったんですが」
「そうですか。さては、アクアマリンシティ冒険者支部を貶めようとする不埒な輩の仕業ですね!そんな噂に惑わされてはなりませんよグリムバッシュさん!」
「は、はい!」
どうやら、まだ大王烏賊は、この近辺に現れていないようだ。
それだけわかれば、今は良い。
ここに定期的に顔を出して、ゆっくりと渚・カトリーヌ・明日香を探しながら冒険者ランクを上げることに全力を注ごう。
「では、採取クエストにはどんなのがありますか?」
「やる気満々ですね~。良いですよグリムバッシュさん!それでこそ冒険者です!そうですね~。簡単なのだと真珠取りでしょうか?」
はっ?
真珠取りって、俺に何やらせようとしてんだよ!?
「冗談ですよ~。そんな怖い顔しちゃ嫌ですグリムバッシュさん。アクアマリンシティに入る時に通った水のトンネルを通って、外に出ていただき、すぐ近くに群生している薬草の採取ですかね。こちら薬草の状態や数に応じて、報酬が変わりますので、張り切って取ってきてくださいね!」
「はい!」
それは、採取クエストを受けるたんびに外に出ないといけないってことか。
そう考えるとあの色街へと入る人を警戒していた魚人の男性がそっちメインだと思ったのも無理はないか。
冒険者にとって、こんなに面倒な採取クエストは無いだろう。
それに性病検査を無理矢理受けさせられたにも関わらず色街を見学せずに外に出て、もう一度あの魚人に捕まって、性病検査を受けさせられるのもなぁ。
それもなんか癪だし、一度色街の方も覗いておくか。
確か、俺がゲームでアクアマリンシティを訪れた時、色街なんてなかったはずなんだよなぁ。
それがあるって事は、何かあるって事かもしれないし。
何処にタールマ帝国打倒のピースがあるか分からないし、覗くだけならタダだしなぁ。
何もなけりゃ、冒険者ランクを上げることを優先すれば良いだけだ。
良し。
俺は、そう考えをまとめると色街へと向かうのだった。
余計な時間を取られたが渚・カトリーヌ・明日香はいるかな?
それにしてもオークの冒険者か。
やっぱりファンタジー世界なんだし冒険者は選択肢として欠かせないよな。
冒険者ギルドの扉を開けるとカランコロンと鳴る。
人が入って来たことが分かるようにだ。
俺の姿に中に居た冒険者たちが一斉にこちらを見るが驚いただけで別段気にする事はない。
それもそのはず、冒険者とは自由なのだ。
俺も気にせず受付へと向かう。
「冒険者カードは、お持ちでしょうか?」
受付の人魚のお姉さんがこちらをみて事務的に対応してくれる。
「持ってないです。冒険者登録をしたくて」
「そうなんですね!嬉しいです!この街に来てくれる旅の人の多くが色街に向かわれる方が多くて!久々の冒険者登録者さんだ!」
さっきまでと違って、めちゃくちゃ嬉しそうに破顔している。
ドキッ。
このギャップ、ちょっと可愛いじゃねぇか!
この魚人の女、食うか、ジュルリとは流石に俺もならない。
が、ギャップ萌えしたのは、嘘じゃない。
「では、御名前をお伺いしますね」
「グリムバッシュです」
「ほえ~カッコ良くて強そうな御名前ですね~。グリムバッシュさんと。年齢と性別もお伺いして構いませんか?」
「はい。年齢は」
俺は少し悩んだ。
オークでいうと年齢は、一歳そこそこだが馬鹿正直に答えるわけにはいかない。
人間でのこの世界での成人年齢である18歳にするか。
それとも粗末原猛が死んだ時の年齢である26歳にするか。
「どうかされましたか?もしかして、訳ありですか?」
「いえ!そうじゃなくて、自分の年齢なんて気にしたことが無くて、何歳だったかなと」
「そ、そうなんですね。それは、もう生き様が冒険者ですね!カッコいいです!年齢なんて、大体で大丈夫ですよ。登録に必要ってだけで、誰かに咎められたりとかしませんし」
なんか知らないがこの人魚の受付嬢さんには、かなり好感触のようだ。
「では、26歳の男性でお願いします」
「はい。これにて登録完了となりますが最後に確認のため復唱させてもらいますね。お名前はグリムバッシュさん。年齢は26歳。性別は男性でお間違えないでしょうか?」
「はい!」
「では、これで登録完了となります!素敵な冒険者ライフをお送りくださいグリムバッシュさん!」
本当に嬉しかったのだろうとびっきりの笑顔を向けてくれる人魚の受付嬢。
「あっ!私としたことがいけないいけない。説明を忘れるところでした。グリムバッシュさんの冒険者ランクはGからのスタートとなります。最初は採取クエストがオススメですよ。では、アクアマリンシティ冒険者支部受付担当のサファイアでした!素敵な冒険者ライフを!」
サファイアって名前なのかこの人魚。
「あっ!僕も聞きたいことがあったんですが忘れてました」
「ふふふっ。なんでもどんとこいです!」
ここで馬鹿正直に渚・カトリーヌ・明日香が冒険者に居るか尋ねた場合のシミュレーションをしてみよう。
渚・カトリーヌ・明日香が冒険者として有名人だった場合、サファイアは新人の俺とどういった関係なのか聞いてくるだろう。
それに人のプライバシーを簡単に教えるとも思えない。
だから、これは悪手だ。
ここは。
「この辺りで大王烏賊が出没するという噂を聞いたのですが本当でしょうか?」
「く、クラーケンがですか!?そんなのが現れたら冒険者総出で対応にあたることになりますよ!その噂を流したのは何処のどいつですか!?」
「何処だったかなぁ。ここまでくる途中の何処かの酒場だったんですが」
「そうですか。さては、アクアマリンシティ冒険者支部を貶めようとする不埒な輩の仕業ですね!そんな噂に惑わされてはなりませんよグリムバッシュさん!」
「は、はい!」
どうやら、まだ大王烏賊は、この近辺に現れていないようだ。
それだけわかれば、今は良い。
ここに定期的に顔を出して、ゆっくりと渚・カトリーヌ・明日香を探しながら冒険者ランクを上げることに全力を注ごう。
「では、採取クエストにはどんなのがありますか?」
「やる気満々ですね~。良いですよグリムバッシュさん!それでこそ冒険者です!そうですね~。簡単なのだと真珠取りでしょうか?」
はっ?
真珠取りって、俺に何やらせようとしてんだよ!?
「冗談ですよ~。そんな怖い顔しちゃ嫌ですグリムバッシュさん。アクアマリンシティに入る時に通った水のトンネルを通って、外に出ていただき、すぐ近くに群生している薬草の採取ですかね。こちら薬草の状態や数に応じて、報酬が変わりますので、張り切って取ってきてくださいね!」
「はい!」
それは、採取クエストを受けるたんびに外に出ないといけないってことか。
そう考えるとあの色街へと入る人を警戒していた魚人の男性がそっちメインだと思ったのも無理はないか。
冒険者にとって、こんなに面倒な採取クエストは無いだろう。
それに性病検査を無理矢理受けさせられたにも関わらず色街を見学せずに外に出て、もう一度あの魚人に捕まって、性病検査を受けさせられるのもなぁ。
それもなんか癪だし、一度色街の方も覗いておくか。
確か、俺がゲームでアクアマリンシティを訪れた時、色街なんてなかったはずなんだよなぁ。
それがあるって事は、何かあるって事かもしれないし。
何処にタールマ帝国打倒のピースがあるか分からないし、覗くだけならタダだしなぁ。
何もなけりゃ、冒険者ランクを上げることを優先すれば良いだけだ。
良し。
俺は、そう考えをまとめると色街へと向かうのだった。
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