魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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最終章 第二幕

第30話 人魔戦争(枝垂桜海洋国家編)

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「させん」
 上杉の投げた手裏剣がキャットジーの拳先を変える。
「よくやった謙三。後は俺に任せよ」
 織田がキャットジーとの距離を詰める。
「まぁ良いにゃ。こんな女いつでも殺せるにゃ。それよりもお前にゃ。お前を殺せば枝垂桜海洋国家は手中なのにゃ」
「舐めてくれるなワシが死のうとも我が臣下は誰もお前になぞ降らんよ。最後の一兵になるまで戦う。それが枝垂桜海洋国家ぞ」
「じゃあ皆殺しにすれば良いだけにゃ。問題ないのにゃ。お前を殺さた時点でお前より強い奴がいない国なぞイチコロにゃ」
「ハハハ。傲慢よな。良い。死合おうぞ」
 解放されたタイガーメイリンは上杉の元に向かう。
「謙様、もう私の前であのようなことは絶対にしないでください」
「龍女、お前も俺の前で2度と諦めた顔をするでないぞ」
「えぇ、お互い様ですわね」
「あぁ、お互い様だ。殿の戦況は?」
「凄いです。ジー様相手に互角の戦いをしている方など初めて見ました」
「殿は、国内が戦争状態であった枝垂桜海洋国家を世界と戦うために武と智を使い束ねた御方だ。我々も元は殿と敵対していた。だが殿と刃を交え殿の想いに共感し協力することを決めた。多くの血が流れたがそれと同時にかつて無いほど強大で結束力の高い国を作った。それが殿なのだ。かつて戦争していたものたちが今なら皆声を揃えて言うだろう殿のためなら死んでも良いとな」
「謙様は、織田殿が大好きなのですね」
「あぁ、女であったら殿に抱かれていたであろうな」
「まぁ、そこまで」
「同じ男として、殿に惹かれぬものなど居ないであろう」
「私も抱かれたくなりました」
「それはやめてくれ」
「冗談ですわよ」
「肝が冷えたぞ」
 織田とキャットジーは激戦を繰り広げていた。
「連続猫パンチにゃ」
「ほほぅ。鋭い拳先の数々。相当の手練れよな」
「余裕綽々と防いだのはお前が初めてにゃ」
「では、ワシも見せてやろう。剣舞8連」
 織田が剣で舞うように何度も不規則にキャットジーに斬りかかる。あまりの規則性のなさにキャットジーは困惑して、その剣舞を防ぐことができない。
「にゃんて規則性のない剣舞にゃ。とても避けきれないにゃ。ふにゃぁぁぁぁぁぁ」
「手練れに良くある事だ。規則性に沿ってるがゆえに不規則に合わせられない。お前の負けた理由だ」
「ふにゃぁ。まだにゃ。まだ死んでないのにゃ」
 起き上がったキャットジーの眼前に織田の剣舞8連がもう一度突き刺さる。それも今度は槍のように突き刺すように。
「ふにゃぁぁぁぉぁぁぉぁぁぁぁぁぁ。この俺様が負けるにゃんて、こんなの認めにゃいのにゃ。絶対に認めにゃいのにゃ」
「ジー様が負けるなんて。あの御方は一体」
「お前の愛する男の殿であり枝垂桜海洋国家の盟主ぞ」
「流石殿」
「傷だらけのお前にもう一仕事頼むがいけるな」
「殿のためなら」
「良し、このままビースト連合に逆襲を仕掛ける。者共魔法鉄鋼船に乗り込め」
「させないピョン」
「おぅ目を覚ましたか兎娘」
「ここはえっええええええジー様が負けてるピョン。アワワワワ」
「お前、ビースト連合の盟主の1人なんだろ。案内できるよな」
「いやピョン。いやピョン」
「そうか。残念だなぁ。美味しい果物があるんだがなぁ」
「案内するピョン。殿」
「良々、良い子だらん
「蘭?」
「うむ、ワシの妻の1人となるのだ。ラビットランとは言いにくいゆえな」
「良い名前ピョン。気に入ったピョン」
「後はその語尾ももうやめよ。2人の時なら良いが」
「わかりました武様」
「うむ」
 ラビットランの案内でビースト連合に乗り込んだが織田武は戦闘することはなかった。膝を降り降伏を願い出るビースト連合の若い集団。その党首と名乗った狼族の男。
「お待ちしておりました。枝垂桜海洋国家ですね。我々ビースト連合は降伏致します。俺はこの若い奴らと共にビースト連合にてクーデターを行い政権奪取を果たしたウルフメンと申します」
「ウルフメン殿、どうして降伏を?」
「我々、狼族は、吸血鬼領にもお世話になっている者がいます。それゆえかねてから獣人至上主義に異議を唱えておりました。俺は魔王の全世界同時参戦に対し、人側に付き魔王と対峙することを進言した結果罷免され。監視対象とされました。ですが若いものたちの間には他の種族と関わり合うべきだと主張するものが多くいて、大規模なクーデターとなり、俺はその指導者として、前政権を打倒したのです。それゆえ、今の我々は魔王と対峙したい者の集まり、枝垂桜海洋国家と戦う必要はないのです」
「うむ。理解した。枝垂桜海洋国家はビースト連合の降伏を認めぬ」
「えっどうして?」
「待て待て続きを聞け、我々枝垂桜海洋国家はビースト連合との対等な同盟関係を締結したい。ビースト連合は各種族の代表による共和制と聞いた各種族の代表者はこの場におるのか?」
 全員が声を揃えて、ウルフメンと言った。
「だそうだが」
「わかりました。我々ビースト連合いえ獣人王国は枝垂桜海洋国家との対等な同盟締結を致します」
「うむ。満足のいく答えを有難い。ではこれにてごめん。俺は他の同盟国の救援に赴かねばならんのだ」
「では我々も動ける者で救援に派遣致しましょう」
「ウルフマン殿、助かる」
 こうして、枝垂桜海洋国家はビースト連合改め獣人国家との対等な同盟締結を宣言し、各国への救援派遣をすることとなる。開戦して一年半後の事であった。
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