138 / 352
第四部
冥界もイベント
しおりを挟む
「その帯どめの所にある飾り物は………妖怪ですか? 」
「あぁ、これか。先日イベントやらがあったとかで、
黒谷がお土産にくれたのよ。
これは人気があるらしいの~
付けていると妖怪たちが声をかけてくる」
赤姫はキャラクターの人形を触りながら笑った。
「冥王も大好きで、
冥界ではみんなこれの話で盛り上がってますよ」
「ほお~そんなに話題なのか」
「今、トリアがこの漫画家の仕事を手伝ってるんだよね」
「お前たちはそんな仕事もしておるのか」
赤姫は驚き入る表情で頷いた。
そして思い出したのか、話し出した。
「そうじゃ。黒谷がの、この漫画のコラボとかで、
コミックフェス? とやらに弁当を出すとか言っておった」
「へっ? 」
二人は素っ頓狂な声を出すと、お互いの顔を見た。
「なんじゃ、聞いておらなんのか」
「いや、初耳だな………トリアも何も言ってなかったし」
アートンも首を傾げた。
「ただ、忘れておるだけじゃないのか? 」
「そう…なのか? 」
先程の黒谷君の様子………
ふと嫌な予感を持って、
向井はアートンの顔を見た。
――――――――
赤姫と別れた後、
「まだお昼まで時間があるから、
混雑する前になんか買って帰りますか」
とアートンの言葉で、
二人は人気のサンドイッチショップに寄った。
「ここね。この前岸本君が、
お土産で持ってきてくれたんだけど、
数が足りなくて、
安達君食べそこねて、しょげてたんだよね。
向井さんも食べてないでしょ」
「知らないなぁ~」
ショップの前に立って、お店の看板を見上げた。
「凄い人気で、
この時間なら空いてるかなと思って」
店の中で何人かお客が並んでいるが、
混雑しているというほどでもない。
「ミートと卵の量が半端なくて、
ボリュームもあって美味しいんですよ」
アートンは笑顔になると店に入った。
これはSNS向きのサンドイッチだな。
向井も笑うとアートンと何種類か選び、
多めに購入して帰った。
冥界は妖怪が増えて、
いつにもまして賑やかになっていた。
「なんか楽しそうな声が聞こえるね~」
アートンは笑いながら、
声のする休憩室に入っていった。
「サンドイッチ買ってきたよ~
安達君が食べたがっていたサンドイッチだよ」
キッチンカウンターに袋を置くと声をかけた。
「ほんと? 」
ちびっ子たちと、
スポーツゲームをしていた安達が振り返った。
「サンドイッチ? 」
チビ達も走ってくる。
寝ていた牧野もむくっと起き上がると、
「俺も食べるぞ~」
カウンターに走ってきた。
「チビども。まずはこの俺が選んでからだ」
「なんで~」
「決まってるだろう。俺の方が年上だから」
そんな事を言っている横から、
安達が袋の中を覗いて一つ持って行った。
「わらわも~」
「こんも~」
「僕も~」
キッチンは凄い状態で争奪戦になった。
「あ~あ~」
アートンがあきれ果てた顔で見てると、
「牧野君、一つだからね」
と声をかけた。
「じゃあ、僕達も食べよう。
向井さんは何飲む? 」
「ミネラルウォーター」
アートンは冷蔵庫から、
炭酸とミネラルウォーターを取り出した。
ここにきて人数も増えたので、
冷蔵庫の中のドリンクも種類が多くなった。
「あぁ、これか。先日イベントやらがあったとかで、
黒谷がお土産にくれたのよ。
これは人気があるらしいの~
付けていると妖怪たちが声をかけてくる」
赤姫はキャラクターの人形を触りながら笑った。
「冥王も大好きで、
冥界ではみんなこれの話で盛り上がってますよ」
「ほお~そんなに話題なのか」
「今、トリアがこの漫画家の仕事を手伝ってるんだよね」
「お前たちはそんな仕事もしておるのか」
赤姫は驚き入る表情で頷いた。
そして思い出したのか、話し出した。
「そうじゃ。黒谷がの、この漫画のコラボとかで、
コミックフェス? とやらに弁当を出すとか言っておった」
「へっ? 」
二人は素っ頓狂な声を出すと、お互いの顔を見た。
「なんじゃ、聞いておらなんのか」
「いや、初耳だな………トリアも何も言ってなかったし」
アートンも首を傾げた。
「ただ、忘れておるだけじゃないのか? 」
「そう…なのか? 」
先程の黒谷君の様子………
ふと嫌な予感を持って、
向井はアートンの顔を見た。
――――――――
赤姫と別れた後、
「まだお昼まで時間があるから、
混雑する前になんか買って帰りますか」
とアートンの言葉で、
二人は人気のサンドイッチショップに寄った。
「ここね。この前岸本君が、
お土産で持ってきてくれたんだけど、
数が足りなくて、
安達君食べそこねて、しょげてたんだよね。
向井さんも食べてないでしょ」
「知らないなぁ~」
ショップの前に立って、お店の看板を見上げた。
「凄い人気で、
この時間なら空いてるかなと思って」
店の中で何人かお客が並んでいるが、
混雑しているというほどでもない。
「ミートと卵の量が半端なくて、
ボリュームもあって美味しいんですよ」
アートンは笑顔になると店に入った。
これはSNS向きのサンドイッチだな。
向井も笑うとアートンと何種類か選び、
多めに購入して帰った。
冥界は妖怪が増えて、
いつにもまして賑やかになっていた。
「なんか楽しそうな声が聞こえるね~」
アートンは笑いながら、
声のする休憩室に入っていった。
「サンドイッチ買ってきたよ~
安達君が食べたがっていたサンドイッチだよ」
キッチンカウンターに袋を置くと声をかけた。
「ほんと? 」
ちびっ子たちと、
スポーツゲームをしていた安達が振り返った。
「サンドイッチ? 」
チビ達も走ってくる。
寝ていた牧野もむくっと起き上がると、
「俺も食べるぞ~」
カウンターに走ってきた。
「チビども。まずはこの俺が選んでからだ」
「なんで~」
「決まってるだろう。俺の方が年上だから」
そんな事を言っている横から、
安達が袋の中を覗いて一つ持って行った。
「わらわも~」
「こんも~」
「僕も~」
キッチンは凄い状態で争奪戦になった。
「あ~あ~」
アートンがあきれ果てた顔で見てると、
「牧野君、一つだからね」
と声をかけた。
「じゃあ、僕達も食べよう。
向井さんは何飲む? 」
「ミネラルウォーター」
アートンは冷蔵庫から、
炭酸とミネラルウォーターを取り出した。
ここにきて人数も増えたので、
冷蔵庫の中のドリンクも種類が多くなった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる