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第四部

冥王×ゾンビ

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それから数日後――――

フェスに販売する冥王×ゾンビ弁当、 

安達ヴァージョンが出来上がったので、

試作品を取りに来てくれと言われ、

向井と安達は黒谷の調理場に向かった。

「安達君が手伝ってくれて、

面白いコラボ弁当が出来上がったよ。

編集部の人達にも、

これでいこうって言われた。

材料も予算内で出来たし、

後は売れてくれればいいんだけど」

向井が蓋を開けると、

「へえ~面白いね。おいしそうだし。

でも、冥王はどう思うかなぁ~」

向井はハハハと笑った。

「まあ、当初のイメージとは違うけど、

安達君が言う、可愛いお弁当にはなったと思うよ」

黒谷も笑った。

「それとね~これも松田先生オリジナルの、

冥王の絵なんだよ」

安達がお弁当のパッケージを見せた。

「ちょっとカッコよくし過ぎじゃない? 」

向井が可笑しそうに笑う。

「でも、冥王はカッコイイよ。

画面でしか知らないけどハンサムだよね」

黒谷が言った。

「あとね~」

安達はそういうと調理場の後ろに行き、

箱の中から何かを持ってきて、

向井に見せた。

「これ見て~サイン貰ったんだ」

そういうと安達君へと描かれた、

手書きのサイン色紙を見せてくれた。

「よかったじゃないですか。

松田先生、ここに来られたんですか? 

これ、冥王も牧野君も欲しがりますよ」

「だからここに隠してたんだよね」

黒谷は笑うと、

「先日ね。ちょうどアートンさんと安達君がいる時に、

お弁当の方がどうなっているか、

お菓子を持って見に来てくれたんだよ。

その時に安達君が嬉しくて興奮してたんで、

先生も最初はびっくりしてたけど、

楽しそうに話ししてさ。

それでサインをもらったんだよね」

「凄いんだよ。

目の前でサササッて描いてくれたの」

嬉しそうな安達に向井達も笑って話を聞いていた。

「当日はこれを限定販売するから、

パッケージに入っているのはこれ一個だけね。

試食の方はテイクアウト容器に詰めてあるから、

食べてみて。

この前のよりは断然美味しいからさ」

「フェスには先生は来られるんですか? 」

「最初は来る予定だったんだけど、

少し前にあった地震でサイン会が中止になったんで、

この所いろんな場所に行ってるんだって。

安達君は本当に運よく会えたんだよね」

「よかったですね」

サインを抱えてニコニコ顔の安達を見て、

向井も笑顔になった。
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