信じていました…

クロユキ

文字の大きさ
3 / 90

兄が帰って来た

私の体は回復へと進み外へ出るようにもなった。
「奥様、花の手入れは私達が致しますからまだ動き回らない方が…」
庭師の使用人が慌てたように私の側に来た。
「大丈夫よ、今日は気分が良いの…それにお兄様が久しぶりに屋敷へ来る日だから、私も庭の手入れをしたいの」
笑顔を見せる私は、庭師の言う事を耳を傾ける事はなく庭師の諦めた顔に私はクスクスと笑った。
「分かりました…無理はしないでください何か有りましたらメイドに声をかけてください…」
「私がいるから大丈夫です」
私のメイド付きマーガレッタが笑顔を見せ私は花の手入れをしていた。
「ローラ!?」
「旦那様」
旦那様が心配そうな顔で私の側に駆け寄り私の手を握り締めた。
「何をしているんだ?」
「え、花の手入れをしています」
「それは、庭師の仕事だ任せたらいい」
「久しぶりに外へ出たのです。私の自由にさせてください」
「ローラ…」
カサッと人が歩く音が聞こえお姉様とお兄様が一緒に歩く姿を見て私は、お兄様に挨拶をした。
「お帰りなさい、お兄様。旅はいかがでしたか?」
「ああ、ただいま。今回の旅は良い旅だったよ、私の絵を買ってくれる人がいたんだ」
笑顔を見せるお兄様は嬉しそうに旅の話しをしていた。
「はぁ…絵が売れても二、三枚だけじゃない」
「数枚だけでも売れないよりいいだろう?」
お姉様が不機嫌な顔を見るのは久しぶりだった。
「まあまあ、久しぶりにお兄さんが帰って来たんだ庭園でお茶でもしないか?」
「そうね…」
「私、メイドに用意を頼んでくるわ」
「それでしたら私が用意致します」
「私も一緒に行くわ」
私は、お茶菓子の用意を屋敷へ戻った。
「…ローラ、元気になって良かったわ」
「気分が良いからとさっきまで花の手入れをしていたんだ」
兄は二人の会話を聞いて首を傾げた。
「何かあったのか?」
「あ…ローラ、生まれて来た子が死産だったの…」
「えっ!?」
「最近まで泣いてばかりだったの」
「…そうだったのか…」
「初めての子供だったのでショックが大きかったんです」
「……」
「無理に笑顔を見せていると思うの…」
ローラがメイドと一緒にお茶の用意をしてお茶会が始まった。



あなたにおすすめの小説

あなたの妻にはなりません

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。 彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。 幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。 彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。 悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。 彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。 あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。 悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。 「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?

白雲八鈴
恋愛
 我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。  離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?  あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。  私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

[完結]待ってください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。 毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。 だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。 一枚の離婚届を机の上に置いて。 ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。 ※短編連作 ※この話はフィクションです。事実や現実とは異なります。

裏切りの先にあるもの

マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。 結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。