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「第5班護衛所属アドルフ・ワーグナルと申します…わたくし達3人の代表として御話しを致します事を御許し下さい」
「……ああ、許そう、そなた達がその湧き水場所でのブランシェ侯爵とホルン伯爵夫人との事で何を知って居るのか話してほしいが…」
王様は話しを聞く事が辛く既にアノルドさんの話しを聞いた事でシルビア王女とユリウスとの結婚は無いと思った。
「わたくし達3人は同じ第5班護衛所属で休暇を頂いておりまして、湧き水場所に伺っておりました。湧き水場の付近でコップ売り場の女性がおりますその女性の側にはユリウス・ブランシェ隊長の息子様カイト様が売り場の女性と一緒に居たので御座います」
「ん?売り場の女性の所に何故カイトが居るのだ?……そう言えば今のカイトの姿は3歳の姿だが…護衛騎士と一緒にこの広場を出てユリーナ殿を迎えに行った時は大人の筈だが……」
王様はユリウスと一緒にいる3歳の俺を見て俺は王様から何故3歳何だ?といった顔を見せ俺を見ていた。
アドルフさん達はお互い顔を見合わせて「カイトが大人?」と言った事が分からず仕舞いだった。
「王様確かにわたくしと一緒の時はカイト様は大人では御座いましたがブランシェ侯爵とユリーナ様の御側には別の貴婦人の方がおりましてその時にカイト様がブランシェ侯爵と御話しをする為に森の巣の場所に向かわれたので御座います」
「…別の貴婦人?…とは…その貴婦人はどうなったのだ?」
「……王様…その事は私が後程御話しを致します…」
「ユリーナ殿!?」
「申し訳御座いません王様…貴婦人の事はユリーナ様から口止めされておりまして、御夫婦の問題だと言われましたので王様には御伝えしては御座いません…貴婦人方は散歩道を通りかかり、ブランシェ侯爵と昨年御会いした事が御座います御婦人だったので御座います」
「……何と…そうであったのか…その貴婦人の事は後程ユリーナ殿に聞く事にしょう……それで何故カイトはその森の巣へ入って行ったのだ?」
王様は俺の顔を見て問いかけていた。王様はその場所がどういった所なのか知っているようで俺は戸惑っていた。
そんな俺の姿を見ていたユリウスが王様に話しの許可を貰っていた。
「…王様……わたくしが御話しする資格が無い事は分かりますが息子の代わりに御話しをしても宜しいでしょうか」
「……良いだろうブランシェ侯爵カイトの代わりに話すが良い…」
「有難う御座います王様……わたくしは昨年から御会いしていました貴婦人と散歩道で偶然出会いました…その事はユリーナも知っております。わたくし達が揉め事になりました時に護衛騎士とカイトが一緒にわたくし達の元へ駆け寄りこの騒動を知りました息子のカイトが「話しがある」とわたくしを連れて森の巣へ入って行きました。カイトはこの森の巣がどの様な場所であるのかは知りませんでした。」
「……まぁ、カイトの性格だと知らずに入ったのだとブランシェ侯爵の話しを聞き分かったが話しは何を話したのだ」
「ユリーナをまた泣かせてしまった事に…隠れてもまだ会っているホルン伯爵夫人の事に会っていた事が分かればどうするのだと息子から叱りを受け暫く叩かれ続けました…」
「何?カイトから叩かれたのか…話しを聞くと叩かれる様な事をブランシェ侯爵はして来たのだからな…だから今そなたの頬が少し赤く成って居るのか?」
「……いえ、その時叩かれた跡は治しました…これは先ほどこの広場に来る前にカイトからまた叩かれた跡で御座います…」
「……ブランシェ侯爵の話しを聞くとカイトから叩かれてばかりいるの…それで何故3歳のカイトなのだ?」
ユリウスは俺と関係を持った事を伏せ話しを進めた。
「カイトが落ち着きをとり戻した頃に周りがその様な場所に居るとは知らないカイトが真っ青な顔に成りましてわたくしはこの場所を離れる事を進めました森の巣ではカイトの容姿を見る女性が多く居ましたのでわたくしはカイトに3歳の姿になる事を言いました…わたくしは森の巣の奥に続く道が湧き水のある場所だと知っておりましたので3歳に成りましたカイトを連れて行く事にしたのです」
ユリウスは話しを作ってはいるが、俺がユリウスと一緒に森の巣の場所に入った時女性達がいた事は覚えてはいたがあの時は話しがしたくてとにかく話せる場所を見つける事に必死だった。
「……カイト、ブランシェ侯爵の話した事は本当に話しをする為にその場所に入ったのか?」
王様は俺の顔を見て問いかけ俺は本当にユリウスと話しがしたくて入ったのだと俺は頷いて応えた。
「…そうか分かった…ブランシェ侯爵聞きたい事があるが良いか?」
「はい……」
「何故散歩道の途中で森の巣がありその奥に湧き水の場所がある事を知っていたのだ?森の巣と言う場所は入り口が複雑で分からない為何度もその場所を行かないと覚えにくい場所だと聞いた事がある…ユリーナ殿と行った事があるのか?」
「……」
ユリウスは王様の問いかけに黙りその話しをユリウスの後ろから聞いていたルィーズ夫人は側にいる執事の腕をギュッと握り締めていた。
王様はルィーズ夫人の様子に気付きユリウスに問いかけていた。
「…昨年からそこにいるホルン伯爵夫人と通い続けていたのか!?ブランシェ侯爵……」
「……っ」
ユリウスは言葉を失いルィーズ夫人は執事の側で体の震えが止まらず…ユリーナ母さんは無意識にユリウスを呼んでいた
「……旦那様……」







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