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「ブランシェ侯爵今何と申した…カイトを湧き水場に置いてそこにいるホルン伯爵夫人と2人で出たと申したのか!?」
「……」
王様は声を張り上げカイトを湧き水場に残し2人だけで出ていった事が信じる事が出来なかった。
「その事はわたくし達が御話し致します王様…」
アドルフさんが王様に声を掛け、ユリウスとルィーズ夫人を見ていた事を王様に話しをした。
「…そなた達はブランシェ侯爵の話しをした事が本当なのか知って居るのか?」
「……はい、ユリウス・ブランシェ隊長がそちらの貴婦人と2人でその場所を離れた所を見ておりました…」
「……何て事を…」
王様は言葉が出ず俺の体をまだユリウスは抱き締めていた。
「わたくしはコップ売り場の女性からまだカイト様の父親が戻っては来ないと言われ探して暮れないかと頼まれました。
わたくしはカイト様と一緒に父親を探す事にしたのです…まさかカイト様の父親がユリウス・ブランシェ隊長とは思いもしませんでした。」
アドルフさんはチラッと俺と一緒にいるユリウスの顔を見た後話しを続けた。
「湧き水の水飲み場では、わたくしの連れ2人が隊長とそちらの貴婦人が一緒にいる場面を目撃しました。御二人は親密な御関係の様に御話しを終えた後接吻と寄り添う様に御互い御二人で湧き水の場所を出られたので御座います。」
王様はアドルフさんの話しを聞き目を閉じ黙ったまま湧き水の場所での事を聞いていた。
「……隊長はカイト様が御側にいる事に気付かずお二方は出られました……カイト様はお二方のお姿を見えなくなるまで見届けました後、お二方が去りました足下には2つのコップが落ちておりましてカイト様はそれを拾われ水汲み場でお水を汲み隊長がお飲みに成る筈のコップをわたくしにお渡して下さいました……」
アドルフさんは話しを途中で止めユリウスの方へ顔を向けた。
「ユリウス隊長…あなた方2人が出てわたくし達は貴方がお戻り
に成るのを待っておりました。
そちらの貴婦人を送り直ぐにカイトの側に来てくれるとわたくし達は貴方を待ち続けました。
でも、貴方は戻っては来ませんでした…カイトがどんな思いで貴方を待っていたのかを考えなかったのですか?
本当に貴方はカイトを忘れて居たのですか!?」
「……」
アドルフさんが怒っている姿を見て何故そんなに俺を気に掛けるのか分からなかった。
アドルフさんが上司であるユリウスに叱る姿を近くで見ていた騎士仲間2人はボソッと話しをしていた。
「…やっぱアイツ変だぞ…」
「もしかして、隊長の事が……」
「怖っ……違うだろう…」
騎士仲間の2人はアドルフさんがユリウスに怒りをぶっける姿にもしかしてまだ酒が抜けて居ないかもと2人はお酒のせいにしてアドルフさんの話しを聞いていた。










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