転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１０３

城から医師と看護婦が来て王様はユリウスの亡くなった経緯を伝えていた。
ユリウスの容体を見るとの事で俺はユリウスの側を離れそしてユリーナ母さんとリン姉とアドルフさん達の側に歩いていた。
「カイちゃん……」
「……母様……」
俺はユリーナ母さんの体をギュッと抱き締めユリーナ母さんは俺の胸の中で泣いた
「カイちゃん大きくなってる！」
リン姉もユリーナ母さんの真似だろうか俺とユリーナ母さんに小さな体で抱き着いていた。
俺達３人の姿を見ていたアドルフさん達は黒髪のカイトの姿を見て３歳の金髪のカイト何だと未だに信じられないといった顔を見せていた。
「……信じられないけど湧き水の場所で一緒にいた隊長の息子だよな……何故大人で黒髪かが分からないが……」
「…そうだな…でも少し隊長の顔に似てなくもないけどな……」
「…綺麗だな……黒髪が…」
「え？」
「は？」
アドルフさんの騎士仲間２人はアドルフさんがジッとカイトの姿を見ているのを見てヒソヒソと話し出していた
「おい、アドルフの奴大丈夫か？彼女と別れてまさか幼児に恋した何て言うんじゃないよな…」
「まだ酒が残ってるかもしれないぞ……」
２人の騎士はユリウスが亡くなった事等忘れた様にいつもの会話で話しをしていた。
「…旦那様が……旦那様が…先ほどまで御話しをしておりましたのに……信じられません……ううっ……」
「……治癒能力を俺に渡し弱まり出して…何度も治療をしましたが……助ける事が出来なかった…俺に能力を渡さなければまだ生きていた……のに…」
「……御兄様……」
アドルフさん達に分からないように小さな声で俺達は会話をしていた。
「医師の検証が終わりましたらユリウスを屋敷へ帰る事に成りました。一緒に帰りましょう…ユリウスも喜んでいますよ、子供達に会いたいと言っていましたから…今夜は家族全員で過ごしましょう」
ユリーナ母さんは涙を流し頷き俺とユリーナ母さんを横から抱き締めているリン姉にユリーナ母さんは腰をおとしリン姉に話し掛けていた。
「リンちゃん夜は父様も一緒に屋敷に居る事に成ったのよ、でもね父様お仕事で疲れて眠ったままなのそれでもリンちゃん父様を屋敷に連れて帰っても良い？」
「えっ！父様と一緒に帰るの？リン父様のおねんね邪魔しないよ。わーい、父様と一緒に帰る～っ！」
ピョンピョンと体を跳ねて喜ぶ姿にユリーナ母さんは父親の死を知らないリン姉にいつの日か知らせる事が出来るのだろうかと胸が苦しくなる思いだった。
俺は少し落ち着く事が出来た為俺達の側にいるアドルフさん達の側へ行き挨拶をする事にした。
「今日はお休みだと聞き私達の家族の事で迷惑をお掛けしました」
「迷惑だとは思ってはいない俺達の事は気にしなくても良い」
「…そ、そうだよ……えっと……隊長の子供だよな？あの湧き水場所に一緒にいた……」
「はい、カイトです。あっ…今のこの姿ですが魔力の暴走でこの姿に成りまして…簡単に言いますと１つの心に子供と大人の姿に成ることが出来るのです」
「おおっ、凄いな何か聞くと便利だな、大人に成ったり子供に成ったりする事がさ」
「そうだ、今度一緒に酒飲みに行こうか？カイトを連れて行くと女達が寄って来そうだからな」
バシッ！
「痛っ！？何で叩くんだよアドルフ？」
「今はそんな事を言っている場合では無いだろう…それにカイトをそんな場所に連れて行ける訳がない、カイト嫌なら断るんだぞ」
「ハハ…有難う御座いますお酒はまだ飲む事は出来ないんです。本体が３歳の子供ですから……こんな時はお酒を飲む事が出来たら良いのにと思いました…」
俺はチラッとユリウスの方を見たまだ医師達が王様に話しをしている姿を見て早く兄姉達に会わせてあげたいと思っていた時に頬に触れる手に気が付いた
「アドルフさん？」
俺がユリウスの方を見ている間にアドルフさんが俺の前に立っている姿を見て騎士仲間の２人も突然アドルフさんが俺の近くに寄っていた為驚いた顔をしていた。
「……困った事がある時は俺に相談すると良い城に来る事があれば騎士寮に居る」
「…有難う御座いますアドルフさん、湧き水場所からアドルフさん達にお世話に成ってすみません」
「気にする事は無いよ俺で良かったら頼ると良いよ」
「はい」
俺はアドルフさんが心配をして声を掛けてくれた事が嬉しかった
俺とアドルフさんの会話を聞いていた騎士仲間の２人はアドルフさんの行動に驚いた様子で……
「やはり変だアイツ」
「何を考えているのか分からん」
と、お互い顔を見合せ俺とアドルフさんの様子を見ていた。