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総隊長と魂だけのユリウスは屋敷が見える所まで歩くと総隊長がユリウスに尋ねていた。
「……ユリウス私は城に戻らなくてはならない…お前の葬儀の事もある、やはり体に戻る事は不可能なのか?」
「…体から魂が離れ時間が経って居ます。本当なら今頃は神様の元で旅立って居ます……この様にお話しをするのも今夜限りで、明日はもうお話しをする事も出来ません」
総隊長は黙って歩きながらユリウスの話しを聞いていた。
「総隊長私の変わりに子供達の剣稽古をお願いしても良いですか?私はショーンが剣の道を歩んで欲しいと思っています…でもショーンとは喧嘩別れをしてしまい剣の道を諦めて居ます。
もし総隊長のお時間がある時にでも子供達に剣の稽古をお願い出来ましたらと思って居ます」
「まったくお前は、私を何だと思って居るのだ」
「頼れる上司で部下のお願い事を断れない方だと思って居ます」
クスクスと笑う声だけが聞こえ総隊長はため息を吐いた
「仕方がないな、部下の頼み事を断る訳には行くまい子供達の事は心配するな私も時々様子を見に来るとしょう」
「有難う御座います総隊長…これで安心して逝く事が出来ます…それから末の息子のカイトですが私の能力を全て譲り受けていますからあの子にも剣の指導をお願いします」
「な、お前の能力を全てだと?」
「はい…あの子は特別なのです……王様にも気に掛けて貰って居ます」
「…自分の子供を特別と言うとはな…分かったお前の願いを引き受けよう」
ユリウスと総隊長が話しをして屋敷の玄関近く迄来た時に屋敷の玄関に一台の馬車が止まりだし、馬車から降りる三人の貴族の姿を見掛けた。
「夕刻のこの時間に慌てたように馬車から降りる姿を見たが誰なのか知って居るのか?」
「……ユリーナの両親と家族の様に慕って居ます伯爵です。
屋敷の者が私の事を知らせたのでしょう」
「ユリーナ様のご両親か…ユリウスどうする家族で最後の会話をと言ったがユリーナ様のご両親にも別れの挨拶をするのか?」
「……いえ、別れの挨拶はユリーナと子供達だけで良いです。
他の人達に話し掛けては驚かせてしまうと思いますので最後の会話をするのは私の家族で充分です」
「……そうか…お前がその方が良いと思うならそうすると良いだろう…ユリウス私はユリーナ様に挨拶をした後城へ戻るお前の事はユリーナ様に話しをすれば良いのか?」
「いえ、総隊長末の息子カイトの元へ行って貰いたいのですが、カイトに私の事を話して下さい」
「末の息子にか?ショーンではないのか?」
「はい、ショーンでは無くカイトに会いに行って下さい」
「…分かった末の息子だな」
総隊長は今のユリウスの現状をカイトに知らせる為屋敷の中に入り総隊長はカイトを探す事にした。






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