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屋敷の中ではユリーナ母さんに会いに来た両親とスティーブン伯爵が訪れていた。
ユリーナ母さんはメイドから両親が来ている知らせを受けユリウスの部屋から出た時に廊下には両親とスティーブン伯爵が目の前に立ちユリーナ母さんに両親は抱き締めていた。
「ユリーナ…ユリーナ…」
「御父様、御母様…スティーブン御兄様……」
両親は目に涙を浮かべユリーナ母さんに抱き締めユリウスの死に涙を流した。数日前はユリウスにユリーナ母さんと離婚をした後シルビア王女との結婚に怒りをぶつけていた両親だが、突然のユリウスの死の知らせに驚き、怒りから悲しみに変わり娘と別れたユリウスだが長年両親を慕い本当の親子の様に接していたユリウスに両親は息子が亡くなった様で心から悲しんでいた。
「何故どうしてこんな事に成ってしまったの…」
「ユリウスは私達を何度悲しませたら気がすむのだ……」
「ユリーナ、何と言えばいいのか…子供達は……」
「御父様、御母様、御兄様……私は大丈夫ですわ…旦那様の事をどうして知って居るのですか?」
「メイド長から連絡があったのだ。まさかと思いメイド長の報告が信じる事が出来なかった」
「……私もまだ信じては居ません、旦那様が亡く成った事が…あんなに安らかな顔で眠って居るのです」
ユリーナ母さんは目に涙を溜め三人に笑顔で応えていた。
「ユリーナ…子供達は何処に居るの?」
「旦那様の御部屋に居ます。子供達も喜びますわ」
ユリーナ母さんは両親とスティーブン伯爵をユリウスの部屋の中に入れると兄姉達は三人の姿を見て先ほど迄泣き止んでいた涙がポロポロと流れ落ち三人の元へ涙を流し走り出した
「おじ様、おば様、スティーブン兄様!!」
「スティーブン兄様、父様が、父様が……」
皆それぞれに抱き締め合いユリウスの死を悲しんだ
「…子供達辛かっただろう」
ユリーナ母さんの父親がショーン兄とルカリオ兄を抱き締め慰め
「アニーちゃんにエミリーちゃんおば様に抱き締めてあげて…」
「おば様…」
「おばあ様…」
姉二人はギュッと抱き締め合いジェーン兄はスティーブン伯爵の元で涙を腕に拭い話し出していた。
「スティーブン兄様、父様は凄いんだよ通り魔から人を助けたんだ。僕達の父様は凄い騎士だった」
「ああっ、君達の父様は凄い人だよ」
ジェーン兄は笑顔でユリウスの勇敢な姿に誇りを持った
エミリー姉とアニー姉を抱き締めていたユリーナ母さんの母親がリン姉が居ない事に気付き姉達に問いかけていた。
「リンちゃんの姿が見えないけどリンちゃんはどうしたの?」
「リンはメイド達と一緒に遊んで貰って居ましたわ…御父様が亡く成った事は知らせて居ないみたいですわ……御母様が御話しが出来る時にリンに御父様の事を御話しをしますと言われて居ましたわ…」
「…そうねリンちゃんにはその方が良いのかも知れないわね」
ユリーナ母さんの両親とスティーブン伯爵は快斗の姿で居る俺の側に来ると手を握り締め背中を叩いて慰めていた。
「リンより年下なのにな…その姿で居るとまるでもう一人ユリウスが居る気がするな……」
ユリーナ母さんの父親が俺の姿を見て側で眠るユリウスと重ねて見るように話し掛けていた。






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