転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

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ユリーナ母さんの両親とスティーブン伯爵はベッドで眠るユリウスの安らかな寝顔にじっと見つめていた。
「…本当に亡く成ったとは思えない微笑んだ顔をしているな」
「本当ですわね…声を掛けましたら起き出してくる気がしますね」
「傷一つ無い安らかな眠顔です…ユリウス侯爵」
三人はユリウスの綺麗な顔に本当に死んでいるのかが不思議な感じを受けユリウスの服に目を向けた。
「この服は…初めて見る服装だな、城では皆着ている服装なのか？」
「いえ…この服は父様が特別に衣類の専門店に作らせた服で全部一式として揃えた服になり背広と言います。
男性が主に着こなしている服で、兄様達が母様に頼みまして同じ服を揃える様です。」
俺がユリウスが着ている背広を三人に説明をしてあげた。
三人はユリウスの黒の背広を見た後何故か俺の顔を見て不思議そうな顔を見せていた。
「……僕の顔に何か付いていますか？」
「…いや、カイトお前は本当に３歳なのか？済まない…孫を疑ってはいけないが…３歳児とは思えない話し方でもある為大人並みの会話はその姿と知能が関係しているのか？」
「本当よね、カイトちゃんが一気に大人に成った様に思えて、でも私は３歳でも今の姿でもどちらのカイトちゃんでも好きですわ」
「ハハ、そうですよね初めてカイトに話し掛けた時も驚きましたから…ユリウス侯爵の血が兄姉の中で濃いのでしょう」
俺は普通に話しをしているつもりが周りから見れば服の説明など話しをする３歳児は普通居ないよな…
俺が困った様な顔をしていたのかユリーナ母さんがクスクスと笑い話し掛けてきた。
「御父様達カイちゃんが困っておりますわどんな姿でもカイちゃんは私と旦那様の子供です」
「ああっ、そうだな悪かったなカイト大人の私達と対等に話しをしていた為良い意味で話しやすいと言いたかったのだ」
「…いえ、おじ様僕は気にして居ません」
「おおっ、初めてカイトから「おじ様」と呼ばれたぞ」
おおっ、と言いながら嬉しかったのか身長が俺の快斗と変わらない為俺の頭をガシガシとかき回した。
コンコンと部屋の扉にノックをする音が聞こえユリーナ母さんが扉を開くと目の前に総隊長が立っていた。
「総隊長様…！」
「ユリーナ様…私は城に戻りますので申し訳在りませんが馬をお借りしたいのですが宜しいですか！？」
「はい、馬でしたら馬車をお出し致しますのでそれにお乗り下さい…総隊長様、ユリウス様の事は御聞きなさいましたか？」
ユリーナ母さんはユリウスの死を総隊長に尋ねていた。
「……はい、先ほどメイドから聞きました…ユリーナ様お気を確かにお持ち下さいユリウスは私達の側に居るのです」
「有難う御座います総隊長様……ユリウス様にお会いなさいますか！？」
「…はい、一目見まして城に戻ります」
総隊長は部屋の中に入ると兄姉達にユリーナ母さんの両親そしてスティーブン伯爵が居る中ベッドの上で眠るユリウスの側で黒髪の快斗の姿を見て驚いた顔をして俺を見ていた。
総隊長さんとは城で３歳のカイトの姿で会って居たため俺は総隊長さんの事は知っていた。
「総隊長さんお久しぶりです。お城でお会いしました息子のカイトです。」
「城で会って……もしかして末の息子のカイトなのか？」
「はい、僕です総隊長さん」
俺は総隊長に笑顔で応え俺の顔を見て総隊長も笑顔で話し掛けてくれた。
「…まさか黒髪の姿で大人に成る事が出きるとは…ユリウスが特別だと言った意味が分かった気がするよ」
「えっ？」
総隊長は眠るユリウスの顔を見てフッと笑い掛けていた。
『背広を着せてくれたんだね…カイト』
俺は小さな声で耳元で囁く日本語で話し掛けて来た声のする方へ顔を向けた俺の側には総隊長が居るだけでまさかユリウスが総隊長の体を使い話し掛けたのではと俺は総隊長の顔を逸らす事が出来なく見ていた。
そして総隊長が自分の近くに来るようにと俺を呼び小さな声で話し掛けていた。
「時々珍しい言葉を話すユリウスに私も教わりたかったな…君の事はそのままカイトと呼んでも良いかい？」
「はい…」
「お父さんの事で君だけ話しがしたいのだが他で話しが出来る場所はあるかい？」
「はい、僕の部屋でしたら…」
総隊長は俺に話し終えるとユリウスの顔を暫く見た後ユリーナ母さんの両親に礼をした後ユリーナ母さんの側に行き俺と暫く話しがしたいと告げ俺と総隊長２人部屋を出た後俺の部屋に向かう事になり総隊長に聞きたい事があったのだが言葉に出来ないまま俺は総隊長の事が気に成り隣で一緒に歩いても側にユリウスが居る様な気がして俺の心臓の鼓動が高鳴った。