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「…えっ、カイ?どうして父様の席に座るの?」
ルカリオ兄が俺がユリウスの席に座って居る事に驚いた表情をしていた…他の兄姉達も「えっ!?」と声を出しユリウスの席に座って居る俺の顔を見ていた。
ユリウスが俺の体の中に入ると閉じていた瞼を開きそして俺の両手を見てぐっと握り締め、手をテーブルの上に置きそして触り始めるとスプーンに目をやり俺の指でスプーンを触るとニコッと微笑んだ後兄と姉そしてユリーナ母さんの顔を見ていた。
「…カイトのお陰でまた皆とこのテーブルで食事をする事が出来るよ」
「!?」
俺の声でユリウスの口調で話しをしているとユリーナ母さんが涙を浮かべユリウスの席に座っている俺を見て一言呟いた。
「旦那様!!」
ユリーナ母さんが俺の姿を見てユリウスの名前を呼んだ為兄姉達は驚きユリウスの席で座る俺の顔をじっと見ていた。
「母様、本当にカイトの中に父様が居るのですか?」
ショーン兄が信じられないと言った顔を見せユリーナ母さんに確認をしていた。
「…そうよ、カイちゃんの中に父様が居るのよ……そうでしょう?旦那様……」
ユリーナ母さんは手で涙を拭った後笑顔でユリウスに問いかけていた。
「ああっ、私だよユリーナ…カイトの体が私の魂を受け入れてくれたんだ。」
ユリウスは俺の体にそっと胸に手を当て動いて居る心臓に暖かな体にそして数回だが俺の体で関係を持った事を思い出しそして俺のお腹に手を当てていた。
「……」
「……ユリーナ後で君と話しがしたいのだが良いかい…」
「ええっ…私も旦那様とお話しがしたいわ」
ユリウスは笑顔で話しをした後テーブルに置いているスプーンに手を取りチャーハンを口にした。
「美味しいな!カイトが作ったバター醤油味チャーハンは、父様はこの味が大好きだよ」
ユリウスは俺が作ったチャーハンを食べ喜びその様子を見ていた兄姉達はカイトの中にユリウスが本当に居るのだと笑顔で食べるカイトの姿に兄姉達も止めていた食事の手を動かし笑顔で皆食べていた。
俺の体を借りてユリウスの話し方で皆と会話をしている姿を見ていたルカリオ兄が俺が今どうなっているのかが気に成りユリウスに話し掛けていた。
「父様…カイは今どうして居るの?」
「僕もカイトが気に成っていた」
「…私も、父様とお話し出来て嬉しいけどカイちゃんが心配に成ってきた……」
ジェーン兄とアニー姉が今の俺の様子を気にしていた。
「カイトは私と一緒に皆を見ているよ、それに話しもしているんだよ私が「チャーハンが冷めている」とカイトに話しをすると「贅沢言わない」と怒られてしまったよ」
ユリウスはクスクスと笑い俺に怒られた事を話をした。
ユリウスから俺が体の中に一緒に居ると聞きルカリオ兄達はホッとした表情を見せていた。
俺も自分ではユリウスに体を使えと言ったがユリウスの魂に俺の体が受け入れてくれるのかが分からなかった。
例えユリウスが俺の体を奪ったとしてもそれでも良いと思っていた。いちどは死にかけていた事もあり俺の体は普通では無い事でもある…ユリウスと同じ様に俺も転生者のひとりだ。
この国で生まれたカイトの中に精神状態のもう1人の俺本田快斗が生前と変わらず1人の人間としてカイトの中で生まれた。
普通は有り得ない事だが…俺はユリウスの目を通して家族で食卓を囲み楽しく話しをする家族の姿を見てユリウスがこのまま俺の中に居れば良いと思い始めていた。







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