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貴族の屋敷が建ち並ぶ場所ではユリウスの訃報の噂が広がっていた。
早朝から黒い服での姿を見せる貴族達が屋敷の外で話し声が聞こえていた。
「奥様、奥様、お聞きになりましたか?ユリウス様が御亡くなりになりました事を」
「ええっ、わたくしも主人から聞きまして驚きましたわ」
貴婦人達が今からユリウスの葬儀の為城に向かう所だった。
「ユリウス様は女性をお助けになり亡くなったと御聞きしましたわ」
「女性に誰にでも御優しい御方でしたわ…わたくし今の御主人様と別れましてユリウス様とのご結婚も考えておりましたのよ」
「あら、わたくしも同じ事を考えておりましたわ」
ホホホッ!と二人の貴婦人は手に持つ黒い扇子で顔を隠しお互い笑い合っていた。
「…ところで奥様ルィーズ夫人を御存知で御座いますか!?」
「ルィーズ夫人で御座いますか?ええっ、わたくし達が城内で集まる時にお見掛けいたしますが、わたくし達とは余り御話しをした事が御座いませんのよ、わたくし達の御話しは主に旦那様と子供達の会話が多いもので…ルィーズ夫人は伯爵様が御亡くなりになり御子様もいらっしゃいませんでしたので、わたくしの会話を聞き直ぐに席を外される方が多かったと思いますが…奥様、何故ルィーズ夫人の御名前を出されたのですか?」
貴婦人は首をかしげルィーズ夫人の名前を出した貴婦人に問いかけていた。
「わたくしも実際に見ました訳では御座いませんが、わたくしの知り合いの御婦人がユリウス様がまだユリーナ様と御夫婦の時にユリウス様とルィーズ夫人が城下町を過ぎました道で御一緒に歩いているお姿を見掛けましたと言っておりましたわ」
「まあ、それは本当の事で御座いますの!?」
「ええっ、そのようで御座いますわ…御婦人が御二人の後を付けますとあの森の巣と呼ばれます場所に入って行きましたと御話しなさいましたの…わたくしは見間違いではと訪ねましたが「ユリウス様のような見惚れますお姿を間違えるはず在りません」と言われましたのよ」
「ユリウス様の離婚はルィーズ夫人が関係していますのではありませんか?」
「そうかも知れませんわ……未亡人と言う事でユリウス様を誘惑なさったのかもしれませんわね」
「まぁ…怖いですわユリウス様が御亡くなりに成りましたのもルィーズ夫人が関係在りますのでは?」
貴婦人の二人は扇子で口元を隠しヒソヒソとルィーズ夫人の事を話し出していた。








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