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懐かしい友達

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ホルン家の庭に小さな庭園があり、小さな丸いテーブルに椅子が二つありテーブルの真ん中に紅茶を入れたポットに花の絵が描かれたカップが二つ用意されお皿の上にはカップケーキが二つ置いてありロバート伯爵とルィーズ夫人はお互いに向き合い二人のお茶会を楽しんでいた。
クスクスとルィーズ夫人が笑い何故笑っているのか分からないロバート伯爵は手に持っていたカップをお皿に置きロバート伯爵も笑顔でルィーズ夫人に訪ねていた。
「ルィーズ先ほどから私の顔を見て笑っているようだけど…私の顔に何か付いているのかい?」
ロバート伯爵は手を顔に当て何か着いているのか?と顔をペタペタと触っていた。
「クスッ、旦那様顔には何も着いておりませんわ、ごめんなさい
旦那様と御茶会を始めるとは思っても居ませんでしたので私思わ
ず笑ってしまったのです旦那様」
「私の顔を見て笑うとは酷いなルィーズ、男の私でも御茶会という物には興味があったんだ、ほらっ、覚えているかな学校でも庭園があっただろう!?良くユリウス・ブランシェが利用して毎日違う女子達がユリウスとお茶をしていたのを覚えているかな…」
「余り良く覚えてはおりませんわ…ただ、私の友達がユリウス様と庭園でお茶をしたいと言われまして毎日庭園に出向いていた事を思い出しましたわ」
二人は学生時代を思い出し花の香りと紅茶を楽しんでいた。
サクサクと遠方から二人の貴婦人が歩いているのに気が付いたロバート伯爵とルィーズ夫人が自分達の方へ向かっている事に気が付きロバート伯爵が声を出していた。
「御母様!?何故こちらへ……」
二人の側に来た貴婦人はロバート伯爵の母親とそして見知らぬ若い女性が一緒に歩いて来た。
「メイドからあなた達が庭園に居ると聞き私達も御一緒に良いかしらと思い来たの…お邪魔だったかしら」
「……テーブルには椅子は二つだけですが、私達は戻りますので御母様方は御二人どうぞ、後でメイドに新しい紅茶を持たせますので、行こうルィーズ」
「でも旦那様…御母様が……」
ロバート伯爵とルィーズ夫人が椅子から立ち上がると一緒にいる若い女性が驚いた顔をして声を出していた。
「……ルィーズ!?」
「えっ!?」
ルィーズ夫人は自分の名前を呼ぶ女性を見て何処かで聞き覚えのある声と顔を見てルィーズ夫人は驚いていた。
「……カレン…!?」
「ああっ、本物のルィーズだわ」
わーっ!と女性が笑顔でルィーズ夫人を抱き締めルィーズ夫人も一緒に抱き締め再開を喜んだ。
「あらあら、貴女達お知り合いだったの?」
「はい、私達学生時代の級友何です」
女性はカレンと名乗りルィーズ夫人とは学校での仲の良い友人でユリウスの後を追いかけていた。
「ルィーズの友達だったのか、初めましてルィーズの夫のロバートと言います」
ロバート伯爵はルィーズ夫人の側にいるカレンに手を差し出し挨拶をしていた。
「…まぁ、貴方がロバート様……初めましてわたくしカレン・アードレイと申します。」
カレンはロバート伯爵の手を握り締め笑顔で挨拶をしていた。
「ルィーズさんとカレンさんがお知り合いで学校のお友達だったなんて、これも何かの御縁よね…ルィーズさんメイドに椅子を用意するように言って貰えるかしら」
「はい、御母様」
ルィーズ夫人はカレンに手を振り屋敷に向かい歩いていた。
「私は席を外しますので二人とも座って下さい」
「そうね…ロバート良かったらカレンさんに庭園に咲いています花をカレンさんに見せてあげなさい」
「えっ、しかしルィーズがまだ……」
「ルィーズさんには私から言っておきます、せっかく綺麗に咲いています花を見せない何てレディに失礼ですよ」
「わたくしも花が見たいと思います、ロバート様案内を御願い出来ますか?」
カレンは笑顔でロバート伯爵に庭園の案内をお願いしていた。
「分かりました案内を致しましょう…御母様ルィーズが戻りましたら二人ともここでお待ち下さい」
「はい、はい、分かりました。早く行ってらっしゃい二人とも」
「行ってまいります、おば様」
カレンはロバート伯爵の母親に手を振りロバート伯爵とカレンは二人とも並び一緒に歩いている後ろ姿をテーブルの椅子に腰掛け二人の姿を見ていたロバート伯爵の母親はニコニコとした笑顔を見せていた。
「御似合いの二人だこと、一緒に歩く姿は夫婦の様だわ…ロバートがカレンさんを後妻に迎えてくれたら良いのにね…」
時々二人が草花の道を立ち止まりカレンがロバート伯爵に訪ねお互い笑う姿を微笑みながら見ているロバート伯爵の母親だった。





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