「別れない」と言われても「私はあなたと別れます」

クロユキ

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護衛騎士

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「貴女がフェリクス様の店の責任者ですって?勝手な事を言いましたらフェリクス様に報告しますわよ」
ルイーゼの着飾らない姿を見て女性客はクスッと笑みを見せた。
「フェリクス様に報告しても構いません、ですが店員はこの場を離れる事が出来ない事をお許し下さい」
女性客に頭を下げるルイーゼに他の客達も何かあったのかとルイーゼ達の方へ顔を向けていた。
「何?どうして彼女が頭を下げているの?」
「あの人、フェリクス様と一緒にいた人じゃない?」
周りの女性達に戸惑う姿を見せる女性客は「し、失礼しますわ」とルイーゼに声を掛け店を出て行った。
「……ふぅ…」
「あ、あの…ありがとうございました…」
「ごめんなさい、勝手な事をして…」
「いえ…どうすればいいのかフェリクス様にお伝えしたいのですが…店内では私が一人でしたので…助かりました」
店員は安堵した顔をルイーゼに向けお礼を言った。
「あの…先ほど店の責任者と言いましたのは?」
「紹介が遅れたけれど、私はフェリクス様の妻ルイーゼと言うの…フェリクス様がお仕事で忙しく私がこの店であなた方と一緒に働く事になったの…」
「えっ!?お、奥……」
店員は驚き思わず声に出そうとして口を閉ざした。
「貴女の名前は?」
「私は、エメと言います」
「私はルイーゼよろしくね、私の事は奥様だからと気を使わなくて良いから……ところで、店員は貴女一人だけなの?」
「もう一人いますが、今日はお休みなんです」
「…えっ、二人だけなの?店員は…」
「はい…フェリクス様もご一緒ですが…昼間は私達だけなんです」
ルイーゼは、店員が二人だけだと聞き驚いていた。
「何かあった時はどうするの?」
「それは大丈夫です。私服の護衛の方がいますから」
「私服の護衛?」
「奥の方に二人のカップルがいます。彼と彼女は護衛騎士なんです」
「えっ!?護衛騎士?」
ルイーゼは、普通に会話を楽しむカップルを見て驚いていた。





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