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騎士達を交えての食事会

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「ぐ~きゅるる」
「ぐ~~っ」
ウィルの部屋で響き渡るお腹の虫が鳴り響く、俺は騎士二人のお腹の虫がこんなに聞こえるとは思ってもみなかった。
確か俺が中学の頃朝ごはん食べ損ねて学校に腹空かせて行った事があったな……しーんとした教室で腹の虫が鳴り響き何故か後ろから先生が教科書を丸めてポカッと叩かれたな…
『朝ごはんちゃんと食べて来い坂田!腹の虫がうるさい』と怒られたっけ…自分では何処まで響いていたのか分かんないもんな…
騎士二人のお腹の虫が合唱に聞こえるから思わず笑ってしまった
「アハハハ…凄いお腹の虫の合唱みたい」
「「「!!」」」
「…お腹の虫の合唱……」
アーサー騎士はボソッと呟き騎士二人は頭をガシガシとかき恥ずかしそうにしていた。
「く~~っ」
「「え?」」
と、騎士二人はお腹の声が聞こえお互いに確認をしていた。
「あれ?さっきのお前の腹か?」
「へ?俺じゃないよ」
近くにカイザック副団長とウィル王子がいる事を忘れたかのようにジョン騎士とダリル騎士が話し出していた。
「……こほん、それではわたくしはこれで失礼致します。二人とも任務をこなすように……」
何事も無かったかのような顔でその場を立ち去ろうとしたアーサー騎士に二人の騎士が「「あ~っ!」」と声をあげアーサー騎士に指を差していた。アーサー騎士は二人の騎士の声で驚き注意をしていたが…
「こ、こらっ!お前達ウィル王子の前で何を騒いでいる」
「アーちゃんずる~いこの後アーちゃんだけご飯食べるんだ!」
「そうだ、そうだ!ずるいよアーちゃん、俺達にも何か持って来てよ」
「お……お前達……も、申し訳御座いませんウィル王子、今からこの二人を連れ出しますので…ほら、仕事だぞ!」
「「ええっ」」
アーサー騎士は二人の騎士の腕を引っ張り部屋の外に向かった。
「あ、あの……待って下さい」
俺はアーサー騎士と騎士二人に声を掛けその時アーサー騎士の体がビクッと動いたように見えそして真っ青な顔で俺の方を向いていた。
「良かったら騎士の方も一緒に食べませんか?少しですが、パンと果物で良ければ…皆で食べる方が美味しいので良かったら」
ニコッと笑い俺は騎士達に一緒に食べる事を誘った。
「良いのかウィルお前の分が無くなるぞ?」
「果物さっき沢山食べましたので余り入らなくて…ザック兄様も果物また食べますか?」
「……いゃ、果物はもういらないかな…」
ザック兄は果物の大量にあるのを見て目を剃らしていた
「大食いの兄でもいらないと言っていますので三人側に来て一緒に食べませんか?!」
「……ウィル…大食いは無いだろう…まぁ、当たっては居るが良く分かるな…」
「適当に話をしただけですが…本当に大食いなのですか?ザック兄様」
「……」
ザック兄の体格から結構食べるかな…と思い思わず大食いと言ってしまったけどな…
「ガハハハハ、ウィルらしいな。おい、三人とも一緒に食べようウィルが誘っているんだ遠慮するなよ」
ニカッっとザック兄が笑い騎士三人を誘っていた。
「…ですが…副団長わたくし達は……」
ズカズカズカ…と大きな身体がアーサー騎士達の側に来て三人を引っ張り俺の側に連れて来た。
「テーブルがありますので三人座って待って居てください」
「……しかし…」
アーサー騎士は一人でオロオロとした感じで、他の騎士二人は目が爛々と輝いて、メイドのマリアがテーブルに果物とパンを運ぶ姿を目で追っているのが分かった。
騎士三人を迎えての食事会になった。








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