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大きな手で…

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「それでは副団長、ウィル王子わたくしはこれで失礼致します」
「ああっ、見習い騎士団を纏める事は大変だと思うが今夜のお前達の姿を見てこれから先護衛騎士として将来が楽しみな騎士が多いと思った。アーサー騎士これからも宜しくお願いする」
「有り難き御言葉を頂きました副団長」
アーサー騎士は俺とザック兄に頭を下げると騎士二人を連れ部屋を後にした。
「今夜はウィルの部屋に来て良かったぞ、面白い騎士達に会えたからな、今夜の護衛は何も心配する事無いだろう騎士としての教育はちゃんと受けているだろうから」
「はい、僕も思っていました彼等に僕の護衛をお任せ致します」
俺もジョン騎士とダリル騎士に会えてとても楽しかった。俺が春人として二人の輪の中に入る事が出来たら楽しいだろうなーっ、と思う程だった。
「ウィル様御話しの途中申し訳御座いません、今夜の足のマッサージはいかが致しましょう?」
メイドのマリアが足のマッサージの事を訪ねていた。
「今夜は止めておくよ今日は色々在りすぎて疲れたから……」
歩いては居ないけど精神的に疲れたと言うか…気疲れしたと言うか……まだ信じられない程に鮮明に覚えている…あの真面目で人を寄せ付けない第二王子ジルの告白と…キ…キ……言いにくいから止めておこう……とにかく今日は驚く事が多かったな、ウィルの母さんの事も知る事が出来たし…まぁ、楽しかったかな?!
「ウィル、マッサージはどんな事をするんだ?」
「えっ、あ…簡単に言うと足を手で揉み解すみたいな感じですザック兄様」
「ふ~ん、そうか……俺達がする騎士のマッサージと変わらないかもな」
「…擽りマッサージですか?」
「は?」
俺はザック兄から騎士のマッサージと聞き思い出した事が、シェル王子とニックからの擽り攻撃を受けた事だった。
「以前僕の身体が硬いからと言ってシェル兄様とニックから擽り攻撃を受けた事があったので、騎士のマッサージは擽る事かと思いました」
「……擽りはまぁ…騎士の中でもふざけてする奴もいるが……そうだったなウィルが倒れて目が覚めその二日後だったか?俺がウィルが目を覚ましたと聞いた時シェル兄がウィルに擽っている場面を見てしまったんだな……」
「酷いと思いませんか?ザック兄様、脇腹ですよ、脇腹!だれもが脇腹が弱い人っているでは在りませんかザック兄様、あれ絶対に死人が出ますよ笑い過ぎて…」
俺は真剣な顔でザック兄に擽りの愚痴を言い始めた。
「……以前のウィルには擽る事はしなかったけどなシェル兄は…ウィル覚えて居ないか?」
「ごめんなさいザック兄様、僕覚えて居ないんです……」
俺は生きていたウィルの記憶はまったく無い…夢のような場所でウィルに会ってそしてウィルは俺に身体を明け渡した後ウィルの母さんが待っ場所へ行ってしまった。
時々ウィルの記憶があればと思う時もあったが今は夢で会ったウィルを思い出し、ウィルなら生きていた頃こんな事を言ったりあんな事をしたかも…と自然とウィルに成り始めている……
ガシガシガシと俺の頭をザック兄が触っていた。
「悪い、ウィル…そうだったな生死の中をさ迷っていたんだ……嫌な事を思い出させてしまって悪かった」
「ザック兄様……」
大きな手で俺の頭を撫でてくれるザック兄が俺は好きだと思った










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