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後ろめたい俺の事情
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「いや、話は聞くけどさ。それってつまり、いまの俺とのセックスに、あ、飽きてきたってことじゃないのか……? それをやってみても、ダメだったら、俺は、す……捨てられるって、ことじゃないのか……?」
言ってるうちに、思考がだんだんネガティブな方向に向かってしまって、俺は泣きたくなってくる。
そもそも、コイツは元々女の子と出会うために合コンに行ったり、出かけた先で逆ナンされて喜んだりするノンケの男だ。
きらきらした目で女の子のおっぱいのやわらかさを語ったり、付き合うならふわふわで腕の中に収まるくらいの小柄な女の子がいい、と常々語っているような男だったのだ。
それを、俺が酔った勢いで襲って、ゲイの道に引きずり込んだ。
コイツよりも筋肉質で、少し背の高い俺は、コイツの理想の恋人像からは一番程遠い存在だ。
それなのに、次の日の朝、目覚めたコイツは全裸のまま一緒に眠っていた俺との関係を一夜の過ちにはしなかった。
驚いたことに俺を起こし、付き合おうと言って受け入れてくれたのだ。
その時の俺は小心者で、きっと受け入れてはもらえないだろうと思っていた。
だから、コイツが、俺との夜をなかったことにできるよう、寝たふりをしていたというのに、まさか起こされるとは思わなかった。
酔ったといっても、記憶がなくなるようなことはなく、普通に目をつぶってたら、口なんて女の子と変わらないし、入れるのは後ろの穴でも腰の振り方は一緒だから、セックスの練習になるぞ、などとさりげなくも必死に誘ったことは覚えている。
むしろ、コイツとしたのが初めてのセックスだったのだから、忘れられるわけがなかった。
それまで自分の指しか入れたことがなかった穴に、勃起した本物のちんこを入れた時の感動と痛みは、ちょっぴり泣いてしまうくらい嬉しくて、泣かずにはいられないくらい衝撃的なものだった。
おかげで、あの初体験は、体にも心にもしっかりと刻まれている。
そもそも、初めてのセックス相手が、自分が初めて好きになった人だなんてこと、嬉しくないわけがないのだ。
付き合いはじめてからしばらくは、男と付き合うということに慣れてないコイツに振りまわされた。
俺だって、恋愛初心者だったというのに、いつだってコイツの言動に右往左往しながら経験者のように語らなければならなかったのだ。
例えば、コンビニですれ違い様、転びそうになった女の子を抱き止めただけで、何故か浮気を疑われる。
中学生の頃から、俺は自分がゲイだと自覚していたから、女の子と浮気なんて絶対にありえない話だったのだが、なかなか信じてもらえなくて苦労した。
俺が女の子に惹かれると思っているあたり、ノンケ感覚のままなのだろう。
コイツに惚れてしまうまで、恋愛なんて自分には関係ないことだと思って諦めていたから、他の恋人、なんて初めから存在していないものに張り合おうとしていたらしい。
あとは、部屋に遊びにきたコイツが平気で半裸になるから服を着ろと怒れば、オレの筋肉じゃ不満か!と拗ねられる。
俺の恋愛対象が、男だけであることは理解してくれたらしいのだが、そのせいで、見ていた雑誌の水着特集ページの男モデルに見惚れていたと思われた。
俺は、この水着をコイツに着せたら、女の子にモテてしまうんだろうな、と思っていただけなのだが、アイツはそう受け止めなかったようだ。
まさか、雑誌の水着モデルに対抗して、半裸になって俺のことを誘惑しようとするのだから、やはりノンケ感覚というものは恐ろしい。
一度、きっちり襲ってやったら、さすがにそれからは半裸にならなくなった。
ゲイのことなどわからないノンケとはいえ、俺の精神衛生上よろしくないので、最初からそうしておいて欲しい。
もちろん、見せたかったという筋肉については、しっかり堪能させてもらった。
そのくらいの役得は、許されてもいいだろう。
それ以外にも、周りの視線を気にせず手を繋いできたり、水族館の大きな水槽前でキスしてきたり、お揃いの指輪を一緒に買いに行ったりされ、最初から隠す気ゼロのコイツに、男同士で付き合うことの大変さを語らなければならなかった。
言ってるうちに、思考がだんだんネガティブな方向に向かってしまって、俺は泣きたくなってくる。
そもそも、コイツは元々女の子と出会うために合コンに行ったり、出かけた先で逆ナンされて喜んだりするノンケの男だ。
きらきらした目で女の子のおっぱいのやわらかさを語ったり、付き合うならふわふわで腕の中に収まるくらいの小柄な女の子がいい、と常々語っているような男だったのだ。
それを、俺が酔った勢いで襲って、ゲイの道に引きずり込んだ。
コイツよりも筋肉質で、少し背の高い俺は、コイツの理想の恋人像からは一番程遠い存在だ。
それなのに、次の日の朝、目覚めたコイツは全裸のまま一緒に眠っていた俺との関係を一夜の過ちにはしなかった。
驚いたことに俺を起こし、付き合おうと言って受け入れてくれたのだ。
その時の俺は小心者で、きっと受け入れてはもらえないだろうと思っていた。
だから、コイツが、俺との夜をなかったことにできるよう、寝たふりをしていたというのに、まさか起こされるとは思わなかった。
酔ったといっても、記憶がなくなるようなことはなく、普通に目をつぶってたら、口なんて女の子と変わらないし、入れるのは後ろの穴でも腰の振り方は一緒だから、セックスの練習になるぞ、などとさりげなくも必死に誘ったことは覚えている。
むしろ、コイツとしたのが初めてのセックスだったのだから、忘れられるわけがなかった。
それまで自分の指しか入れたことがなかった穴に、勃起した本物のちんこを入れた時の感動と痛みは、ちょっぴり泣いてしまうくらい嬉しくて、泣かずにはいられないくらい衝撃的なものだった。
おかげで、あの初体験は、体にも心にもしっかりと刻まれている。
そもそも、初めてのセックス相手が、自分が初めて好きになった人だなんてこと、嬉しくないわけがないのだ。
付き合いはじめてからしばらくは、男と付き合うということに慣れてないコイツに振りまわされた。
俺だって、恋愛初心者だったというのに、いつだってコイツの言動に右往左往しながら経験者のように語らなければならなかったのだ。
例えば、コンビニですれ違い様、転びそうになった女の子を抱き止めただけで、何故か浮気を疑われる。
中学生の頃から、俺は自分がゲイだと自覚していたから、女の子と浮気なんて絶対にありえない話だったのだが、なかなか信じてもらえなくて苦労した。
俺が女の子に惹かれると思っているあたり、ノンケ感覚のままなのだろう。
コイツに惚れてしまうまで、恋愛なんて自分には関係ないことだと思って諦めていたから、他の恋人、なんて初めから存在していないものに張り合おうとしていたらしい。
あとは、部屋に遊びにきたコイツが平気で半裸になるから服を着ろと怒れば、オレの筋肉じゃ不満か!と拗ねられる。
俺の恋愛対象が、男だけであることは理解してくれたらしいのだが、そのせいで、見ていた雑誌の水着特集ページの男モデルに見惚れていたと思われた。
俺は、この水着をコイツに着せたら、女の子にモテてしまうんだろうな、と思っていただけなのだが、アイツはそう受け止めなかったようだ。
まさか、雑誌の水着モデルに対抗して、半裸になって俺のことを誘惑しようとするのだから、やはりノンケ感覚というものは恐ろしい。
一度、きっちり襲ってやったら、さすがにそれからは半裸にならなくなった。
ゲイのことなどわからないノンケとはいえ、俺の精神衛生上よろしくないので、最初からそうしておいて欲しい。
もちろん、見せたかったという筋肉については、しっかり堪能させてもらった。
そのくらいの役得は、許されてもいいだろう。
それ以外にも、周りの視線を気にせず手を繋いできたり、水族館の大きな水槽前でキスしてきたり、お揃いの指輪を一緒に買いに行ったりされ、最初から隠す気ゼロのコイツに、男同士で付き合うことの大変さを語らなければならなかった。
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